第11話

第 1章

人は未来を予測することはできないから、過去に手がかりを探すしかない。たとえ暗い時代であっても、私たちには光を望む権利がある。暗闇に慣れた目には、これからやってくる光が薄いロウソクの炎なのか、それとも燃え盛る太陽なのかを見分けるのは難しい。


「閣下、私がお送りした長文の手紙にあるように、私はサン=エティエンヌ=ブルティノーが理性的な自由の精神によって活気づくことを心から願っている」

深夜、なかなか眠れない少女が、魔王城の書斎に足を止めています。ここはどんなに強いパワーでも及ばない、先祖が残した価値のはかれない巨大なお宝箱と少女が幼い頃からずっと思ってきました。

「私のとっては、この地域の紳士と淑女なら誰であろうと愛している。」

「私にも愛される資格が持っているのかしら?」

思わず声を出してしまった少女に、願った返事がもちろんくるはずがありませんでした。


もし人々が純粋なる完璧さを求めることに執着したままであれば、その結果は自分を迷わせる欺瞞的にしかならないだろう。

「『極東語で』菜の花畠に、入日薄れ…」

少女が突然、ブルティノーで誰も聞いたことのない歌を歌い始めました。歌って徐々に眠くなりました。


5月31日。

目を覚めると、少女が書斎のつくえにうつ伏せたままです。頭がぼんやりします。

普段寝ていた部屋からアラーム音が届いてきます。


「うるさいー」

下の階から怒鳴りの声がきました。

「人っちに泊まった自覚があるのかしら?借金メイド!いいから先に体をきれいにしなさいよ」

少女が大声で返しました。


第 1.5章

「ね、お嬢様、これってこうやって使う?」

金属製の桶の前に2人が経っています。

「洗濯機の使い方が分からないの?メイトなんてもともと要らなかった。あの時の自分を恨むわ」

少女がバケツで桶に水を運んで、汚れた服にせっけん水をかけて入れて、桶の外側についているレバーをぐるぐる回しました。

「渦巻きが出たでしょ?ここでポスト魔導回線と繋いで、あとは見守るだけだわ」

「あとはよろしく」

「立場が逆になるじゃん!洗濯機を見守るくらいしなさいよ。ったく、どこからのヒモメイドかよ…きれいになった服を乾すまでお出かけ禁止だわ。私はまだバイドがあるから出かけるわ」


「忘れ物がない?」

「あ、そうだ、郵便局にも寄り道しないと」

「お昼、ピザを頼もう」

「わざと言ったかしら?」


少女が魔王城を出ます。薄雲の間から差し込む太陽の光は、大地に銀色の光を反射させ、人の目を眩ませました。毎日の朝が新しいと、少女が光を浴びながら嫌な気持ちを一掃しました。


第 2章

絡み合う小径には、人生のどの時点でも幸福につながる道が必ずある。


「お風呂にする?ご飯にする?それとも……わ・た・し?」

「バカなことを言うな。ほんと食品衛生検査官のクリップボードでお前の頭を叩きたい。この間に出前の食器から誰かの髪抜けが残されたのに1週間営業停止の処分が下されるのまだ覚えている?」

「それよりお湯はまだ?」

「こんなにこの仕事が嫌ならラングラード川で鯉les carpesの釣りでもして市場で売ったら?」

「おはようございます!」

少女がピザ屋の入り口にイチャイチャしている二人を見て挨拶します。

「ところで、あたしには変化が必要だった。12歳のときから、恋に落ちるか別れるかの繰り返しで、2週間も自分のためだけに生きたことさえなかった。」

「へー、それはよかったね。」

少女がピザ屋に入ろうとしますが、目の見えないゼリーのような壁があって、中に入れませんでした。少女が目を揉めて、再び看板を見上げると、フォー屋でした。中の2人を見たら、ウマ耳の一族でした。

「ごめんなさい!」

少女が慌てて走り去りました。

「あの子、魔王の一族の?町が混乱しているときに使っていた防犯用魔法が魔王にでも効くのね」

「ねぇ、今度、2人でピザでも頼もうか」

「働きなくして、得るものなし。」

「もう!ドング!Đồ ngu」


第 3章

「西から東に自転車が1人」

「東から西に自転車が1人」

両側に4、5階の石造建物が並ぶ狭い石畳みの道に、1人の女の人がノートに何かを書いています。少女がピザ配達用の自転車で通るたびに、二言三言ささやきます。


「待って!画を描く邪魔になったら声かけほしいわ、まわり道しますから」

「勘違いさせてごめんね。自分の店を立ち上がりたいから立地を選んているんだ」

少女が女の人のノートにある『五十川』に目を引かれました。自分のミドルネームにある『五』の形が同じですから。


「ル・セジュール・リキードのお姉さん!」

少女が女の人との接点を思い出しました。


「あ、ボッチ魔王…ド・ルプレイヌ=ド=メさんだね。私はレア・イラガワ。ボッチ…ド・ルプレイヌ=ド=メさんの言う通りル・セジュール・リキードで働いているけど、自分の店を立ち上がりたいから、オフの日に立地を選んているんだ」

「何のお店にしたいですの?」

「マッチケーキの店だ。マッチのように燃えるにケーキのように食べられるものを売る店だ」

「破産手続きをよろこんで代理しますわ。あ、そういえば私をサツキと呼んでいいですわ。…ね、この記号ってどういう意味ですか。」

「サンクだ」

「解答ありがとうございます。…なんか冷たいですわ」

「タテマエとホンネがあるんじゃない?そうか…連邦人にそういう文化がないのか。要するに、第二の人格が出たから」

「オー、さっぱり分からない解説ありがとうございます。」

「フォーの匂いがするね。けとピザ屋でしょ?これは興味深い」

「ピザがいかがでしょうか。ほら、チラシ、毎度あり!」

少女がチラシを女の人に渡すときに、眉をひそめました。

「私の第3、5、7、11の人格が勝手にしちゃったからお詫びしますわ」


第 4章

「奇遇だね」

「奇遇だわ」

「今日を奇遇記念日にしよう」

自転車に乗っている少女が自転車に乗っているシンメイさんとシアナさんに向き合って止まっています。

「私にとって毎日もシアナにうんざりされる記念日だわ」

「うちはティボービル西高校10年魔導学クラス記念日協会の会長だぞ、メンバーは今の段階で1名しかないけど」

「何だそのくそ長い名前の会?」

「今日の授業でマッコグランMcCoghlan先生の背影を見て作りたくなってきたから」

「どうして今日は早く帰ってきたの?」

「的を射ているわ。そのマッコグラン先生がこの1カ月間で教えていたのは、シラバスとぜんぜん違って、彼自身の研究だったわ。私たちをそろばん代わりに使いやがって、ただの停職処分じゃ済まないよ。おかけ様で、また1から新しい授業だわ」

「話は大体分かってきたが…そろばん?」

「そろばんというのは、昔から東部大陸で…まあ一言で言えば計算器械だわ」

「そんなー。楽しかったじゃない?魔導士の根拠もなく適当に試してきた呪文の歴史よりも。このまま先生の研究に突っ込んだら、いつかグネルの定理が教科書に載るかも」

「教科書に載ったとしても、カク・グネルの定理だわ。1部の計算は私だったし、それに何回もシアナのおねしょの跡を消したから。もう怒ったわ。帰ったら私のスペアの布ナプキンを返してもらうわ」

「やだ。普通の下着より着心地抜群だ」

「次の配達に急いでいるから。またね」

「ほら、翼っちもメイっちにうんざりされたよ」


幕間7

3月17日

「正直に言うと、教師の疲れ原因の多くは自分で招いたものだ。我々はサービス業だ、自分を立派だと思うな、状況を認識しろ。」

「だもんね。隣県の労働組合って、今月末にストライキを起こすと決まったらしいよ」

「教師が何でも屋ではないのだから、なぜ人を見下したようになってみんなを救えると思うのか、教師はただの教育産業の使い捨てコマにすぎないということが、今になってはっきりしてきた。」

「エグゼクトモンexactement。ああ、この入学願書、いい作風だね。まるでソネット…名前は…ド・ルプレイヌ=ド=メ?魔王の一族の小娘もお年頃になったものね」

「見てもいい?…何でうちを選んだのか、きっと訳ありだろうな。これくらいの教養があれば、貴族学校に入っても人気者のはず」

「けど添付される自画像からしたら、芸術学校に入るべきだ」

「紙を嗅いだら、ピザの匂いもするね」

「イヌ科かよ」

「それは差別主義だ。オオガミミミの一族だから」



第4.5章

「帰ってきたわ」

「おかえり。卵を産んでくれる?」

「何を言っているんですか?シアボーネさん」

「鳥のような翼をもっているから、ニワトリようなたまごがくれるとも思ったねー。たまごを買い忘れて、足りなくなったから」

「そういえば、食品衛生検査官って最近こないですわ」

「ユージェちゃん、今日は冗談が通じないじゃない。嫌なことでもあった?抱かれたい?」

「労働監督官補(contrôleurs)にハラスメントを受けたって告発するわ」

「何でもない。忘れていいよ。お疲れさん」

「お疲れさま」


「ジェニーちゃんは?」

「ああ、ミシェルくんか、ジェニーちゃんも行っちゃったよ。もしミシェルくんが便座との付き合いが短くなったら、会えたのにね」

「今日は最後の日だから、あまりやる気がでないよ。ごめん、店長。親戚が紹介してくれた鉄道の電報発報員の仕事がこの仕事よりよほど魅力があるから」

「わかる。国営企業だから、パートでも待遇がいい」

「電話だ。受けてくる。キッチンに入る前にもう一度ちゃんと手を洗ってね」

「分かっているって」



第 5章

「こんにちはマドモワゼル、何か用Mademoiselle Bonjour,c’est pour ? 」

「こんにちは。手紙を送りたいですけど」

「手紙を送る?Envoyer une lettre?正しい場所に来たのね。Oui, vous êtes au bon endroit.けど、それ、戦前の切手はもう使えないよ」

「まだ自宅にたくさんあるのに」

「残念ながらこっちでは回収サービスでも一切していない。お飾りに使ってどう?肖像画のように表装して壁にかけたら?ルイ=フィリップ氏の顔に貼って、東部大陸のキョンシーの伝説のように異なる文化とアレンジしたら?」

「…とにかくこの手紙を送りたいですわ。お急ぎの便にしたいです。」

「大切なものか?C’est important mademoiselle ? 早く言いなCe n’est pas Question pour un champion.」

「そう…です」

「ならばこっちで赤い切手を買う必要があるんだ。あ、その封筒、ちょっとでも破れる所があったからもう使えないよ。あいにくこっちも封筒が売り切れた状態なんだね。駅前の本屋に探してみ?」

「ダンボワーズ郵便局からブルティノー=ダンボワーズ駅まで?」

「普段から運動不足?自転車で行ったらとても近いよ」

「…」

「封筒ならうちらも売っているじゃない?あ、のりも自分で準備して来なよ。早く帰ってこないとこっちも今日の業務が終わりに入るのよ」

少女が立ち去りました。

「封筒ならまだたくさんあるのじゃない?」

「分かっているけど、魔王の子の焦った顔をみたいよ。」

「まだ恨みに思っているのか」

「あのカラステングのどこがいいのかよ」

「多分、性格のほうかな」

「昇給リストに誰かの名前を消去したらいいのねー…」

「何でもない。そうだ、カラステングってなんなんだ、たった翼が生えただけなのに、魔族としては不純だ」

「だよねー、あのカラステングの不揃いの歯も醜い…」


第 5.5章

少女が郵便局を出たとたん、郵便局員の制服姿の女の人に呼び止められました。

「ジェニーちゃんだよね。クレールの同級生?私はクレールの姉だ」

「ああ、そうですか。お世話になっております。ガルデさん」

「違うよ。私はエステル。そして苗字はサブレだ。離婚した前の父の苗字だ。私のほうが連れ子だった。あはは、話がずれた。ところでクレールは学校でどうだった?」

「成績は普通でしたわ。彼氏もときとき学校に来なかったらもっと良くなるかもしれません」

「私よりモテモテだね。」

「ね、サブレさん、その時に居たでしょ?どうしてあの人を止めませんでしたの?」

「この年になったら誰でも分かる。すべての議論を覇権争いにしないこと。屈服するのが弱い人だとは限らない。それどころか、それが賢明だと思う」

「それが賢明かしら?」

「私たちはもろくて弱いから、多かれ少なかれね」

「…銃弾に撃たれたら死ぬもろさだわ」

その後しばらく、少女と女の人が言葉を交わず、まるで心が通じ合うように一緒に空を見上げました。薄明るい空に、いくつかの星が見えてきます。

「その翼、触ってもいい?」

「いいですわ」

「あ、触り心地よいね。ふわふわだ」

「くすぐったいですのー」

第 6章

「一夜にして天地がひっくり返る変化が起こるなどのことを空想しても、実際には不可能だ。七転び八起きにしてこい!」

少女が魔王城のどこかの鏡を見て、自己催眠しています。


「戦争では、血と汗と死体以外は何も残さない。口先だけの反帝国とは、しばしば自種族の独占的正当性を与えるために、戦争で弱い側を支持することにすぎないんだ。」

雇い入れたこの魔王城の唯一のメイドが変な白昼夢をしているようです。


「Tchi Hauに行くけど?ついてくる?」

「行く行く。あっちの酒、最高だぜ」

「自分の金で払ってね。小切手の数、毎日確認しているから」


「米類にする?麵類にする?そ・れ・と・も……わ・た・し?」

Tchi Hauに入った瞬間、シンカンさんが急に顔を2人に近づけました。

「ちょっ…私の妹に何の変な連邦語を教えたのよ、バカシアナ」

キッチンから怒ったシンカンさんの声が届いてきます。


「シンカンさん、可愛いね」

「あなたにキューン♡」

「シアナさん、やめてください、気持ち悪いだわ」

「その「探す」cherchez酒をくれ」

「はい、お待たせ、「探す」酒だ」

シアナさんが素手でお酒を渡すふりをしていました。

「何もないじゃん」

「それは、自分で探して」

「シアナさん前言撤回するわ。なかなかダメイドに威厳を示さなかったなの」

「エイ!Hé !今日はちゃんと洗い物もして来たよ」

「何着なの?」

「5着くらいか」


「それ、自分で言ってみ。私は大きい屋敷に働いているメイド。そして私は1日5着くらいの服を洗濯機で洗って大変だった。」

「わかった、わかったから、1部屋くらいの掃除もするよ」

「それだけ?信じられないC'est incroyable」


「成功した!」

キッチンから喜びの声が届いてきました。言うまでもなく、4人がそっちに向かって歩きました。シンメイさんが手のひらをひっ繰り返したりして、コンロにほのおが見えてきました。

「無詠唱魔法?」

驚くレタヌールさんでした。

「魔法?多分違う。連邦の人って気功を聞いたことがないのだろう」

「カク派が気功に革命を起こすわ『東部大陸語で』接、化、发」


第 7章

6月1日。

「え?」

魔王城の自室に寝る少女が不審の音に気づいて、目が覚めました。

「ダメイド?朝に筋トレの習慣とかあったら言ってほしいわ」

「『東部大陸語で』一が二を生ずる、二が三を生ずる、三が万物の生ずる(一生二,二生三,三生万物。春生,夏长,秋收,冬藏)」

少女が魔王城の窓から外を見下ろすと、チャイナスーツを着ているシンメイさんとシンカンさんがいます。シンカンさんは銅製の八角形の羅針儀を持って何かを探しています。

「『東部大陸語で』姉上、東に反応があった」

「『東部大陸語で』東の方角は植物が成長するのに必要な方角であり、「進める」の象徴でもある。」

「私の庭に何をしているのかしら?」

「ユージェ姫、おはよう、風水を見ているんだ」

「墓荒らしじゃないわね。まだ生きているのだわ」

「風水というのは気の流れを物の位置で制御するだわ。地面のでこぼこは、運の低さを示している。埋めるわ、そういえば、ユージェ姫、スコップ持っているかしら?」

「ジュール・ラヴォー街道でいっぱい取った」

話を割り込むシアナさんが魔王城の庭の外から歩いてきました。

「変なキノコをいっぱい取ってどうする気?バカシアナ」

「そのキノコを粉にして、ガリポーくんが飼ったスライムの餌にやりたいんだ。」

「朝からカオスだね」

軽い汗のかいたレタヌールさんが魔王城の庭の外から戻ってきました、

「もう知らないわ!みんなとも大嫌い!」

「それって、自分を嫌う映りに過ぎないじゃない?」

どうにもならない怒りを表す少女がレタヌールさんの話に鎮まれました。


第 7.5章

ゴールまで走れない運命にある人もいる。 ゴールラインではない目標を狙ってスタートするからだ。


「すごーい。今日から吾輩も鳥を騎るパラティヌスpalatinusだ」

「鳥じゃないわよ。それにパラティヌス?それどころか、お姫様だっこされて、こう言いだすのは、連邦中からとしても、シアナさんくらいだわ。っか、足を捻じったから運んであげたのに、足が痛くなくなったら降りてよ」

「バカシアナ、ユージェ姫を疲らせるじゃないわ」

「うちのおかんかよ。自転車をこぎる時はちゃんと真っ正面をみてこい!」


3人の通学路に、くだらない会話がしばしば続きます。

「あれ、翼っちの働いているところの通りに通っているじゃあるまいか」

「今日は自転車を取りに行くわ、昨日店に適当で置いたから」

「あ…ユージェ姫、貼り紙みた?臨時休業だね」

「それは残念だわ」


「あれ、笑わせるな」

2人がシアナさんの指先が指した方向に見ます。向かいの薬局に、タバコをパイプに積むようとしたが、床に散らばって、慌てて片付けている男がいました。


第 8章

ティボービル西高校は、意外と平均から離れたレベルの高いやつと低いやつを集めています。


「前回のストライキ休校が終わって、みなさんが提出したレポートを見たんだけど、このクラスで唯一Aプラスを取った人がいる。言うまでもなく、ド・ルプレイヌ=ド=メさんだ」

「力のない魔王の一族のくせに、偉そうに…」

「だれが文句を言った?君のレポートは …母は、首都中からハンサムな若い公爵たちを集め、首都の貴族の娘たちをたくさん招待して、人間観察に付き合わせた。私たちは花の間に座り、扇子で顔を覆いながら、高貴な公爵たちを静かに見定めた。…法と哲学の要素はどこに?まさか公爵の心の中で隠しているのか?これは法と哲学の授業だよ。小説の書き方講座ではないだから。」

「豚のように太った老女、見るのも嫌になる。」

「教室から出ていってなさい!」



「前回の週間テストの結果が出た。1位はド・ルプレイヌ=ド=メくんだけど、ド・ルプレイヌ=ド=メさんの数式の書き方は結構古めで、それは何十年前の書き方だから、新しい教材に従うほうがいいよ。でないと、連邦統一高卒認定試験に、間違ったと判定されることもある」

「また魔王の子かよ」

「魔王の子に文句があるのなら、あたいの前に先に通さないとね」

「そして、2位のレグヴァンくん。少しプラスとマイナスが書き忘れたところがあるから減点。けど古い数式の書き方を使っていないから、実際に連邦統一高卒認定試験に受けたら、ド・ルプレイヌ=ド=メくんより高い点数を取れるのかも」



「もう何周目だよ。疲れたのだわ」

「大丈夫、モニック?まだウォーミングアップだわ。私が連れて休憩させましょうか?」

「やだ。マシューの膝元のほうがいい」

「翼っこ、あたしの姉に彼氏のことを教えた?」

遠いところからガルデさんが駆けつけてきました。

「ごめん、モニック、先に失礼するわ」


第 9章

人は同じ川に二度と足を踏み入れることはできない。


デジュネの時間に、3人が学校内のレストランの外側に並んでいます。

「私の体、変な匂いがない?」

「ないわー。私は決して白いスーツを着て、耐圧釜を持って歩かないから安心して」

「メメー、メッ、メッ、メメッメ…」

「それにしても、列はまだ長いだわ。背中もまだ痛くて、早く座りたいなー」

「6月1日から昼休憩も15分伸ばしたんだ、ゆっくりと休んできっと大丈夫だよ。ところで、連邦の飯堂にあまり見かけないけど、ショウガをポテトに偽装したら、本当にきれるわね」

「メメー、メッ、メメッメ…」

「何を言っているの?シアナさん」

「悪魔の言葉だ。翼っちの心のヤバイやつを起こしたら、うちも世界支配できるぞ」

「それ、電報の発信コードを羊の叫び声に入れ替わっただけかしら?私、チーズ、食べない、いい子…何を言っているかしら?」

「通訳ありがとう。シンメイさん」

「違うぞ。世界を闇に染めあげ…」

「そんなのはどうでもいい。ちょうどユージェ姫にお礼のお姫様だっこをしたらどう?」


「そこに悪魔の三人組がいるよ、近づかないでね」

少し離れたところに私語がしばしばあります。

「なんか嫌われたわね」

「悪魔の三人組?うちがリーダーだぞ。うち、魔王になる女だ。魔王になって最初に四天王を任せて…」

「そんなデマを気にしないで。ユージェ姫、地の果てまで付き合ってあげるわ。所詮、人の性は悪なりだ。文明というのは何もないところから現れるのではなく、部落を生き残すために殺し合いことを止めて協力しあって強固な発展の基盤があってから築かれるものなのだ。…」

「二人とも変なデュエットをやめてよ」


第 10章

3人は窓側の席に座って、ウェイトレスが注文をとって、しばらくたったら、3人の料理が届きました。

「バカシアナの注文は、バターにトマトソースパスタ?太るじゃないかしら?」

「その言い方!これはトマトソースパスタ、バターましましだ!世界を支配するのを考えるだけて消耗するぞ」

「結局、中身、変わらんじゃない?それに支配してもユージェ姫の番でしょ?あんたには魔王の血がないから」

「先月に学費と趣味の本4冊と…あの人気の卓上ゲームも買っちゃったから…今月から節約しないと…ダメイドがつけっぱなしの電球がどうなるのね…電気代は…」

「こっちの方の、真の魔王の末裔はぜんぜん魔王らしくもないわ」


窓の外から騒ぎが起きました。

「ね、見える?マッコグラン先生がその…無線電伝機に対話しようとしているんだ」

2人がシンメイさんの指をの差した方向に見たら、男の人が狂ったように大きいハコを揺らしています。


「私たちが最も心配しているのは、彼の呼吸を整えることだ。採点では彼が深い昏睡状態にあることを示している。けど、目が覚めるチャンスがないわけではない…」

「僕はキンキンに目が覚めているんだ!ここにいるんだ!置いていかないでくれ!」

男の人が大きいハコから流れた音に反応が激しかったです。自分の髪抜けを引っ張ったり、空に向けて叫んだりしました。

「周りは全部僕の想像か?!なんと無慈悲なことだ。もうハギウチ教授の研究を引き継いで10年だったよ!戦争の記憶も、大学の仕事も、この生き生きとした魔族と人間族が交わって暮らす街のことも、全部幻覚なのか?」


「私も人の幻覚なの?」

「それはありね。もっとひどい二日酔いを経験したことがあるぞ。…いえ、二日酔いを経験した人を見たんだ。たまに自分が飛べる幻覚も生じて崖から飛び降りようとしている人も居たんだわ」

「鳥のように飛べる人がここに居たのじゃ」

「シアナさん、それは面白くないわ」


第 11章

「メイっち、午後の授業は行かないのか?」

「騒ぎを傍観することより面白い授業はないじゃない?」

午後の授業をサボる人が異常に多いようです。一部の人がある校舎のビルの下に集まっています。その校舎の塔のてっぺんに、男の人が下を見て立っています。少女が翼を振って男の人の近くで宙に浮いでいます。

「ということは、僕が雪道で滑って転んだら、転歯車式計算機しかない時代で目覚めた理由は…タイムトラベラーと狂人のどれか」

「惑わさないでほしいですわ。ブルティーノに雪が10年に1回くらいしか降らないのですの」

「本当なことを言っている…その遥かむかしの僕の名前…馬籠三ハ朗まかご みはろも…」

「あなたは他の人たちとは違うようですわ。それに、あなたはとても賢いから、自分の言っていることが真実であるはずがないとわかるのでしょ?」

「これが現実だと言っている君も僕の心のどこかの映りだとしたら?」

少女が笑って返事しました。

「これは自分で解決するしかありませんわ」


「そろそろ行かないといけませんわ…」

「どこに行くつもり?」

「どうでもいいじゃないかしら?私はそもそも実在しないから。あなたの視線から離れたところでパッといなくなるんだ。」

男の人が立ち去ろうとする少女に追いかけて始まったら、足を踏みはずしまして、落ち始まりました。すると、少女が飛んでお姫だっこして、男の人を掴めました。

「これぞモデルヌだわC'est moderne。おかえりなさい!Bienvenue de retour!」

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