第4話

第1章

「コメディが高級になればなるほど、生活に溶け込む傾向が著しくなる。現実の生活の中には、コメディに近いシーンがそこそこあり、それをそのまま舞台に持ち込むこともできるのである…」



「シアナ、このシナリオは何というが、イマイチ?ここも、ここも、…」

「ああ、はい、先生の教えさとすこと、うち…いいえ、わたくしは、全部うけたまわりますわ。」


「シアナ、俺のうで枕ってキモちいい?」

「とてもキモちいいわ」


「あ?」

シアナさんは机の上に突っ伏しています。よだれを少したらしています。

「バカシアナ、起きなよ、教室移動だわ」




「シアナも歯を磨いて、顔を洗ってきたのね、じゃ、明かりを消すよ」

「メイっち、止まって!今は天才なるシアナのお笑い話の時間だー」

「ははは『東部大陸語で』姉上よ、いつこのサル女を投げ出せるのかしら」

「『東部大陸語で』だめだよ。前も言っただろう、彼女の私たちの大スポンサーじゃない?『連邦語で』知るか。さっさと寝ろ」


「ああ、ダノンさんとバンジャマンちゃんのことを費やしすぎて、宿題が終わらないわ」


「Fin。って、つまらないー、ああそうだ、今度、ラ・ウネに行ってこよう」


「やだよ、グランってば」

「クレだったからこそそうするのよ」


「シアナさん…ずっと前から好きだったよ…」

「レオ、何をしている?それより、パンツを着なさい」

「っうわ!おふくろ、勝手に人の部屋に入るな」


「サリンジャー様…翼の女が言った、テンダム自転車だっけ、サリンジャー様が全然押して歩いてこない…どうしようかな、テンダム自転車をサリンジャー様に投げつけたらどうかなー」


「…何だかわけわかんなくて悪寒を感じる、僕、呪われているのか」


「どうなさいましたか、お客様?ああ、狼のミミのスタッフは今日が非番です」


「そこの白い行動機械、今すぐ路肩に止まって、ったく、余裕があったらまさにこの仕事を辞めたいー」


今日も世界が回っています。

第1.5章

「…他に何も知らなくていいが、質問の仕方は知っていなければならないのだ。質問スキルは、さまざまな聴衆を相手にすることになる。 人それぞれ異なる考え方、性格、気質を持っている。だから、質問スキルを持つことが大切だ。そしてそのスキルを把握し、芸術にすることも不可欠なのである。質問するときは特に、コマンドーのように考え、くっついたり絡まったりしないようにすること…」


「ああ、まだ眠い…」

少女は体の半分がベッドから床に落ちたまま、目が覚めました。


「あ、ユージェ姫、おはよう」

「翼っち、おはようっす」

「あら、シンカンちゃんまた別の東側大陸の服を着ているじゃない?かわいいだわ」

「『東部大陸語で』姉上、翼の姫が何と言った?」

「『東部大陸語で』シンカンちゃんがかわいい服を着ているって」

「『東部大陸語で』了解、けど、これはかっこいい服だの…『連邦語で』ありがとう、ユージェお姉さん」

第2章

3人が騎兵の銅像がある広場を通り抜けます。

「今日もジャン・ジョレ広場を通るぞ、ジャン・ジョレというのは、邪悪なる魔王を倒したこの町の英雄だぜ…」

「違うわ、ジャン・ジョレもこの町出身の社会活動家じゃない?それに魔王はみんな邪悪のわけないの…」

「ああ、翼っちが邪悪じゃない、魔王の末裔だけど、ああ、それも違う…」

「…もうシアナさんに慣れているわ」

「ええ、今日もシアナがつまらないかつ失礼な話をしているわ」

「な、メイっち、翼っち、そっちの銅像を厚い布と糸で結いで、下から炎が燃えてきたら、銅像が飛ぶのかな」

「知るか、けどそれは魔導学に属しない観点と思うわ」

「どうなるかな…」

「シアナの話を真面目に考えてたらあかんだわ」


地面に新聞紙が置いてあるます。5月7日と書かれています。

「地面に新聞紙!これはブルティノー市…いえ、ブルティノー=シェロン県のトップニュースにならない?」

「なるわけないじゃない?バカシアナもいい加減、頭を使おうかしら」

「あらら、これは、レベスクさんの仕業かな。シンメイさんとシアナさんが知っている?最近、ここら辺の新聞はレベスクさんという人が配達し始めましたわ」

「そういったら、配達に来た人は適当なやつという印象しか残っていないな」


「ね、メイっち、翼っち、うち、また考えてきたことがあるぞ、聞いてほしいぜ」

「興味ない」

「むかしの人間って、家は木や石で建てられ、牛や馬で人や荷物が運ばれ、衣服は絹や麻で作られ、船は帆や櫂で推進され、ろうそくとオイルランプで家や町が照らされていたじゃない?それは…」

「私たちの意見がなくても勝手に言い始まったじゃない?」

「シアナさんもちゃんと先を見てほしいわ、前の街路灯にぶつかりそうじゃない?」


「っ痛」

「シアナって頭の上から星がでてこないのね」

「何それ、ってか、翼っち、早く言えばよかったのに…」


第3章

「何ものも厚い布と糸で結いで、下から炎が燃えてきたら、飛ぶのかな…」

「ド・ルプレイヌ=ド=メ君」

「あ、はい!」


「次の文を読んで」

「…はい…明日も、またの明日も、その後の明日も、この些細な足跡を日々盗み、記録された時間の最後の一音節がなくなるまでである。 消えろ、消えろ、短いろうそくを! 人生は歩く影に過ぎず、貧しい役者は舞台の上で揺れ動き、嵐のような踊りの後にすぎない。バカが語る、騒々しい喧騒に満ちた、意味の微塵もない不条理な物語だ。」


「感想は?」

「欲望は限りがなく、そこに一度落ち込んで抜け出せなくなったら大変でのことです」

「…繋がりが薄いな。座っていいよ」


「作文の授業もやっちゃった…」


「中学校を卒業してからお久しぶりパン・デピスを買った。翼っこ、食べない?」

「ありがとうガルデさん、頂くわ…なんか濡れていない?」

「はい、赤カード、間接キスだよ」

「うぅ…」

「あははっ、翼っこって、やわらかくて、法学優先を選んだと見えないね」

「やわらかい?」

「あ、やわらかくないところもあるよね」

「!…訴えるわ」

「あははっ、やわらかすぎたら、法学優先を選んだとしても、法律関係者になれないよ」

「ね、ガルデさん、法学優先って、何でこんなに作文とかを習っているの?」


ガルデさんが少女の手からパンを取って、またひと口噛んだら、言います。

「言葉というのは素晴らしいもので、何かの文に書かれたその描写によってその場にいるような気分に再現してくれるものじゃない?人を描く文に言葉というのをうまく使いこなすと、人の心の複雑さを直接的に描き出し、再現することさえできるんだ。法律も、あらゆるの場合を想定して、紛らわしい部分を避けて定らなければならないが、法律関係者になったら…例えば弁護士は、法に書かれたその言葉を何度も精読して法律のミスを絞り出して、相手方に対抗するじゃない?かっこいい話しをするのもいいけど、隙間を見せずに仕事を終わらせることがもっとも大事だと思うよ」

「ん…」

「あははっ…ごめんね、翼っこのデジュネも食べる時間がなくなってきた、早く食べよう、午後の教室移動してからもよろしくー」


第4章

「俺は神聖な人間ではないかもしれないけど、殺人の者でもないし、放火の者でもないじゃない?たまにチェーンのレストラン店の外で財布を見つけて、持ち主に返そうと思ったが、行動機械免許で持ち主が県外の人間だとわかり、そのままお金を取って財布を地面に投げつけてしまうくらいのこともしたことないじゃない?」

「具体し過ぎで、したことあると疑いたくなるくらいじゃない?それに」


ミノさんとレベスクさんが街路灯の下に立っています。


「僕が紹介してあげた仕事なんてめちゃくちゃでやっているじゃない?母側からのイトコだから言って、無礼放題し過ぎじゃない?これ以上仕事を増やさないでほしいな」

「レベスクさんっていい人だわ、私の魔王城にも侵入しかけているわ」


「!っ、それは…魔王城の秘密を知りたいんだよ。ってか、区の名前の由来なのに、ジャンヌ=ユージェニーさんもほとんど出て、町の代表として、活動していないじゃない?」


「よく早口で私の名前を言えたのね」

少女が翼を開きます。

ドラマチックune pauseポースdramatique…あ、これ、僕がポースってこと?」

「もう第26回じゃないか?リョネルお兄もいい加減にしてほしいな」

「台本、勝手に変えたじゃなくない?ここら辺の治安がいいし、ちょっとだけサボってもいいけど、僕も早く帰って、紙の女神像を作りたいな」

「…はい?」

「ごめん、ジェニーさんまで巻き込んで、僕たち、芝居をやっているんだ」


「朝のは、レオ君に頼まれて、レオ君がシアナさんの反応を見たかったのよ」

「シアナさんもそこそこ人気があったのかしら、でも嫌な感じがする」


「だって、」

レベスクさんが街路灯の下に立っていて、半分が影に溶け込みます。

「片思いはつらいし」


「じゃ私の家に入り込もうとすることは?」

「もちろん補導がほしいこと」

「もう、僕のかっこよさがなくなるじゃない?」


第5章

「5月8日が週間テストの日だわ」

雨が降っています。少女がまた、ぽたっと額に落ちてきた雨粒に起こされました。

「別の部屋に住もう」

少女がベッドから降りて、ゆっくりと布団を部屋の外に引っぱります。

「あかん!ポスト魔導回線が移動できないわ。ライトに水の避ける布とかを敷いておかないと、ポスト魔導回線が水に壊されるわ」


「っということで、朝、出かけるのが遅れていて…」

「ユージェ姫って、よくあの雨漏れがひどい魔王城に住んでいるのね」

「もう長い間に慣れてきたわ、使わない部屋まだ別にあるの…」

「メイっち、翼っち、雨の日にバスのストライキが終わっていることはラッキーだね。ところが、翼っち、どうして座らないのだろう…」

「あははっ、シアナさんも私と短い付き合いじゃないじゃない?もちろん体の都合だわ」

「お嬢さん、翼をどいて頂戴?」

「あ、ごめんなさい…やっぱり座ればよかった…」


シンメイさんとシアナさんが座っていて、少女がバスの中で立っています。


お腹に正方形のハコのような突起をもっている男の人がバスに乗りました。


「ふー」

「…」

「…(お腹を撫でる)」

「…座りたいですか?」

「ありがとう」


「あの男は妊娠はしていないと思う」

「どうして断言できるのか、メイっち?てっきり何かを盗んでいることに見えないけど…」

「正解に近づいているじゃない?何かを盗んでいるじゃない?」

「どうかな...正方形の赤ちゃんを産みそうじゃない?」

「シアナって、人がどうやって生まれたのを知っているのかしら」

「赤ちゃんの雨で降ってきたのじゃない?」

「あはははっ…」


「えんこするじゃねぇ、このへたくそな行動機械め。なんで、私が最も必要としていたときに、私を見捨てたのか…オ・モン・デュー!蓋が開いちゃった…」

バスの通りかかった道に人が雨を浴びながら、行動機械をチェックしています。


「雨って大変そうだわ」

「大変だよね」

「涼しい雨を浴びられてよかったね」

「シアナさんの思考回路っていつも他人と違うわ…」


第5.5章

「あ、プリシエさん、おはようございます。また今度、プリシエさんが作った料理を頂きたいわ」

「おはよう、ナンパ失敗男」

「ジェニーさん、また今度…だからナンパ失敗男じゃない!」


「さて、うちのナンパ戦士の実績はどうだろうか?まず答えを急がないで!白い顔、小柄な体、これらの特徴を合わせて、このナンパ男が何回成功するか、500回?1000回? もっと? いや、1回もないだぞ! そうだよ、一度もないのだ! 16歳から25歳の独身女性よ、この子が欲しいなら、早くしないと、彼は筋肉もちもち男とかに取られちゃうよ!これこそはダニエル・ペリシエだぜ!」


「僕の紳士さはともかく、この女、殴っていい?」

「私は彼女の引受人として、許可するわ」


「逃げるぞい…なんて怒られるのか?せっかくうちが考えた、ダニエルの紹介セリフじゃない」


「うちが考えた…ダニエルくんにふさわしい紹介セリフだぜ?バスの中にもダニエルくんのことを考えているぜ」


「…ならば、許してあげる」


「ナンパ失敗男がでれた」

「でれるわけない…っ!」

「あははっ、プリシエさんってかわいいわ」

「…かわいいって…」


「プリシエ・デ・ナンパ男、翼っち、メイっち、入場しない?まもなく試験がはじまるぞ」

「ああ!」

「やっぱ許さないぞ!」

4人がビルに飛び込みました。



第6章

「ああ! 今日は来るんじゃなかった。出かけるには不向きな天気だ。 昨夜はぐっすり眠っていたが、カラスが3回鳴いて、僕、目が覚めてしまったよ」

「ベルトードさん?」

「早朝も、窓に向かって歩いていると、四角い鉄片を踏んで、踵に押し当てしまったよ…」

「ベルトードさん?」

「リンジャーっち?」

「ベルトードさん?…サリンジャーさん?」

「…はい?」

「ねぇ、リンジャーっち、この公衆電話、外にのところか、全然繋いでいないじゃない?」

「…余計なお世話だ。」

ベルトードさんが電話ボックスから出ました。

「ベルトードさんもストレスで壊れかけているのかしら?ところで、ユージェ姫って結構余裕があるに見えるね」

「一週間のことをまとめて出題されるくらいじゃない?対策すれば、赤点を回避できるわ」

「って、余裕があるに見えるけど、赤点回避さえあればいいのかしら…ユージェ姫の1位だったことがみんなの頭の中でますます薄くなるわ…」


「うち、ほとんど寝ていた。連邦で最も歴史のある魔法陣って、Aの白だったとか、魔導石の成分に鉄が何パーセントとか、Cの25%とかほとんど分からないー」

「分からなくても正解と合っているじゃん、シアナって勘が鋭いわ」

「いやー、それほどでもー」


「鼻がのびているわ」


「サーリンジャー様!」

女の子が1人で、直線で走らずに、早い速度でテンダム自転車を乗ってきました。

「奇遇ですね、サーリンジャー様」


「っ痛…世の中にこんな奇遇があったら、この連邦全体がデカいドラゴンに食われることもおかしくないじゃない…」


「っ!ド・ルプレイヌ=ド=メ先生! サリンジャー様が怒りました!僕のぶつかり角度がずれているのですか?どうしよう…」

「僕を恨むなら、僕を懲らしめたいなら直接言っていいよ…」

「翼っちとやみっちとリンジャーっち、なんか裏話もあるのか」

「人間の心って、とても複雑なものだわ…」


「私に聞かないで…」


「ところで、雨がいつのまに止んだよね」

「いまさら?シアナってエコがひどいかしら?」



第7章

「エンリおじさん、ご無沙汰しております。…あの、今から事務所まで伺いますが、いいでしょうか…はい、またお願いします。」

「ここら辺の公衆電話、ほとんど使えそうにないね」

「翼っち、どこ行く?うちも連れて行って」

「バカシアナ、これからはお店の手伝いだろう、早くこっちに来い!」

「ではまた。シンメイさんとシアナさん。」


少女が翼を振って人並みの高さで飛びます。

「この小道、その木…まるで生まれてからずっとここに暮らしていたのようだ…

まるで…魂の故郷のようだ」


「そっちが「止まれ」、こっちが「行け」じゃない?」

「こっちのほうが「行け」で、お前のほうが飛び出してきたじゃない?」

「どっちかが主要責任を取って、俺を楽にさせろうよ」


「まあ、この町も全部好きなわけではないし…」



一人の女の子がソファに座っていて、近くに男の人がオフィスデスクに面しています。


「連邦の歴史…○○年に始めて魔王が現れた…まだ叛乱と蜂起を見分けできないな…」

「もしもし、はい、マーシャン法律事務所です」

「復習なんて終わらない…私に必要なのは、奇跡だよ」

「はい、はい、失礼します…自業自得じゃない?」

「神様よ、どうかあたしを救いに…」

「ね、わがかわいい娘よ、ここに来て」

「パパ、どうがした?」

女の子が男の人に近づきます。


「いいか、サラ、もし今回赤点をとったら、ドゥトルロー霊園に場所をとって、あんたの名前が入った看板を入れておくよ。」

「これは虐待だ! これは絶対に児童虐待だ!」

「昨日も夜遅くまでどこに行った?ママもあっちこっちで探してきて、疲れたんだ。いつまでパパとママに心配かけないのか?」

「それは、お散歩…私の人生は過保護であった♪」

「サラって、いつか自立もするのね…もしもし?」


「エンリおじさん」

「あ、ユージェちゃんじゃない?お久しぶりだね」

「電話でても話しましたが…」


「…事情は大体わかった。けどユージェちゃんの場合、もしお父さんが信託とか残してくれたら、話が簡単になるのね」

「信託って何ですか?私が聞いたことのない言葉ですわ」

「お父さんが遺産を残してくれてない?」

「一人で暮らしてきて、分からないわ」

「…それは難しいことだね…私たちは、同じ船に乗っているわけではなさそうな…」

「そう…だったわね」



第8章

「いいか…道がこのくらいしかないよ、ユージェちゃんが魔王城の外に引っ越して、魔王城を財産放棄か、ユージェちゃんがスポンサーを誘致して観光地として経営するか、特例として政府を相手に裁判を起こすかくらいしかないよ…どの道も安易に済ませるわけではないよ。…ユージェちゃんがアルバイトした分も、全然固定資産税を払えないじゃない?」

「ですよね…」

「ユージェちゃんが見ている通り、マーシャン法律事務所も余裕があるではないんだ。これくらいでしか…アドバイスをするしかできないんだ」


「…法律関係者というのは何者?彼らは決して個人的な正義のために動くのではなく、法律と秩序を守るために存在するのだろう…」

「いい言葉だね、ユージェちゃん、けど法律関係者も人間で、服を着る、1日3食がする、嫌なことがあったら泣くか怒る、自分の利益を優先に動くのだよ。」


「父ならどう乗り越えるのでしょう…父の顔も記憶から消えかけているわ…今日はありがとうございます。エンリおじさん」


「誰がきた?あたし、トイレに行っちゃったから気をつけなかった」

「ユージェ姉さんだよ、そういえば、ユージェ姉さんも高校に1位だったのね、サラもちゃんと人の長所を習ってきな」

「ユージェ姉ちゃんが高校生で魔王城の貴族の子だから、あたしと同じ学習条件ないわけじゃない?それにパパよ、いい加減あたしと人に比べるのをやめない?」

「サラもパパにいい所を見せたらな」

「自分をすべて示す必要はないじゃん。それだと、淑女らしくないじゃない?」

「淑女にル・le ギルメguillemet だな」


「魔王の末裔って、何とか不思議な力で、悪い奴を一掃できるようなイメージがする」

「魔王だからといって、国を滅ぼすような力があるわけないじゃない?サラも、ちゃんと勉強してこい」


「あたしも魔王の力があればいいなー」

「どうだろうか…よそ者のことを100%分かるはずがないだろう?」

「そうなのか?」

「その人に溶け込んで、その人のように歩き回らない限りだな」


第8.5章

「惜しかったな。他の所も回してきたのに、魔王城が見学出来ないって」


「魔王城なんかも逃げることはしないし」


「区の名前の由来なのに、ジャンヌ=ユージェニーさんもほとんど出て、町の代表として、活動していないじゃない?」



少女の頭の中でいくつかの記憶の欠片がフラッシュバックしました。


「連邦観光促進機構…」

少女がぶつぶつ何かを言います。

「スポンサーとかを誘致したら、いつかコラボ企画もできるのかしら…」


「これは最高の時代であり、最悪の時代でもある;知恵の時代であり、愚かな時代である;信ずる時代であり、疑いの時代でもある;光の季節であり、闇の季節である;希望の春であり、絶望の冬である…」

「お兄さん、許可証は?許可証がないとここで露店を出すことができないよ」

「ごめんなさい、憲兵さん、許可証はまだ申請中なので、なんかご容赦を」

「私もこの本が気に入っているな、でも、本屋に行く時間がなくてねー」

「差し上げます!ぜひ見逃しをしてください!」

「露店?何の露店?あれ?私の手に1冊の本がある…絶対神からのプレゼントじゃない?今日はラッキーだねー」

「…いつか自分の店を立ち上げたい…」


「…」

少女が無言のまま、憲兵さんと男の人の傍に歩いて去りました。


少女が数十メートル歩いたら、女の子に呼び止められました。

「ジェニーちゃんじゃない?」

「キャロルさん?」


第9章

「ところで、キャロルさん、何でここに来たのかしら?」

「ラ・ウネに行ってきたのよ、ル・デスフォージより本が多いけど、やっぱり古本ならル・デスフォージのほうがいいな」


「ジェニーちゃんは?」

「午前は週間テストで、午後はおじさんの法律事務所に訪ねたわ」

「ティボービル西高ってそんなに厳しいところか?やっぱあたし、魔王城南高でよかった気がする」

「まあ…どっちにせよ、ランク・ル・ブーレイ高よりはましだし…」

「…」

「法律か、あたし、法律の本をあまり見なかったけど。」

「…」

「この人生には、読むために生きることに値する本、読んだら死ぬことに値する本がたくさんあるよ」

「キャロルさんはけっこうの量の本を読むのね、人形の大図書館でも成るつもりかしら…」


「…ね、あそこの露店を出している人はセヴラン・ルクレール、下ブルティノー市立大学の学生だよ。私が彼のところに古本を探したいけど、憲兵が来たからしょうがないね。私が大学のイベントに見学するとき、彼でも露店の本屋を出しいたから、少し話し合った」

「そうだったかしら」


「彼は本屋を開きたいって、彼自身の心に従って動いているよね。私たちの住むこの世界では、常に人々の心を揺さぶるものがある、ユメっていうのも、イカリっていうのも…」

「…」


「憲兵さんに狙われても、彼は柔らかさを示しながら、ユメに追っているのね」

「…」


「法律事務所のおじさんもジェニーちゃんにいいアドバイスを出したのじゃない?」

「ああ…そう…だったわ」


「この町に暮らしている人は、ジェニーちゃんちを知らない人はいないじゃない?」

「ええ、私の庭にお散歩までだわ」


「アルバイトのときも、ジェニーちゃんにピザを作らせていないが、ジェニーちゃんも一所懸命に頑張ってきたじゃない?」

「どうしてピザの作り方を教えてこないかしら」

「教えたのよ、どうしてジェニーちゃんが作ったピザが変わっているのか、これは世界レベルの不思議な謎だ」

「…あ、そう」


「翼とかは関係ない、魔王の末裔とかも関係ない、ジェニーちゃんが勇気のある女の子と、あたしはそう思うよ」

「…」


「勇気があることとは、最初から負ける運命を知りながら、それでも挑み、どんなことがあっても最後までやり抜くことじゃない? 人はめったに運命に勝たないが、勝つときもあるじゃない?」

「…」


「キャロルさんは口早に話していて、あまり話の隙間に乗れないけど、私が弱い女と思っているのかしら」

少女が翼を開きます。

「私はジャンヌ=ユージェニー・ド・ルプレイヌ=ド=メ。魔王の末裔だわ」


「その調子だ!今日もダラダラと世界と戦え!」

「あはは…」

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