第2話
世間様は"華のJK"と謳う今日この頃。満開の桜も少年少女のインスタ映えのための背景にすぎない。ところ構わず聞こえるシャッター音は新たな舞台の開幕を告げる。
ごった返す人混みから抜け出し、自動販売機で買った炭酸飲料を思い切り流し込む。人と関わることから避け続けて早数年。入学式が最も体力を使うのだ。
この地で友好関係を築くつもりなど毛頭ない。誰と会話するわけでもなく家路に着く。数年に一度の大仕事を終え、祖父母の待つ家へと足取りは軽い。
祖母が腕を振るった昼ご飯を胃におさめ、ベットにダイブする。腹は満たされたはずなのに、どこかぽっかりと穴が空いている。
誰かを不幸へ誘うのはあの人で終わりにしなければならない。本当は自室にこもる日々ではなく、ささやかな友人を作って青春を謳歌したいなどと思ってはいけない。
私は呪われているのだ。あの日から。
『死神』と呼ばれた女と自称”晴れ男” 紀伊航大 @key_koudai
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