第498話 リスナー参加とはこう言うことだ!伝説
リスナー参加型クリスマスイベントとは言いますけどですね。
どうリスナーが参加するのか?
それは、厳正な抽選で選ばれたリスナーの元に、招待状が届きます。
画面に表示された、参加しますか? のメッセージにYESを返すと……。
リスナーさんのアバターがその場に出現するわけです!
おこのみ『うおおおおおおおおおなんじゃこりゃあああああああああああ』
「おこのみだー!」
私が指さしたら、大阪風お好み焼きヘッドに大阪VS広島のシャツを着たアバターがくるっと振り返った。
おこのみ『は、はづきっちがいるーっ!!! すげえええ! 俺の五感がこっちに来た!』
「びっくりすると広島風になるのね。芸が細かいなあ。えっ、深層心理をアバター化する技術? なるほどー」
ここでカモちゃんが出てきて、解説をスタート。
「えー、では、配信者とリスナー二人三脚による、障害物競争を開始します。きら星はづき・おこのみペア。ファティマ・マクマホンペア。トリット・いそきちペア」
「よろしくお願いしますねえ」
マクマホン『はっ! が、が、頑張ります!! うおおお柔らかい!!』
ファティマさんのリスナー、マクマホンさんがコメント欄で猛烈に叩かれてますねえ!
なんと恐ろしいレースだ。
スタートする前から勝負が始まっている。
トリットくんと二人三脚してる人は磯辺焼きのおモチに手足が生えたアバター。
中身は女の人だ。
「よーし、無理せず行こうねいそきちー」
いそきち『はっはっ、はい! ああ~。トリ、すきすぎる~』
こちらもコメント欄が猛烈に流れております!
これは本当にやっていいイベントだったのか!?
「えー、障害でコケるたびにパートナーが抽選され入れ替わります。そして障害物は皆さんの応援に応じて増えます。つまり、皆さんはレース終了までずっとチャンスがある」
カモちゃんのアナウンスの後、全部のコメント欄がうおおおおおおおおおおお!!と盛り上がった。
うわーっ、なんという盛り上げ方だ!
おこのみ『はづきっち、俺、全力で行くからさ! ラストまでキャリーするよ!!』
「いつものセンシティブが影も形もない!」
おこのみ『緊張しすぎてそれどころじゃない……』
※『かわE』『おこのみが萌えキャラだと?』『おいおい同志、何をしてるんだ』『いつものセンシティブを見せてくれよ!』
おこのみ『リアルでやったらBANだろうが!!』
「ではよーい……スタート!」
無情なぼたんちゃんがスタートを宣言!
コメントとおこのみのやり取りを見て笑っていた私は見事に出遅れたし、おこのみも出遅れたよね。
率先して走っていったのはファティマさん。
マクマホンさんと一緒にすごい勢いで……。
あっ、最初のハードルがギューンと伸びてきて、そこに引っかかって転びましたねー。
マクマホン『そんなー』
マクマホンさん消滅!
新しいリスナーさんが選択されます!
トリットくんといそきちさんは、なんかいそきちさん側がモジモジしてちょっとずつ動くのでやりづらいみたい。
だが、天性の女好きトリットくんはあくまで優しい。
「無理しないで行こうね! そうそう、いいよいいよ。一歩ずつ一歩ずつ……おモチと僕で歩幅が違うからねー、あ、君を抱っこして飛んでもいいのかな? ははっ」
いそきち『あひーっ』
いそきちさんが幸福度絶頂になってぶっ倒れた!
やり過ぎたなトリットくん。
いそきちさんのアバターが消滅する。
「あっ!!」
そして盛り上がるトリットくんのコメント欄。
※『ファンサえぐい!!』『次はあたし! あたしあたしあたし!!』『私だーっ!』『うおおおお神様仏様!!』
凄い戦いになってるなあ!
じゃあ私達も行きましょうかね。
「それじゃあ、ほどほどの感じで行きましょー」
おこのみ『お、おう!』
えっほ、えっほ、と二人で走る。
なかなか息が合っているのではないか。
「おこのみ意外と走れるねー」
おこのみ『最近は倉庫で商品ピックして走り回る仕事してるから! 体力はついた!』
ほほー!
頑張ってらっしゃる。
※『こけろこけろこけろ』『転べ転べ転べ』『代われ代われ代われ』
呪詛が流れてくる~!
ちなみに呪詛ポイントが高いと、強力な障害が増える構造になってまして。
あーっ!
頭上から金ダライが!!
おこのみ『ウグワーッ!』
ガーンっ!と金ダライにぶつかり、おこのみがクラクラーっと倒れた。
なお、私にも金ダライは当たりそうだったけど、「あちょ!」とチョップで迎撃したのでタライは真っ二つに割れたのだった。
おこのみが消えていく~。
※『次に選ばれるのは誰だ!?』『いや俺!』『俺!』『俺俺俺俺俺!!』『AH~』『歌ってるやついるぞ』
「落ち着いて! 落ち着いてくださーい」
その後、私と次々にリスナーはマッチングするけど、もう呪詛の量が凄いんで一歩か二歩で交代だよね!
す、すすまなーい!!
なんとかならないのか……?
と思った矢先のことだ。
私の隣に彼女が出現した。
カンナ『あら。夜のイベントの準備がてら見てたら……呼ばれてしまいましたわね!』
「カンナちゃーん!」
※『うおおおおおおお』『正式な夫婦!!』『これは入り込めないわ……』
コメント欄、一気に凶祓いされて沈静化!
そして私のテンションがマックスになるのである!
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