第348話 コラボメニューサンプル出来!伝説
配信をしていたら、イカルガエンタからコラボメニューのサンプルが完成したと連絡があったのだった。
「空海両断ゼリーソーダの試作が完成したみたいなんで、今日はここで切り上げます! ダンジョンは半壊させたので、続きは明日ベルっちが……」
※『前代未聞のダンジョン途中退出w!』『文字通りダンジョン内が半壊してるからなあ……』『モンスター激減したよね』
ちゃんと仕事はしているのです!
ということで、「おつきら~」とお前らと別れ、私はイカルガエンタビルへ。
今日はもう遅い時間なので、サッと行ってサッと帰らないと!
到着したイカルガエンタは、いつもより人が多い。
どうしてかなと思ったら、調理担当の外部スタッフさんが来ていたのだった。
「はづきさんですか? 凄いスイーツが出来上がってしまいました」
「出来上がってしまいましたか!」
これは核心情報。期待が持てる。
私、興奮で鼻息も荒く試食室へ向かう。
まあいつもの企画室なんだけど。
そうしたら、ベルっちがむしゃむしゃーっと試作品を食べているところだった。
「あっあっ、ベルっちずるい!」
『今日はダンスとボイトレとかでエネルギー使ったもんね!! はづきはのびのび配信してたんだからいいじゃないー』
「それを言われると……」
最初はグーでパーを出し、レッスンをベルっちに押し付けた手前、強くは出られないな。
だが試作品~。
「大丈夫ですはづきさん。そう思って二つ用意してきました」
外部スタッフさんの持ってきたクーラーボックスから飛び出してくる、もう一つの試作品!!
直径15センチほどの底の浅いフルーツポンチグラスみたいなのに、なみなみと注がれたレモンソーダ。
レモンソーダに蓋をする、厚さ二センチのライムゼリー。
ちなみにどっちも甘酸っぱい。
で、ライムゼリーを二つに断ち割るチョコバー!
ライムゼリーに突き立つ、綿菓子が乗ったチョコバー!
あと、タコさんビスケットが頭にプレッツェルが突き刺さった状態で鎮座してる。
完璧……。
「……思ったよりも大きくないですか?」
「はづきさんの企画の規模が大きかったですからね。これでもギリギリ最小サイズなんですよ」
「はえ~。じゃあ頑張ってくれたんですね! ありがとうございます……! それでえ……。お値段はいかほどになりそうなんでしょうか……」
「2500円……」
「ひ、ひぇ~っ」
ちょっとしたグッズの値段じゃない。
一応、きら星はづきリバーシブルコースターが付いてくるとは言え……。
表が私、裏がベルっちね。
結局、私の空海両断ゼリーソーダはコラボ料理最高値になった。
これの次は、ぼたんちゃんのルーローハン定食。
定食……!?
ぼたんちゃんが試食している光景を見たら、普通の食事だった。
普通に……普通に一食分だ……!!
ルーローハンに野菜とエビのオイスターソース炒め、そしてキノコのサンラータンスープが付いてくる。
ガチじゃん……!!
ビクトリアくらいのお腹の容量なら、これ一食で満腹になっちゃうこと請け合い。
「いやあすごい」
私は感心しながら椅子に座り、ゼリーソーダの試作品を食べ始めた。
「ちなみにはづきさんのメニューの方がカロリー高いですよ」
「ひえ~」
「今回試作したコラボメニューの中で一番カロリー高いですから」
「ひええ~」
そんそんなことにー。
このスイーツ、1000キロカロリーくらいあるらしくて笑ってしまった。
「なので、こちらの空海両断ゼリーソーダのパーフェクトバージョンは、カロリーとサイズまで表示した上でお残し厳禁に賛同した方のみ買えます。基本はこちらのハーフサイズですね。全部の規模が小さいです。値段も半額なので……」
カロリーが300キロカロリーくらいまで少なくなるらしい。
それならお腹の容量小さめの人でもいけるかな……。
サイズダウンした分、タコさんビスケットが無かったり、チョコバーもちっちゃかったり。
なお、通常サイズは私が食べても食べごたえ抜群だった。
おいしいおいしい。
甘酸っぱいソーダ、酸味強めのゼリー、そしてとろ~り甘いチョコバーに、ゼリーの上に鎮座したサクサクのクッキー、綿菓子も甘い。
『全部甘かった! 満足~』
「ねー」
私もベルっちもご満悦。
なお、試作を作った外部スタッフさんイチオシは、もみじちゃんが作ったもみじパンらしい。
「これ、普通にレストランのメニューで出せますよ。甘塩味の柔らかパンと、甘く煮込まれたひき肉の餡のバランスがプロの技です」
「もみちゃんパン屋の娘だもんねー」
ちょこちょことパン作り配信をしているだけのことはある。
あと、お腹にそこまで溜まらないから他にも色々食べられるとか。
「イカルガの皆さん、フードメニューが普通にガッツリ系が多くてですね。こんなの初めてですよ……。次回あればドリンク系増やしましょう」
「はぁい」
私のゼリーソーダはドリンク系ではないのか。
違いますよね、はい。
ちなみにここ、男子チームはよく分かっていて、バングラッド氏が器に電飾を仕込んでパチパチ光る特製エナドリ、トリットさんは卵スープ、カモちゃんは日本茶だった。
日本茶……?
そんなこんなで、個性的なメニューが出揃った!
あとは私たちのダンスとか色々をちゃんとさせれば……。
そっちが課題だなあ!
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