第2話
一
そこの区域は、いわゆる“貧民街”と呼ばれているところであった。山の斜面を不法に占拠したバラック小屋が段々畑のようにひしめき合い、生ゴミ、汚泥、吐瀉物等で見るにも耐えない街道からはいつも腐臭がする。道に散らばる屍肉は、もはや何の動物の肉だか分からない。内部の事情をよく知らぬ部外者が何の考えなしに入ると生きては出てこられないと噂されている。しかしそんな貧民街にも子供たちはもちろんいるわけで。ストリートチルドレンがその大半を占めていた。そして、子供も容赦なく巻き込んでの暴力沙汰の争いなど、しょっちゅうであった。
この日も、街の一角で、小さな抗争が巻き起こっていた。
「テメェ!ふざけんじゃねぇぞゴラァ!!」
「何が『ふざけてる』だ、バァーカ」
「その金は俺たちのだ!俺たちが働いて貰った金なんだ!!返せよ!」
「ガキは大人に貢献しろよ、クソガキども。これは、俺たちが預かっておくぜぇ」
「ざっけんな!!」
どうやら、ストリートチルドレン十数人と、柄の悪そうな大人三人が金をめぐって争っているようであった。おそらく金は、子供たちが日雇いバイトや闇バイトで得たものなのだろう。自分たちの金であることに変わりはないし、罵声は飛ばすものの、反撃されるのは怖い。こちとら非力なガキの集まりだ、膂力も体力も上背も全て男たちに比べ劣っていることは自覚している。
こちらに向かってくることができない彼らを尻目に、茶封筒を手にした男は、躊躇いなくその中に手を突っ込んですぐさま引き出した。その額を見た途端、素っ頓狂な声をあげる。
「たった三千円!?どんなしけた仕事してんだ、テメェら。ま、一円でも二円でもあったら貰うけどな。っつー訳で、これは没収だぜ」
「何だと!?返せよクソ野郎!」
「……はぁ?ガキが誰に向かって口聞いてんだ」
「何度でも言ってやる!俺らの金を返っ……!」
三人の男のうち一人が、目の前の少年に向かって踏み込んだ……と思った瞬間、木製のバッドが少年の腹に躊躇いなく打ち込まれた。少年は軽く吹っ飛ばされ、宙を舞い、やがて後方で固まっていた子供達の目の前に墜落した。女児の甲高い悲鳴が上がる。それを皮切りに、悲鳴が複数上がり始めた。しかし、しばらく経っても少年はピクリとも動かない。悲鳴はやがて悲しい叫声に変わり、それすらも引いていった。子供たちは動揺し始めた。
「な、なぁ……大丈夫、かよ……」
「お、起きろよ……」
「まさか……」
動揺が走る。最悪の事態である“死”の一言を、なかなか言い出せない。しかし、男たち三人は違った。
「あっれぇ〜?もしかして、死んじゃった〜?ごめんねぇ、こいつ力の加減知らなくて!ギャハハハハ!!」
茶封筒を手にした男は、バットを持った男を指さして笑った。
「腹ァ殴られただけでお陀仏ってか?弱っちぃなぁ!ヒヒヒッ、弱っちぃ上に貧相だぜ、こりゃあ!!」
そう言って、もう一人のニットを被った男も下卑た笑い声を立てた。しかしバット男は笑わない。異様に光る目をギラギラとさせて、子供達に迫っていく。男のまとっている空気の異常さは、子供に本能的な恐怖を植え付けることなど容易かった。彼らは、そんな男の雰囲気に圧倒されて、じりじりと、天敵に追い詰められた草食獣の如く後退していく。その時。
「ゲボッ……」
吹っ飛ばされ、地面に横たわったままだった少年が身じろぎした。半開きの口から吐瀉物を噴き出す。気を失っていただけなのだ。しかしそれを見ていた茶封筒の男はつまらなそうに、
「なんだそいつ、死んでないじゃん。殺しちゃってよ」
人を殺すことなど何でもない、というふうにバット男にそう命じた。おそらく人を殺すのは初めてではないのだろう。この貧民街では、人殺しなどよくあることだった。それなのに警察等は一切入ってこない。ある意味この貧民街は、一種治外法権の場所であった。
バッド男は、標的を変え、ゆっくりと倒れ伏している少年に近づいて行った。子供たちは、有り余る恐怖で声を出せないでいた。今、声を出したら今度は自分が標的にされるかもしれない。その結果、殺されるかもしれない。しかし仲間が今殺されようとしている。助けなくて良いのか、いや、助けられないのだ。恐怖で足が固まってしまっている。子供たちは、身を寄せ合い、戦慄きながら、仲間が殺されゆく瞬間を見ているしかなかった。しかし。
「は……はく、白狼!!」
誰かが叫んだ。皆がビクッと身を震わせる。声の主は分からなかった。が、幼い、仲間の声だ。緊張が少しばかり解ける。子供たちは口々にその名を叫び出した。
「そうだ、白狼だ……!」「俺たちには、白狼がいる」「白狼を呼べ!」「白狼を呼ぼう!!」「白狼、早く来て!」「お願いだよ白狼!!」「白狼」「白狼」「白狼!」「白狼!!」
最後には、大合唱のようになった。
「白狼ぉおおおお!!!!」
男たちはたじろいだ。あのバット男でさえ、その緩慢な歩みを一時止めた。
「な……何だ、ハクロウって……」
「さ、さあ……」
「おい、そいつ殺すのはやめといて、金だけ持って帰ろうぜ?なぁ……」
立場が逆転しかけている。子供たちの異常な合唱は、男たちを少なからず恐怖に陥れた。有り余る恐怖で涙に濡れた目が、ギラギラと光り男たちを睨み据える。
「か、帰ろう。こいつらなんか変だ……」
「か、帰ろう帰ろう!!ちくしょうガキども、覚えてろよ!!」
情けなくも、負けゼリフを吐く男たち。それにもかかわらず、意地汚くもあの茶封筒だけはしっかりと掴んでいる。追いかけてくる子は一人もいなかった。
しかし、その瞬間。
鼓膜も破れんばかりに響いていた子供たちの大声での合唱が、ぴたりと止まった。急に、耳鳴りのしそうなほどの静寂が訪れる。子供たちは皆、顔面蒼白で目をカッと開き、男たちを睨みつけていた。ピクリとも動かず、コソとも音を立てない。数十もの四白眼に見据えられ、今度こそ男たちは震え上がった。
「ヒイッ……!!こいつらおかしいぜ!」
「に、逃げよう!今すぐ!!」
男たちは勘違いしていた。子供たちが実際に睨んでいたのは男たちではなかった。正確には、彼らの後ろ。後ろの一点を、穴が開くほど見つめている。男たちは、それに気がつかない。気がつかないで、後ろを振り向いて……。
「あ…………?」
一人、吹っ飛んだ。ニットを被っていた男だった。まるでスローモーションを見ているように被られていたニットが落ちてゆく。その男は、宙で二回も三回も回り、顔面から落下して地面に突き刺さった。そして、仰向けに倒れ、二秒ほどしてから鼻血を思い切り吹き出し、白目を剥いて昏倒した。残りの男二人は、何が起こったか分からない、というような顔をして立ちすくんだ。分かっているのは、仲間の一人が呆気なく倒されたことと、大の大人を軽々と殴り飛ばしたのが、自分たちの退路を塞ぐように立つ一人の少年だったということだけだ。
明らかに、他の子供たちとは異なる風体の少年だった。彼らよりいくらか歳上のように見える。服も、ストリートの子らから比べると上物のようだ。しかし、もっとも目を引くものといえば、彼の両眼の光の強いことと、特徴的な髪色だけ……。男たちが観察できたのは、そこまでだった。
「……あんたらか、ジョウをあんな風にしたのは」
高すぎず低すぎない、少年らしい声だった。しかし大気を震わせたその声は、ひどく冷酷だった。たかが少年一人に、男二人は動けない。彼は、目の前のデクノボウ二人を冷ややかな目で一瞥すると、
「……無言は肯定と捉えることにする。いいな?」
そう、静かに言った。言い終わるや否や、少年により近くにいた、バットを持っていない方の男が、彼によって蹴り飛ばされていた。しかも、真上に。少年は止まらなかった。蹴り上げた男をチラとも見ず、目にも止まらぬ速さでバットを持った男に接近し、彼が応戦する間も無く喉元を思い切り手のひらで突いた。そして、思わずと言った調子で放り投げられたバットを手に取るなり男のこめかみを強打した。そのまま元いた場所まで一っ飛びに飛んで帰るとともに、蹴り上げられて落下してきた男一人を野球ボールさながらに手にしたバットで打ちのめす。その男は地に足をつける間もなく宙を飛び、近くのバラック小屋に全身を打ち付けて伸びてしまった。こめかみを強かに打たれた男ももちろんのこと、地面に伏している。二人を倒すのに五秒もかからなかった。
はっきり言って、人間離れしていた。
「まぁ……こんなものかな」
少年は手にしたバットを打ち捨てた。顔を上げると、倒れた男三人と、こちらを見ているストリートチルドレン。ジョウと呼ばれた、バットで打ち据えられた少年はすでに起き上がっていた。無事そうだ。彼も含め、皆、少年のことを見ている。
「遅くなってごめん。もう大丈夫だ」
少年が言った。とたん、子供たちは沸いた。
「白狼!!白狼だぁあ!!」「やっぱり来てくれたんだね!」「ありがとう、ありがとう白狼!」
少年が苦笑混じりに言う。
「だから、俺の名前は白狼じゃないってば」
「エマ!!」
一人が、少年の本当の名を叫んだ。エマ。それが彼の名前であった。では何故、白狼と呼ばれるようになったのか。ただ彼が、喧嘩にめっぽう強いというだけではない。理由は、彼の特徴的な髪色であった。
銀色なのである。白よりはくすんでいて、それでいて灰色の何倍も明るい色。言うなれば銀髪であった。目にかかるほどの長さで切り揃えられた前髪と、切れ長の目の鋭い眼光はまさしく銀色の毛を持つ獰猛な狼のようである。しかし、そのような恐ろしささえ覚える容貌を持つとはいえたかが少年である。一瞬後には表情を崩して眠たそうに欠伸をした。いや、実際眠たかったのだが。これでも高等学校に通っており、たった今、なんとか午後の学業を終えて帰ってきたところだったのである。現役男子高校生、いわゆるDKというやつだ。
睡魔に襲われかけながら、エマはあらかたを推測した。男の一人をバットで打ち据えた時、隙をついて彼が手にしていた茶封筒を引ったくったのだが、封筒の大きさからして、中身は金。やはりこれは子供達のものなのであろう。日雇い制の安いバイト代だと言うことは簡単に予測がついた。
「ほら、これ。お金だろう。誰だ、稼いだやつ?」
「あ、僕の」
ジョウと呼ばれた少年がよろよろとエマの前に進み出た。エマより二つ、三つほど年下に見える。自分が働いて稼いだ金なのだから、他人から奪われて不快なのは当たり前だろう。それで男たちに小さな牙を剥いたのかもしれない。彼のみ、激昂した男たちから暴力を振るわれたのにも納得がいった。
エマは少しかがんでジョウと目線を合わせ、優しく言った。
「今度はあんな奴らに目をつけられないよう、ポケットとかに入れて持ち歩けよ」
「エヘヘ、うん。分かった」
「それと、これ」
エマは徐に上着の内ポケットから他の茶封筒を取り出した。妙に膨らんでいる。エマはそのままジョウに渡した。
「それ、今月分。少しずつ使えばどうにかもつだろ。みんなで分け合って使えよ」
「……えぇ!?こ、こんなに!?」
茶封筒の中身を数えたジョウは目を見張った。他の子らが後ろから覗く。感嘆の声が上がった。
「す、すごいこんなに!!エマ、いいの!?」
「うん。ちゃんと働いて得た金だから、闇金とかの心配は無い。使う時怪しまれないように崩しといたから」
封筒が膨らんでいたのは、そのせいだったのか。中身は、およそ十万円ほどだろうか。ストリートの子供たちからしたら目の眩むような大金であった。子供たちは喜んではしゃぎ始めた。その時、その輪からそっと抜けた一人が、エマに近づいた。他の子らより背が高かった。エマと並ぶと同じくらいである。ひどく痩せている彼は、エマに聞いた。
「なぁエマ、どうやってこれ稼いだんだ……?」
「どうした、この額じゃ足らないか?」
「いや、そういうわけじゃなくてな……」
少年は申し訳なさそうに頭を掻いた。
「ただ、こいつらみんな食べ盛りなんだ。もうすぐそうなる奴もいる。そうなると今は足りてるがもうじき今の額じゃ足らなくなる……僕ももうエマと同じ歳なんだ、だから君と同じ仕事をして同じくらいお金を貰えれば、もう少し楽に生活できるようになると思ったんだけど……」
少年はそう言って俯いた。
「エマには感謝してるさ。感謝してもしきれない……失礼なことだって分かってる。でも、これが事実なんだ」
「やっぱり、足りないってことか?」
「まぁ、その……足りなくなる、ってことかな」
エマは難しそうな顔をした。
「俺が自由に取れる時間も限られてる……俺がこれ以上、仕事を増やすのも少し厳しいな……」
「エ、エマ、やっぱり仕事紹介してくれよ。僕だって働ける!」
そういうと少年は腕を直角に曲げて笑って見せた。しかし、男子にしては細すぎる、筋肉など少しもついていない弱々しい腕だった。貧民街の子供にはよくある。エマは厳しい顔をして少年を見た。
「……教えてやってもいいが、お前に務まるかな」
少年はいささかむっとした。
「なんだよエマ、僕をみくびっているのか!?」
「……いや違う。その、悪かった。そういう意味じゃなくて……」
エマは言うか言わないか迷っているようだったが、少年に目を合わせると、徐ろに言った。
「死体洗い」
「……………………は?」
「及びその死体の処理。具体的には洗浄含む焼却。それが終わったら埋葬」
シタイ。ショウキャク。マイソウ。どんなに苦しい日常生活を送っているとしても、それらの単語には馴染みが無かった。少年は何度も何度もその言葉を噛み砕き、やっとのことで“死体”、“焼却”、“埋葬”だと理解した。それから解釈に入る。難解であった。
「死体を……洗って、その……燃やして……」
「そうだ」
エマは淡々と言う。
「その後穴掘って埋めるんだ。この街じゃ満足な医者がいない。自分の家で、原因不明の熱とか衰弱で死んだ奴は、病気で死んだとみなされる。そいつの病気が伝染しないように、毎晩川の水で洗い清めるのさ。……まぁもっとも、家族から依頼があったらの話だがな。誰もやらないから一件受けるだけで高額な給料がもらえる。……だが」
そこでエマは言葉を切った。じろりと少年を見る。心底底冷えのする声で続きを言った。
「……取引される金こそ正金とは言え、これは闇バイトだ、それにわけわからない病気が絡んでる。お前に紹介する以前に、俺はただでさえ病弱体質なお前が病気にかかることが怖い。下手したら死ぬ。この間だってお前、風邪をこじらせていただろう?完治するのに、何週間かかった?」
少年はたじろいだ。どうしてもエマが同い年の子供に思えない。
「そっ……それはそうだけど……」
「じゃあ、無理しないことだな。俺もできる範囲でやるから」
ぽん、とエマは軽く少年の肩を叩く。それからエマの給料袋に群がっている子供達の方を見て、
「それ、大切に使えよ。じゃ、今日はこれで」
急いでいるかのように唐突に別れの挨拶をして、踵を返そうとする。途端に、今までエマのことなど眼中にないと言った様子で金の使い道について話し合っていた子供たちの間からブーイングが巻き起こった。
「え、もう帰っちゃうの?」
「つまんない!せっかく会えたのに!」
「もっといてよ、白狼!!」
「だから白狼じゃないってば」
「いーじゃん!遊ぼうよ!エマの空中三回バク転、もう一回見たいよ!!」
「次来た時もう一回やってくれるって言ってたじゃん!」
「エーマー!!」
服の袖を引っ張られ、足元にまとわりつかれ、どうやって登ったのか背中にしがみつかれ、髪をぐちゃぐちゃにされた。もうこうなると、彼らは手に負えないのだ。エネルギーの塊をいくつもぶら下げ、エマは観念して大声を上げた。
「わ、分かった!分かったから!!一旦離れろ!っていうか離れてくれ!!」
砂糖菓子に群がった蟻の如く、エマに群がっていた子供たちは渋々と言った様子で一人、また一人と離れていく。後には、ボロボロになったエマだけが取り残された。なんだか服がよれ、銀色の髪は乱れ、早くも疲れが滲んでいる。エマはやっとのことで口を開いた。
「今日は、施設から早く帰れって言われてるんだ。だから、空中三回バク転やったら帰るからな……」
言いながらエマは近くの二メートルほどの高さのブロック塀によじ登った。登っている間、子供たちの不満のジト目を背中いっぱいに感じた。空中三回バク転だけではなく他の大技も見せろ、と無言のうちに訴えてくる子供達に背を向けて、厚さ十センチメートル程のブロック塀に立つ。視界が開け、見える世界が瞬く間に広がった気がした。息を吸って、吐く。少しばかりの緊張に身体を支配されそうになる。ここで負けてはダメだ。膝を軽く曲げる。風を感じる。風は、強くなったり弱くなったりしながら、エマの頬を嬲って行った。その姿勢のままタイミングを待つ。まだ……まだ……もう少し待って……今だ。次の瞬間、エマは塀を思い切り蹴って後ろ向きに高く跳んだ。その勢いで空中で三回、逆上がりするように回転する。
タン、と小気味良い音を立てて綺麗に着地した。一気に緊張が解けてゆく。エマは、満足気に息を吐き出した。
「すっげぇ…………!」
観客の子供の一人がつぶやいた。と、エマが振り返るよりも早く彼は再びドッと押し寄せた子供たちに群がられていた。さながら、蟻の大群に再び落とされた砂糖の塊である。歓声または喚声が鼓膜をつんざいた。なんとか機能した耳が捉えたのは、ほとんどが称賛の声、アンコールの声であった。何度「今日は早く帰らなきゃいけないんだって!!」と声を上げたことだろうか。その後いくつか同じような技を(無理矢理)披露させられ、ようやくエマがボロ雑巾のようになって解放されたのは、たっぷり三十分ほども後であった。帰り際に、エマに仕事を紹介してくれと頼んできた少年が「あいつらが、いつも迷惑かけてごめんな」と労ってくれていなければおそらくぶっ倒れていただろう。
この例だけでも分かったように、エマは、ものすごく運動神経が良いのだ。時折、アスリートもかくやと思わせるような動きをする。しかし体力が並外れてあるわけではないので、それが悩みの種なのであったが。
エマは、ストリートの子供ではない。貧民街の一角にある、孤児院に収容されている子供である。そして今、施設の門限はとっくに過ぎていた。施設長の怒った顔を頭の内に描いてゲンナリしながら彼は帰途に着いた。
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