第23話
「かんぱーい」
ホテルの近くの居酒屋。
抱きしめるのはホテルの部屋に入ってすぐ済ませた。
戻ったらまたやるけど。
「わたしこっちの料理わからないからよろしく~」
「おっけ。ファニアが食べたこと無いの中心に頼むからな」
「おねがいね」
さて、話したいことは沢山ある。
今日のことだけじゃなく、エルフに関してや魔素、魔力、魔法についてなんかも。
でもせっかく旅行に来てるんだから、その辺は帰ってからでもいいか。
「ビールおいしー!お酒って冷やした方がおいしいねー!」
「あっちじゃ常温?」
「そうだね。こっちの世界と比べると、食に関してこうすればおいしいとか追及することってあまり無いかも?あっちにいた頃は、おいしい料理食べると、料理人さん頑張ってるなって思うことあったんだけど、日本を知っちゃうと全然だなって思うよ」
「言い方悪いが日本は異常だからな、その辺。他国の料理取り込んで、元の料理越えたりするし(笑)」
「異常だよね?いい意味で(笑)」
「あっちの料理ってどんな感じ?」
「煮る、焼く、蒸すくらい?蒸すは少ないね。揚げるなんて考えた人すごいって思うよ」
「多分焼くときに油入れすぎたんだぜ?それでもったいないからそれ食べたら美味かったとかじゃねえの?」
「そんなわけないでしょ(笑) 調べてみよっと・・・古代ローマだって。レシピ本に出てくるのが最初。どうやって出来たかは無いね」
「そうか。古代ローマ人が油入れすぎたからって可能性は残ってるな」
「まあゼロじゃないけどねえ・・・・唐揚げおいしー!」
「沢山食っとけよ?ウチじゃ揚げ物なんてめんどくさいからあまり作らんからな」
「わたしが頼んでも?」
「・・・・作ります」
「フフッ、食べたくなったらよろしくね?ユウジ」
俺だけだったらぜってー作らんのだがなあ。
ファニアの頼みなら何でもやっちゃうわ。
「そういえばエルフの事で何か思ったことがあるみたいだったけど?」
「ああ、今知ってることを材料に考えて、こんな感じかなあってのはある」
ファニアが聞きたいならここで話してもかまわんわな。
「なになに?聞きたい!」
「あまり期待すんなよ(笑) ファニアより知識少ないんだから」
「異世界人がどんなこと思いついたかに興味があるのよ。それとユウジって不思議なこと好きでしょ?それに関しては鋭そうって気がするし」
「好きなだけだよ。じゃあ話すけど・・・こんな可能性があるって程度で聞いてくれ」
「いいよー」
「そんじゃ・・・・」
エルフの発祥はどこかわからないけど、多分ファニアがいた世界じゃない。
魔素が無い、もしくは少ない世界。
おそらく元のエルフは自前の魔素で異世界転移も出来るくらいなんじゃないかな?
ファニアの世界に来たのはその前の世界が滅びかけてたから。
そこがエルフ発祥の世界かは不明。
ファニアの世界のエルフが異世界転移と思わなかったのは、そう感じるくらい自然なのが本当で、ファニアの方法が不完全だから。
この世界のエルフの例や、縄文時代の魔力の残滓から、エルフがこの世界にも来ていた可能性はあると思う。
俺が思うに、もっと大昔から異世界に移民を繰り返してきた種族なんじゃないかな?
もしかしたら数億年前からとかね。
で、魔素のある世界に来たファニアたちはおそらく力が弱くなってる。
そこにふんだんにある魔素に頼っちゃったから。
エルフが若いままなのは体内で作る魔素にその効果があるから。
だからファニアみたいに自前の魔素だけのヒールだと若返る。
じゃあなんでエルフが成長するのかだけど、大人になるまで魔素にその効果は無いのか、別な理由からか・・・・
「エルフって大人の姿になるまで何年くらいなんだ?」
「100年ってとこだね」
「じゃあ別な理由の方が可能性高いか?魔素の若返る効果のせいで成長がゆっくりだと考える方が自然だよな」
「ほええ~、こんなにいろいろ思いついちゃうんだ?ユウジすごい!」
「凄くねえだろ?今ある材料から誰だって思いつくと思うぞ?」
「わたしらはあるがままのエルフを受け入れて、こういうものだってしか思ってなかったからね。まああっちの世界が戦争ばかりであまり他に考えが及ばなかったってのもあるんだろうけどさ。ねえ?ほんとはもっと強い魔法が使えたのなら、元に戻す方法って無いかな?」
「そりゃ魔法使いまくればいいんじゃね?」
「それで戻るかな?」
「やってみなきゃわかんないけど、可能性はある。そんなアニメ見た(笑)」
「アニメかよお」
「まあそう言うなって(笑) 能力ってのは何でも使ってりゃ伸びるだろ?」
「うーん・・・やってみよう」
「よし!帰ったら特訓だ!」
「しないわよめんどくさい(笑) でもユウジにヒールかけるのは前からやる予定だったしね。これだけでもかなり魔素使うから伸びるかもね」
「帰ってから楽しみだな!」
「ね?他にも考えてることあるでしょ?言玉のこととか」
「あるけど?」
「どんだけいろいろ考えてるのよわたしの彼氏は!でもそーゆーユウジも好きよ(笑)」
「それはまた話してやるから今は飲もうぜ!」
エルフと同居始めました 爆滓 @U-J
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