第12話

左手の痺れで目が覚めた。

目の前にファニアの寝顔、かわいい。

と、すぐにファニアも目を覚ました。


「あ・・・おはよ」


顔を赤くしながら微笑んで挨拶してくる。かわいい。


「おはよ」


「うー、まだお股に何か挟まってる感じするよぉ」


「あー・・・・・・スマン」


「謝ることじゃないでしょ?ひとつになれた証だもん、嬉しい」


「なんか照れ臭いな」


「フフッ、そうだね。でも幸せ」


「フッ、じゃあ俺メシつくるよ」


「わたしもやるよぉ」


「大丈夫?」


「平気だよ。ユウジ気を使い過ぎ。でもありがとうね!それと・・・」


キスしてくるファニア。


「おはようのキス!」


照れながら微笑むファニア。クソかわいい!


「あの・・・慣れてくれないと・・・起きてからだけでも何度も我慢してる」


「え?・・・・あー・・・・いいよ?言っても」


「ファニアめっちゃかわいい!」


「ファッ!ゴメン、でも頑張るからこれからは我慢しないでいいよ?」


「キスは大丈夫なのに、なんでこれがダメなんだろうな?」


「わかんないよぉ・・・なんかゴメンね?」


「いいさ。メシつくろ?」




「コウたちに話すってことでいいんだな?」


「うん。ユウジが信頼してる人なら」


「まあ通報されたりはしないさ。それと育美にはいろいろ頼みたいんだよね。女性のことは女性に頼んだ方が確実だろ?」


「そうだね。ユウジにもわからないことあるだろうし。下着は選んでくれたけど(笑)」


「すっげー恥ずかしかったんだからな?」


「かわいかったよぉ、ユウジ(笑)」


「今どきは二人で買いに行いったりするらしいけど、俺は無理だわ。次何かあったら育美に頼んでくれ。ってまだあいつに話してないけど」




そろそろ来る時間だ。一応ファニアには耳を隠してもらった。

俺の家の駐車場に車が入ってきた。NDロードスター、俺の車だ。

仕事の時にコウの会社で乗り換えて、そのまま置いてあったのをコウが乗って来たのだ。コウたち、帰りはトラックで帰るってわけ。


「おう、来たぞー・・・・・」


家の玄関で固まる二人。


「あー、ファニアだ。この前はああ言ったけど、結局付き合うことになった」


「ファニア・ミネニスです。はじめまして」


「あ、ああはじめまして、俺はユウジの友人の宮村幸之助、こっちは妻の育美です。」


「はあー・・・あ!育美です・・・はじめまして・・・」


「二人とも驚きすぎだろ。まあ入れよ」


「だって・・・・なあ」


「あのユウジが・・・ねえ」


「どのユウジだよ!いいから上がれ」


ファニアさん、今日は露出少なめです。

下はいつもの俺のジーンズ。




「ユウジ、どこで知り合ったんだよ、こんなかわいい子?」


「あー・・・・七ヶ宿ダム?」


「なんだそりゃ?」


「ファニアが困ってたとこを助けたんだよ。で、行くとこ無いって言うから一緒に住んでたらそうなった。他にも理由はあるんだが、それはあとでな」


「ファニアさんはどちらのご出身で?」


「あーやめやめ!俺がきもちわりーから二人とも敬語使わなくていい!俺が許す!いいだろファニア?」


「フフフッ、わたしもそうしてもらった方が話しやすいです」


「そうか?じゃあそうさせてもらうよ」


「でだ、早速だが二人に話すことがある。ファニア?」


「うん」


魔法を解くファニア。


「え、それって・・・耳?」


「ファニアちゃん、エルフみたい」


「みたいじゃねえ、ファニアは異世界から来た本物のエルフだ」


「うっそでえー」


「本当だ。歳も俺達より上だぞ」


「ファニアちゃん、耳触らせてもらっていいかな?」


「どうぞ。育美さん、ユウジに初めて会った時と同じ(笑)」


「え、アンタいきなりファニアちゃんの耳触ったの?」


「いやこの場合一番目がいくのって耳だろうが!」


「だからっていきなり女の子の耳触る?」


「ファニアがイヤじゃねえって言ったからいいんだよ!話進まねえから言いたいことあったら後にしろ!」


「・・・・・どう見ても本物よね?これ」


「勿論本物ですよ」


「だからってエルフってのを信用しろって言われてもなぁ」


「だろうな。俺もそうだったし」


「それでオマエはなんで信用したんだよ?」


「魔法で俺の考えてることを読んでもらったんだ。ああ、二人の名前教えなきゃよかったな。俺の時は名前言ってないのにフルネームで答えたからな」


「別に名前でなくてもいいだろ?ファニアちゃん、今俺が考えてることを読み取れるか?」


「はい。1985年5月2日と1985年11月16日ですね?」


「マジかよ!」


「わたしたちの誕生日ね」


「信じてくれるか?」


「オマエが教えておいたんじゃ・・・いや、そんな感じじゃねえな」


「確かにそれなら可能だがな、やってねえぞ?」


「不思議な力を持ってるってのは認めるよ。異世界とかエルフってのは正直半信半疑だけど」


「そこも最初の俺と同じだ。だからとりあえずはそれでいい」


「で?何故日本に来たのか聞いてもいいかな?」


ファニアは同じ魂の説明をした。

相手が俺であることも。


「じゃあこの先ずっと、こっちにいるのかい?」


「はい。もうユウジがいないと生きていけませんから」


「だってよ(笑)」


「よかったね、ユウジ(笑)」


「ま、まあそんなわけなんだけどよ、ファニアのことは大っぴらに出来ねえだろ?何とかしなきゃとは思ってるんだけど、何かいい考えねえかな?」


「すぐには思いうかばねえな。まあ俺達も考えてやるよ」


「わりいな」


「それじゃあ二人にはいろいろ聞かせてもらおうかねえ?(笑)」


「今話したろうが」


「そんなんじゃないわよ。相手のどこに魅かれたとかそんな話(笑)」


「素面じゃ話しづらいかもしれんからな。酒飲みながら話そうか」


「まだ昼間だぞ?それにここ俺の家なんだが?」


「いいじゃねーか、かてーこと言うなって(笑)」


「しょうがねぇなぁ、ファニア、手伝って」


「うん」


台所に行くだけなのに手をつないでくるファニアさん。


「あいつらめっちゃラブラブやな(笑)」


「この後話聞くのが楽しみね(笑)」

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