第8話

「ユウジ、スマホとパソコンの文字の入力のやり方おしえて?」


「あーそうか、検索とか字がわからないとな」


文字の入力だけ出来れば何とかなるので教えてやる。

それとコピペや指定範囲を検索するやり方とか。


「なんで四種類も文字使ってるのよ日本人は?」


四種類?ああ、アルファベットも入れてだな。


「こっちの世界でも日本語はめんどくさい言語らしいぞ?でもその分細かく表現できるんじゃねーかな?」


「なるほど。覚えようかなぁ?」


「大変だと思うぞ」


「わたし、大魔導士ですから(笑)」


「そういや音楽ってどう聴こえてるん?」


「音楽そのままと翻訳の朗読が同時に聞こえるの。だからどっちかに意識を向ける感じだね」


「言語が変わったらそのままメロディには乗らんだろうからなぁ」


「やっぱり日本語おぼえよう。音楽ちゃんと聴きたいし」


「まあ手伝えることがあったら言ってくれ」




そのあと今日の晩飯、カップ麺を買いに歩いて近所のコンビニへ。


ファニアと近所を歩くのは初めてだ。


ファニアは腕を組んだ時から、歩くときは腕を組んでくるか手をつないでくるようになった。

イヤじゃないから好きにさせてるんだけど、周囲の視線が痛い。

ファニア、超絶かわいいからなぁ。

ショーパンから伸びてる足もなげーしきれいだし!


「ここはずっと開いてるから、夜中でも買い物できるぞ」


「便利だな日本!」


「やっぱりそっちには無いか?」


「夜中に開いてるのは酒場くらいだよ」


「ファニアはお酒飲むの?」


「好きだよ」


「じゃあ家にもあるけど買ってくか」


「え、ユウジ・・・こっちのお酒ってこんなに種類あるの?」


「あっちは無いのか?」


「エールか葡萄酒くらいしかないよ。最近は蒸留酒って言うのが他の国にあるみたいだけど」


「じゃあちょっとずついろんなの買ってこうぜ。ファニアの好みのを探してみよう」


「うわ、楽しみー!」


「こっちのお菓子も食べてもらおうかな?」


大量に買ってしまった。車でスーパー行った方が楽だったし安く済んだな、こりゃ。




「それじゃ今日の晩飯、カップ麺だ」


ここ数年はカップ麺のCMじゃないようなのを流してるアレ。

ファニアのはスタンダード。俺のはカレー。


「カップ麺もたくさんあってびっくりしちゃったよ。ホントにお湯入れるだけなの?」


「これはそうだけど、別にスープの素や具材が入ってるのなんかもある。そんじゃお湯入れて・・・と。あとは3分待つだけ。お湯入れてすぐ食べるのが好きって友達がいるけど、おすすめしない(笑)」


スマホのタイマーをセットする。


「これ見て思い出したけど、調べてみたら一日の長さってあっちとほとんど同じだね。一年の長さだけちょっと違うの。あっちは一か月が全部30日で12か月が一年」


「じゃあファニアはこっちだと・・・・・860歳くらいか。あまり変わんねーな(笑)」


「さすがにわたしもそこまで細かく言う気ないよー、めんどくさいし(笑)」


「まあファニアの歳なんて気にしてないしな。872でもかわいいもんはかわいいし・・・・顔赤いぞ?」


「前に照れるからって言ったじゃん、もう!」


あれ、かわいいも照れるのか。それじゃ・・・


「ファニア・・・かわいい」


「はうっ!」


「かわいいよ、ファニア」


「恥ずかしいからやめて!」


いじめすぎたか涙目になってるが、この表情もかわいい!

でもこれ以上言ったらかわいそうだから言わないでおく。


「ゴメンゴメン、いつもやられてばかりだからつい、ね」


「ユウジの意地悪!」


「まあちょっとSなのは自覚あるけどな。と、3分たったぞ。カップ麺食おうぜ」


「ほんとにもう・・・・おいしい!」


単純なやっちゃなぁファニア!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る