実況！４割打者の新井さん！７

いよいよ始まりますわ！

「おとう、おかえり～！」

「パパ、おかえり～！」

「ワン！ワン！」

試合が終わり、夕方になった頃におうちに帰ると、双子ちゃんときゃらめるの熱烈な歓迎。ドアを開けた瞬間に、番犬が飛びかかって来るような勢いでして、双子ちゃん達からも、やきゅー教えて！ゲームやろー！と、アプローチがスゴイ。

するとエプロン姿のみのりんもやって来まして………。

「３人でお風呂入って来たら？そしたらいつだって寝られるんだから」

と、提案されたので、女王様の言う通りにして、まずはかずちゃんの様子を見に行き、ざぶーんとお風呂に入った。

そして、晩飯。

今日は酢豚とチャーハンと棒々鶏などの中華三昧。もちろん、醤油ラーメンがそれぞれのど真ん中に位置しているのは言うまでもない。

「おとう！明日、おとうに買ってもらったグローブ、持ってくー！それでね、ホームランボールキャッチするー！」

「明日は移動日だから、あさってだねー。明日はあれだよー。みんなでお出かけだよ～！」

そう伝えた横で、およそ１０分遅れの妹さんが現実というものをまざまざと見せつける。

「パパの取ってくれた席はベンチの真上の内野席だから、ホームランボールは取れないよ」

「そーなの？」

と、かえでちゃんは残念そうな表情。しかし、ジューシーな酢豚ちゃんに鬼の形相で食らいつく。

「でも、お人形とか、チェンジになった時とかにもらえるボールがあるかもね。キャッチャーとか、ファーストの選手に言っておくよ。だから、諦めんなよ。常にチャンスを伺うんだ」

「わかったー！………ママ、おかわり！」

「いらっしゃいませぇっ！！」

前半戦が終了し、交流戦明けの３０試合を１９勝１０敗、１引き分けだったビクトリーズはなんと、その期間の勝率１位であった。

交流戦を戦っている間は、首位の埼玉さんや２位の北海道さんとまだだいぶ差があるなあという感覚でしたが、交流戦以降も上手くチームの好調をキープすることに成功していた。

４月５月で走りまくっていた上の２チームの背中がようやく見えてきたところで、北海道さんに３タテをかましましたからね。

２位北海道に１ゲーム差。首位埼玉に２、５ゲーム差というところまで押し上げてのオールスター期間である。

日曜日の試合を終え、月曜日は家族感謝デー。さすがに暑すぎて外に赤ちゃんを連れては行けなかった。朝きゃらめるの散歩だけ行ったら、みんなでデパートでお買い物。

おもちゃ屋さんでは、双子ちゃんのおねだりに負け、４階の喫茶店でパンケーキを食らい、明日はオールスターだからと、分厚いステーキを購入して、お昼過ぎには家に帰った。

そしたらそこからはゲーム大会したり、かずちゃんをお風呂に入れたり、庭にプール出したり、双子ちゃんときゃらめるが水遊びをしているのを撮影したり、みんなでお昼寝をしたり。

柴ちゃんや桃ちゃんにも電話してみたら、同じような展開だったみたいで、ちゃんとパパさんをしていたようだ。

でも、宮森ちゃんは喫茶店のパンケーキを１人て４皿いったらしいですわね。

「新井さん、ういっ～す！！」

「おう、平柳君。朝からやかましいな！おっ、そっちは吉原君じゃないか。今年もすごいバッティングシテイルようだね」

「どうも！今日はよろしくお願いします！！」

東京スカイスターズの２人。遊撃手部門１位と、１塁手部門で２位だった吉原君。

共にチームを牽引する活躍を見せている。

「じゃあ、新井さん。早くロッカーとかに案内して下さいよ」

平柳君はそう言って自然に腕を組んでくる。

「何してんねん！！だいたい分かるでしょ！３塁側とおんなじだよ！」

「全く。相変わらず連れないですねえ。こんなにも新井さんへの思いを伝えようとしているのに」

「奥さんに向けてやりなさいよ。水嵩元アナウンサーに」

「アヤはまあ、いいっすよ。せっかくの遠征なんで羽を伸ばして………」

急にあくびをするようにして両腕を伸ばし始めた平柳。もしかして、水嵩元アナウンサーと上手くいっていないのでは？と、勘ぐってしまったのだが。

吉原君がこそっと俺の側にやって来た。

「実は新幹線に乗る前に、奥さんと大喧嘩しましてね。今日宅配便があるわとか、脱いだ物部屋の隅っこに投げっぱなしになってたとかでもう。東京駅のホームで怒鳴ったりしてこっちが恥ずかしかったっすよ」

「ヨシ！それは言うなって約束しただろうが！」

平柳君。しょーもな。

５億もらってても、そんな喧嘩するのかよ。

東西プロ野球オールスターゲーム

スターティングラインナップ。

先攻 西日本オールスター

１番レフト 友寺(神戸アイアンズ)

.３３９ ５本 ３０打点 １１盗塁

２番セカンド 平(大阪ジャガース)

.３０２ ３本 ２２点 １３盗

３番 サード 青竹(愛知ドラゴンス)

.２８５ １４本 ５１点３盗

４番ファースト 棚橋(京都パープルス)

.２６０ ２８本 ７７点 ０盗

５番センター 百瀬(福岡ハードバンクス)

.３２１ ２１本 ７２点８盗

６番キャッチャー浦野(広島カルプス)

.３１０ １６本 ６０点４盗

７番ショート榊原(神戸アイアンズ)

.３１２ ８本 ４０点９盗

８番ＤＨ バーディ(福岡ハードバンクス)

.２４５ ２９本 ７９点０盗

９番ライト助川(愛知ドラゴンス)

.２５０ ５本 ２７点 ３０盗

ピッチャー 金澤 (広島カルプス)

１２勝４敗 防御率２、３６

後攻 東日本オールスター

１番ショート 平柳(東京スカイスターズ)

.３６２ １５本 ６０点 ２２盗

２番レフト 新井(北関東ビクトリーズ)

.４３３ ０本 ２６点 ０盗

３番ファースト吉原(東京スカイスターズ)

.２９３ ２０本 ６５点 ２盗

４番サード豊田 (埼玉ブルーライトレオンズ)

２９７ ２３本 ６８点６盗

５番ＤＨ カートソン(埼玉ブルーライトレオンズ)

.２８２ ２５本 ７１点 １盗

６番センター 藤並(北海道フライヤーズ)

.３５１ ９本 ５１点２１盗

７番セカンド祭(北関東ビクトリーズ)

.３２０ ８本 ５６点１７盗

８番ライト杉咲(東北レッドイーグルス)

.３０１ ３本 ３０点１２盗

９番キャッチャー 牧野(横浜エトワールズ)

.２５８ ５本 ２８点 ３盗

ピッチャー 蜂巣(埼玉ブルーライトレオンズ)

１３勝２敗 防御率 ２、２１