車は渡さん!絶対に。
12回の先頭でライトにポトリとやった俺の代走。朝日奈君が最後は後ろ向きに走りながら、打球が落ちたのを認識すると、ガッツポーズしながらホームインし、打ったマテルの元へ。
無論ベンチにいたメンバーも、お水を入れたボトルを手にして助っ人マンの元へ向かう。
1番にたどり着いた緑川君を抱き締め、マテルはもっと水を浴びせろ、もっと俺を称えろと、そんな仕草で次々に駆けつけるチームメイト達を煽っていた。
1時間前に同率2位にいた福岡ハードバンクスが横浜ベイエトワールズに敗れていたので、ビクトリーズが交流戦を初優勝を決めた。
何故か一緒に通訳さんもびしょ濡れにしながらヒーローインタビューに上がるマテル。
連続ヒットが途切れてからちょっと当たりがなかったわたくしも、今日は延長にもつれる中、猛打賞を記録して、交流戦は72打数38安打、打率5割2分7厘でフィニッシュ。
7年前に、自らが樹立した、交流戦打率4割9分2厘、36安打を共に更新することとなり、自身が出場した交流戦を3の3でMVPを取ることにもなった。
イカルガ自動車さんと一緒にお仕事をさせて頂いている以上、他の誰かにMVPとクルマを持っていかれたら、もうCMなんてそこで終了と考えていましたから。
もう意地ですよ。絶対に誰にも渡さないという。モチベーションの色がそもそも違っていたからこその冗談みたいな爆発でしたね。
交流戦終わりには、4日間の予備日が設けられていまして、もちろん雨が降ったりして延期になったりしたら、そこに試合がぶちこまれる空白の日付なんだけれども。
「かずちゃーん!パッパでちゅよ~!抱っこしまちゅね~!」
という感じで今年は中止になる試合が1つもなく、初夏のブレイクタイムという形で家族と過ごす時間がゆっくりと取れたわけだ。
みのりんは、ママとして母乳をあげることはやはり大変ですから。
お風呂やトイレ掃除を率先してやったり、廊下とリビングにモップ掛けたり、きゃらめるのお散歩に行ったり。
双子ちゃんにねだられたら、ナポリタンやオムライスをやったり、夜はハンバーグをこねたり、子供達が寝静まった後に、お夜食の生ラーメンを湯がいたりくらいの料理もこなした。
俺にしてみれば初めての赤ちゃんなので、色々と教わりながら、ある意味新鮮でドキドキの毎日である。
それでいて、かずちゃんのオムツを替えたら、次は君の番ですよ~!お尻を出しなさ~いと、本気で逃げるかえでちゃんを2階の端まで追いかけたりする。
リビングから廊下に出るまでといった追いかけるフリなどではなく、2階の部屋のクローゼットの中にしまっていた布団カバーに隠れたかえでちゃんの首根っこを掴んで引きずり出す。
子供はそういうノリが大好きですから。そして同時に幼いうちから足腰を鍛えていくという考えである。
オールスター中間発表!!全体1位はビクトリーズの新井!
東日本リーグは、平柳、藤並、大川。西日本リーグは、棚橋、友寺、浦野などオリンピック出場野手組に票が集まり、今年の開催地であるビクトリーズ組が健闘中。
オールスターまであと1ヶ月を切り、第2回となる中間発表があった。
両リーグの全体1位は、今年復帰して1月半ほどとなる北関東ビクトリーズの新井が唯一の30万票を突破し、東日本リーグ外野手部門は、北海道フライヤーズの藤並、埼玉ブルーライトレオンズの高杉龍が続き、ビクトリーズの柴崎、桃白がその後を追う。
内野手部門では、1塁の織田、2塁の豊田といったホームラン争い中のブルーライトレオンズコンビが抜け出し、遊撃では平柳とビクトリーズのキャプテン並木の一騎討ち。
3塁では今シーズン全試合で4番に座るビクトリーズ芳川が1歩抜け出している。
投手は、2大会連続でオリンピックにリリーフ陣のリーダー格として出場し、金銀獲得に大きく貢献したビクトリーズの岸田がほぼ当確の位置にいる以外は、全ての部門で団子状態になっている。
先発では、最多勝争いを繰り広げるフライヤーズのエース左腕下原、レッドイーグルスの辻元の争いが見もの。
中継ぎでは今シーズン未だ無失点のスカイスターズ田沼、ブルーレオンズ、塚井の争い。
現在メジャーリーグで活躍するリ・ロンパオ以来となるファン投票選出を目指す、ビクトリーズのエンゲラ、玉地が最近の好調もあり猛烈な追い上げを見せている。
オールスター戦は第1戦が7月20日にビクトリーズスタジアム(宇都宮)、翌日に布施運動公園野球場(鳥取)で共に18時プレーボールとなっている。
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