第21話 第24ノ試練


 第24ノ試練など今までと同じで、アホなゴブリンが勝手に罠を踏み抜き、瀕死となったゴブリンを殺すだけの簡単なお仕事だと、そう思っていたのだが、


「おうらぁぁっ!」


「ガァァァァッ!」


 残念なことに俺の予想は外れる事となった。


 罠は注意深く探ればわかる仕様は第23ノ試練から変わりないが、その罠に今まで知能の低いゴブリンが気付くことができるようになったのだ。

 更に言えば、ここのゴブリンはその罠を利用しようとしており、戦いながら俺を罠のある方へと誘導してくる。


 行き成り知恵をつけた行動に初めは面を食らったぞ。


「グガァァッゲゴッ!?」


「熱くなり過ぎだ! ボケェェェェッ!!」


 とはいえ、基本本能と力任せで戦う奴等だ。

 技というのを使わないおかげで早々負けることはなかった。

 別に俺は武の達人でも剣の達人でもないが、喧嘩で無意味に熱くなったほうが負けだってことは知っている。


 まっ、知っているだけで基本俺は熱くなりやすいタイプだけどな。


「はあはぁはぁはぁ、くっそきっちぃ~」


 8匹目。

 今殺したゴブリンは8匹目であり、ずっと戦い続きで体力が持たねぇ。

 一応2匹目あたりから休憩を入れて戦ってきたが、スゲェ疲れた。


 俺より弱いとはいえ、全力で襲い掛かってくるバケモンが相手だ。

 疲れない訳もねぇやな。


「後に2匹。後2匹なんだが・・・・喉乾いたぜ」


 まさかこんな風に手古摺るとは思ってもおらず、武器以外持ってきていない。

 今後は武器以外にも飯や水を用意しないとならないな。


「あ~・・あ~~~~・・・・ビール飲みてぇ~・・・・・・・」


 運動の後は、冷たいビールをきゅっ! と飲むのが最高なのだ。

 更に彩菜が作る美味いツマミがあれば・・・・。


「・・・・・さっさと終わらせる」


 帰ったところで彩菜はいねぇよ。

 アホなこと抜かしてないで、さっさとこの試練の化け物共をぶっ殺しちまおうぜ。

 そう己に言い聞かせると、俺は汗を拭い立ち上がった。


 後に2匹。

 今日はその2匹をぶっ殺してしまいだ。

 初めに見かけたゴブリンの姿とはかけ離れて、マジで猿のような顔つきになってきたゴブリン共を片付けてしまいだ。


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