第6話 第二ノ試練~第五ノ試練


 階段を上った俺に待ち受けていた試練は、またもゴブリンとの殺し合いであった。

 ただ第一ノ試練で対峙したガリガリに痩せ細っていたゴブリンとは違って、それなりに肉付きがある感じのゴブリンが相手であった。

 とはいっても、やはり痩せていて力もスピードもなく、すぐに排除することができた。


 第二ノ試練クリアとか言われたが、名ばかりの試練って感じだと思いながら、試験をクリアしたおかげで1ポイント得られたので、空気の次に必要そうな重力(下)を習得しておいた。

 なんだか順番通りに買わされている感じがして腹正しくあるが、まぁ、それは仕方が無いだろう。




 第三ノ試練もまたもゴブリンであった。

 とはいえ今度のゴブリンは普通に健康そうで、動きも今まで戦ったゴブリンとは比べ物にならないほど俊敏であった。

 とはいえ、雑魚であることには変わりない。

 子供が本気で殴りかかってきたところで、大人が負けるわけもないのだから。




 第四ノ試練も変わらずゴブリンであったが、今回のゴブリンは小汚いナイフを持っていた。

 子供でも刃物を持った時点で脅威度が上がることは確かだが、それでも動きが遅い為、難なく対応することができた。

 刃物を持っていた事にはビビッたことは確かだが、ただそれだけだ。

 普通に排除して終わりだ。


 ついでに今後もこんな殺し合いが必要になるだろうと思い刃物を奪っておいた。

 素手で戦い続けるのも限界があるからな。




 第五ノ試練もゴブリンであるが、今回のゴブリンは鍛えられた感じで、腹筋が割れていた。

 しかも俺が奪った刃物よりも上等な刃物を持っていた。

 どうやら少しずつ、本当に少しずつ試練の難易度が上がっているようだ。

 とはいえ、幼児並みに小さな体の奴が鍛えた所でたかが知れている。


 なので普通に“殺した”。


 刃物を持つ手を掴んで、抑えつけて、喉にナイフを突き刺した。

 血が噴き出し、手にべっとりとついた感触に、俺はあまりの気持ち悪さに吐いた。

 第一ノ試練で吐いたので胃液くらいしか出てこなかったが、そんなことは気にせず俺は次の試練に臨むために突き進んだ。


 ちなみに第五ノ試練では1ポイントであなく2ポイント贈呈された。

 なぜ第五ノ試練ではポイントが増えたのか知らん。

 考えるのは俺の仕事じゃねぇ。

 俺はただ真っ直ぐ、彩菜を助ける為にこの試練って奴をクリアしていくだけだ。



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