第4話

 「静留…」

血塗れになり、重く、自由の効かない身体を引き摺る竜斗。

既に、息も絶え絶えな竜斗は、大切な相棒・静留を探していた。

雪が、竜斗の身を、心を凍らせる。

「しず、る…」


大好きな、静留。

会いたいよ、静留。


「「竜斗様!!」」

どさり、と倒れる直前、マオとルカの声がした。


 「瑞樹、ボク…」

ロイは、いつ義母達に見付かるかとヒヤヒヤしていた。

瑞樹は、ロイを安心させる為か、そっ、と優しく額に口付けをした。

「え、」

「おまじない、だよ」

ガラッ。

「ロイ!…お前は誰だ!」

(嗚呼、とうとう見付かった…瑞樹だけでも、逃さなきゃ…)

ロイは、カタカタと震えだす。

「…チッ」

(こいつが、ロイを虐待する義母か…あっ、そうだ)

「おばさん」

「は?」

ジャキッ、と銃口をロイの義母に向ける瑞樹。

「ロイを虐める奴は、僕が赦さない。だから―――」


死んで


「ヒッ、」

銃声が、静かな住宅街に鳴り響く。

「ローイ!これで邪魔者は居なくなったよ?静留様達の所に行こっか♡」

「…!うん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る