弱さと過去

その頃、ボクは全身打撲と脳しんとうで動けなかった。


自分の無力さに、ガッカリした。

覇鬼装備があっても中身はキモオタ男子なんだから、役に立たないのもしょうがない。


空があってもいいと思う理由を聞かれた。

母に、聞かれた。


意味が、わからない。

と答えると。


母はガッカリした顔でボクを睨みつけたまま三階の窓から飛び降りた。




(そうだ、エダは怒ると少し母さんに似ていたなぁ)



学校では、母の死は直ぐにクラスメイトに広まりボクが殺したと言う奴まで現れた。



(見てもいないくせに!)



その事を教員にも吹いて回ったクラスメイトが言った。



「お前だけ、何でノウノウと生きてんの!?」



「早く、死んじゃえば?」





お前らに、理解されてたまるか!!



そうして、ネット、ゲーム、アニメの生活が始まった。

暫く経って、気付いたら。

草原に居た。



憧れていたけど、決して行くことの出来ない世界に。

ボクは、今居るんだ!



「こんな、ところで…」



「全く、こんな所まで蹴飛ばされて〜装備の意味がないじゃないですか!」



エダの言葉に安堵しながらも、ボクは提案をする。



「エダ、頼みがある!」

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