第18話『ハッキング遺伝子』

 ビヨンドBブレインB社のCEO、スティーヴ・アッシュは世界同時多発テロ事件から一週間後、公の場に現れ声明を発表した。


 「今回の事件で亡くなった全世界のBB社関係者に哀悼の意を表します。今回のテロ事件を断固許してはなりません!我々BB社はPPineal gland-BMIが実用化されてからの25年間、使用者の許諾を得た上で各国の研究機関に世界90億人の右脳の処理能力を貸与して来ました。その結果、学術界では多くの成果が上がっております。


 今回、米国立ヒトゲノム研究所(NationalN HumanH GenomeG ResearchR InstituteI)より最新の研究結果が報告されました。彼らによると、今回のアノニマスを名乗るハッカー達は対象者のP-BMIをハッキングしたのではなく、ヒトゲノム中に存在する“ハッキング遺伝子”とも呼べる新たに発見された遺伝子を悪用してハッキングを行っていたと言うのです!そして、彼らによればP-BMIを介して脳に電気信号を送ることでこの“ハッキング遺伝子”を不活性化することが可能だそうです!


 世界の皆様、P-BMIは安全です。むしろ、P-BMIによって我々はハッキングを受ける事無く安心して生活することが出来るのです。アノニマスを名乗るハッカー達に負けてはいけません!これで本日の発表を終わります」


 この発表はP-BMIの信用を回復するのに十二分であった。

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