第16話『公開ハッキング』
ハッカーは
次の日、署に向かう途中、早速ハッカーの方からコンタクトを取ってきた。連続多発暴力事件の犯人達と同じ状況が俺にも起きた。通行人が代わる代わるあのハッカーの声で喋りかけてくるのだ。
「おはよ~山岸さん!今日もいい天気だね~」
「うるさい、放っておけ」
「そんな悲しいこと言わないでよ~、折角こうやってお喋り出来るようになったんだから」
「俺はお前とのお喋りなんて望んでない」
「つれないね~、これからちょっとしたデモンストレーションを見せようと思ってたのに」
「何をするつもりだ!」
「お、乗ってきたね~。あの大型ビジョンを見てみなよ?」
「それでは次のニュースです…っと思ったけど、ニュースはもう終わり~なんちゃって!ちょっと喋らせてね~。さて、皆さん。私は誰でしょう~?キャスターの小川彩?違うな~。今喋ってるのは僕、凄腕ハッカーのアノニマスだよ~初めまして!以後お見知り置きを~。今日こうやってこの場所で喋ってるのは他でもない、僕の能力をみんなに見てもらうために出てきたんだ~。僕はP-BMIを着けた90億の人間全てにハッキング出来ちゃうんだ~。これがどういうことか分かる?どっかの大統領に核の発射ボタンを押させることも出来るだろうね~。どっかの飛行機のパイロットを高層ビルに突っ込ませることも出来るだろうね~。あとはどんなことが出来るかな~?まぁ、楽しみにしててよ。僕に出来ないことなんて無いんだから…あれ、私いま何か喋ってました?」
小川彩の指にはBSRは着けられていなかった。どういうことだ?BSRが無いとハッキングは出来ないんじゃないのか?しかも、奴はハッキングした人間に幻を見せるだけじゃなく、直接乗っ取ることも出来るのか…。時を同じくして
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