第9話『未来の葬儀』
人類の右脳間に存在する相互通信のネットワーク、
「主人は晩年、脳梗塞による失語症によって喋ることが困難になってしまいましたが、私や娘が病室に行くといつも涙を流して喜んでくれました。この映像は病室での主人の視界です。涙でゆがんだ世界、最後まで感情を無くさず立派に生き抜きました。本日は皆様、主人の葬儀にこうしてお集まり頂き誠にありがとうございました」
「いや~、今日の葬儀も滞り無く終わったね」
「しかし、奥さんの演技は大したもんだったな(笑)」
「うちらは視覚情報だけじゃなく聴覚情報も仕入れるからあの映像の真実が分かるけど、参列者はそんなこと分からんもんね」
「そうそう、出来上がったストーリーが感動的ならそれでいいのさ」
「眼の前で奥さんと娘があんだけ自分の財産の使い道のこと話してたら、そりゃ悲しくて涙も出るわな(笑)」
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