　「皆様、現在の日本の成長は誰によって為されたと思いますか？そう、日民党です！我々、日民党が国民の皆様と共に今の日本を作り上げたのです！野党になんて政治を任せてはいけません！彼らは全くの素人です！都筑登、日民党の都筑登に清き一ブレイン（B）・シェア（S）を宜しくお願い致します！」

　「与党の日民党のやってきたことをご存知ですか？国民に全然向き合っていない、むしろ増税で国民の負担を増やしている！今こそ日民党から政治を取り戻す時です！安江誠一郎、憲主党の安江誠一郎に清き一BSを宜しくお願い致します！」

　「皆様、政治家なんて皆同じだと思っていませんか？私達は違います！私達は従来の政治家が大事にしてきた地盤、看板、鞄の三バンに頼ること無く、その他の世襲議員とは違う価値を国民の皆様に提供してきました！今の自由な政治に必要なのはしがらみの無い私達なのです！山西小百合、新しい日本を作る党の山西小百合に清き一BSを宜しくお願い致します！」

　「大澤恵様、そろそろ投票時間が締め切られますがどなたに投票致しますか？」

　「そうね～、やっぱり同じ女性ってのもあるし勢いがある山西さんかな～。ガイア、お願い」

　「承知致しました。山西小百合様に投票しておきますね」

　人類の右脳間に存在する相互通信のネットワーク、ワンネス（O）・ブレイン（B）・ネットワーク（N）が発見され、他者と右脳を接続する行為はブレイン（B）・シェア（S）と呼ばれた。何個の右脳と接続しているかの単位もBSで表され、この数字は選挙の投票数としても活用されている。2051年の選挙はガイアを仲介して即座に行われ、投票が締め切られたと同時に得票数が判明する。候補者の得票数はそのまま候補者の政治家としての能力に直結する訳で、国民の投票がそのまま政治に反映されるという意味では理想的な仕組みが構築されたと言えるだろう。