found.
第9話
彼女を、探す必要はなかった。
急に、別れると言うこともない。会話も従順。作ったごはんをおいしそうに食べてから、ちゃんと身支度をして外に出ている。
雨が、もうすぐ降り始める。任務の予定は入っていなかった。雨が降ったとしても、彼女の隣に寄り添っていられる。
彼女の記憶。街の記憶。
「あ、傘忘れていったな」
あれだけ入念に準備してたのに、傘を忘れるなんて。笑ってしまいそうになる感情を、抑え込みながら。彼女に傘を届けに、街を行く。
雨。
携帯端末。
『街の人間、全員の記憶の回復を確認した』
「そうか」
彼女の記憶も、戻ったのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます