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第7話

 雨。


 かつて絵だった四角の前に、立ち尽くしていた。

 この絵は、知らない。でも、この絵の中の時計は、知っていた。でも、もう。絵は、にじんで、そこにない。


 奇妙な感じだった。知らないのに、知っている。


「おい」


 ちょっとだけ、振り返る。

 血だらけの、男のひと。知らない。

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