変態のち癒し、最後はドキリ。 ※







へベルベールにやらせようと考えているのは、帝国へ偽の情報を送り込む事と帝国の上層部への潜入の手助けをさせる為である。



元々へベルベール達がヒンメルの町に攻めてきたのは王国へ侵攻する為の足掛かりにする為と言っていたので、それを利用する形で“へベルベール達はヒンメルの町を墜とす事に成功した”という欺瞞情報を送り、帝国の兵力をこちらに送ってもらいつつ、随時制圧して行こうという考えだ。



潜入の方は、既にスパイ活動をさせているライとは別に、上層部側のスパイとして新たに送る作戦である。




「…その作戦で貴方には帝国への連絡と私の分身体が帝国の上層部に侵入出来るように手伝う事……理解しましたか?」



「イエスマム」



一応、この作戦には他の敵兵士達も“魅了チャーム”する必要もあるが、基本的にヒンメルの町を墜としたという事にするのであれば、へベルベールの護衛役として数十人程度魅了するだけで済むだろうし、その懸念はひとまずおいて置く。







一応もう一つの懸念点として、魅了属性の魔道具の効力は約半日というタイムリミットがあるので、効果が切れるたびに、“魅了チャーム”を掛け直さねばならない事だろう。



しかし効力が切れてもそれまでの記憶は残っているし、魅了した者の思考を操っている訳でもないので、効力が切れたからと言って使用者への愛情や欲情が消える訳では無い。



しかし、今回のへベルベールの件のように元々敵対している物同士であれば、魅了の効力を消してしまえば、普通に裏切られる可能性がある。



なので、基本的に帝国上層部へスパイを送る際は、へベルベール達を常に魅了状態に維持する為の分身体とスパイ用の分身体を送る必要がある事が懸念点だろう。




(…まぁそっちも特に問題は無いかな……色々と頑張ったおかげで≪分体≫のスキルも2もあがったし)




実は、ライアが屋敷近くの訓練場で地獄の効率訓練をし始めてから、先日の帝国との戦闘が終わってステータスを見て見れば、余程訓練の効率が良かったのか大分スキルレベルが上がっている。





^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



名前:ライア・ニー・インクリース


 年齢:18 

レベル:55    〈1up〉      

 種族:人間

クラス:錬金術師


 体力:41000/41000 〈3000up〉 

 魔力:62000/62000 〈5000up〉


攻撃力:115 〈3up〉 

防御力:73 〈2up〉

素早さ:136 〈3up〉

知識力:150 〈3up〉

器用さ:345 〈4up〉


スキル


≪分体≫33 〈2up〉

≪経験回収≫33 〈2up〉

≪家事≫19 〈1up〉

≪格闘技≫30 〈2up〉

≪潜伏≫29 〈3up〉

≪分割思考≫16 〈2up〉

≪剣術≫22 〈2up〉

≪ステップ≫24 〈2up〉

≪農業≫20 〈1up〉

≪解体≫18 〈1up〉

≪細工≫11 〈2up〉

≪変装≫30 〈2up〉

≪裁縫≫13 〈1up〉

≪自己回復≫19 〈4up〉

≪索敵≫25 〈3up〉

≪魔力操作≫29 〈1up〉 

≪変声≫27 〈2up〉     

≪槍術≫18 〈2up〉

≪投擲≫14 〈2up〉

≪状態異常耐性≫18〈3up〉

≪礼儀作法≫16 〈2up〉

≪錬金術≫21  〈1up〉 

≪速読≫10

≪鷹の目≫15 〈5up〉  

≪伸爪≫12 〈4up〉    

≪体液操作≫16 〈4up〉  

≪嗅覚強化≫15 〈2up〉

≪カリスマ≫20   〈2up〉

≪念力≫15    〈6up〉    

≪画力≫3   



称号


【竜騎士】




討伐歴【▽全表記】


ゴブリン     【49987】

オーク      【5215】

ツインハンドベア 【349】 

オーガ      【146】

ワイバーン    【921】

モーム      【521】

ビックバット   【356】

バイパー     【302】

ゴーレム     【413】

ブラックウルフ  【569】

レッドドラゴン  【1】

スライム     【742】

莠コ縺ョ谿矩ェク  【��】

バット      【134】

フライマー    【142】

ロックバイパー  【125】

エコーテ     【374】

ミノタウロス   【4251】

フォーストフラワー【18】 〈new〉


登録者【▽全表記】





^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^






うん、はっきり言って上がり過ぎて、あの訓練はちょっとやり過ぎだったのかもと反省する。



寧ろ他が全てレベルが上がっているのに≪速読≫と≪画力≫が上がらなかった事で、余程身体を動かす訓練ばかりやっていたのだなと驚く。(≪農業≫や≪家事≫などは、とぉさん達の仕事を手伝っていて丁度レベルが上がったのだと思う)




なんにせよ分身体が新たに2人も増やす事が出来るようになったので、帝国に送り込む分身体に関しては問題が無いという訳だ。



……まぁ、別に事務仕事用の分身体は元々余っていたので、どの道問題は無かったかも知れないが。




「へベルベール、貴方は帝国に『町を墜とした。王国に攻める時期を見極める為、帝国の総意を確認したい』と連絡を入れなさい」



「ははッッ!!よろしければ、女王様の肌に触れた香りが感じられるステータスカードをお貸しいただければ…」



「フンッ!!」



「ありがとうございますッッ!!!」




あまりの気持ち悪さに、帝国と連絡する為に回収していたへベルベールのステータスカードを思いっきり投げつける。



へベルベールは、ステータスカードが頬に“べチッ”と当たった感覚に身悶えながら感謝の言葉を述べ、ライアは激しくこの作戦を思いついた自分に恨みを募らせながら、へベルベールが帝国に連絡を入れるのを監視するのであった。











――――――――――

――――――――

――――――








「はぁぁぁぁぁぁ……」



「…?どうしたのですライア?」



「あ、いえ……帝国関連の事で、ちょっと面倒な事があったので……あ、別に何か問題があった訳では無いので気にしなくてもいいですよ」



へベルベールとのやり取りを分身体越しに知覚していたライアは、つい漏れてしまった重いため息を実験室で一緒に休憩をしているリネットに指摘される。



へベルベールの話はライアの心情的にリネットには言いたくは無かったし、魅了属性の魔道具の件もあったので、何でもない。と元気そうに振舞う。



リネットもライアが何か言いたくない事情があるのは何となく察しているのか「そうですか?そうですね」と話を流してくれる。




(……リネットさんにはあんまり戦争に関わってもらいたくは無いし、リネットさんは楽しそうに魔道具の研究をしてる方が可愛いからね)



最近のライアの周りの変態率が急上昇している事で、愛するリネットへ癒しを強く感じるライアは、心の中で普段は見せない惚気を出す。



「そう言えばライアの新しい改造人間ホムンクルス……【鬼人】と【魔女】です?どれほどのポテンシャルがあるか確かめたのです?」



「いえ、一応緊急事態で大雑把に作ってしまったので、今度きちんとイメージと調整をした物を造って、色々と調べてみるつもりですよ」



「その際はボクも弄らせて欲しいのです!」



「あはは……まぁそこら辺はいつもの事なので問題は無いですよ」



リネットの目的は【魔女】の魔力属性の一点強化の部分や【鬼人】の魔力を身体能力に置換するイメージがどのようにされているのかが気になるのだろう。



ソファに足をポフポフぶつけながら「何属性だと筋力が上がるとかあるのです~?」とか機嫌が良さそうに口ずさんでいるので、間違いはないだろう。



「あ、それともう一つライアに言う事があったのですよ!」



「はい?」



なんだろ?新しくこの町の住人になったリンの事かな?と頭を傾げながらリネットの方に顔を向ける。









「もう2か月も月経生理が来てないので、恐らく子供が出来たかもなのですよ!」





「ブッフゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!!」









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