褒美についてのお話合い ※











国王との謁見で、子爵の位と新たな領地?(ダンジョン)、そして騎士団設立の為の人事権(帝国との戦争に対抗すべく戦力強化)を褒美でもらったライアは、細々とした手続きを済ませた後、毎度恒例のモーゼス家族が住んでいる王都の屋敷にお邪魔しに来ていた。



「正式な騎士団ですか……いずれはヒンメルの町で自警団の様な形から始めようとは考えていたのですが、まさか国王陛下から直接騎士学校の人事を当たれるようにしてくれるとはすごいのです……」



「普通であれば、騎士学校の生徒は殆どが貴族の三男四男の庶子しょしや領主になれない女子が戦い方を学んでいるので、起用する側は最低でも伯爵以上でなければいけないが、ライア君は陞爵したとはいえ子爵……かなり異例の話になったものだよ」




現在は屋敷の談話室にてライア、リネット、アイゼル、モーゼスが集い、謁見の間で話された褒美の内容やらの確認を行っていた。



「騎士の選定に関してはいつになるのです?」



「明日……だそうです」



「「明日!?」」




ライアの言葉にアイゼル以外の2人が声を合わせて驚愕する。



「国王陛下が言うには、元々騎士団の話はダンジョン云々の前から褒美として考えられていたらしいから、事前に騎士学校には事前連絡を入れていたそうだよ」



「……国王陛下も余程ライア君の事が気に入っているようだね……」




モーゼスはしみじみとしながら、当事者のライアに向け「大変だろうけど頑張れ?」みたいな優しい目線を送ってくるが、ライア自身は御免被りたい一心である。



「ひとまず明日の騎士学校へはライア君と私、それにリネットも一緒について来なさい」



「ボクもです?」



アイゼルの言葉にリネットは何か疑問があったのか、不思議そうな顔でアイゼルに聞き返す。



「リネットさん、どうかしたんですか?」



「いえ、単純にボクが行った所で騎士達の見分けというか、面接?というのをどうすればわからないのですよ……ボクは根っからの研究者体質なので、体育会系の騎士学校の人達とも恐らく話しは合わないと思うのです」




リネットは基本的に友好的な性格というより、どちらかと言えば興味の無い物には無関心のマイペースな性格だ。



今でこそライアやモンド、それに今もヒンメルの町で合成魔石をせっせと作ってくれているリグやライア達の周りに集まってくる色んな仲間達がいるおかげで、リネットは色んな人と喋っている印象があるが、ライアがリネットと出会った頃はライアとユイ、それに本当に偶に工房に来ていたシェリア(ギルド長)の3人くらいしか、話す相手はおらず、それ以外はずっと工房で錬金術の実験に明け暮れていた人だ。



戦闘関係や軍事的話もわからないだろうし、リネットの言う通り体育会系っぽい騎士学校の人達とは会話は弾まないかもしれない。





「そこはわかっている……私が付いてこいと言った理由は主にライア君の婚約者としての顔見せと、女性騎士の勧誘の為にお前が居たほうが良いと思ったからだ」



「女性騎士です?お父様はヒンメルの町の騎士団には女性騎士を雇用するお考えなのです?」



「……そうなんですか?」



それはライアも初耳だったので、リネットと一緒にアイゼルへと疑問の視線を向ける。



「……考えすぎかもしれんが、もしかすれば雇用主であるライア君が子爵の位という事で、元伯爵家の庶子や上位貴族の出である騎士がライア君に悪さをするかも知れないと思ってな……女性騎士であれば元々男性を立てるように教育されているであろうし、同じ女のリネット自身は元伯爵位であるから、それほど軽視される事は無いはずだ」



「あぁ……やっぱり自分の実家の爵位より位が低い人に命令されるのは嫌って奴ですね…」



騎士になれば元の爵位などは関係なく、ただ国を…人を守る【騎士】としての位で生きるというのだがそこは人間らしく、プライドという物が存在する。



騎士になる前は伯爵家の出であれば、ぽっと出の最近まで男爵だった子爵家の若造に顎で使われるのは我慢ならないという話だろう。



現に先程モーゼスが言っていた『起用する側は最低でも伯爵以上でなければいけない』というのはこれが原因だろう。




「……?騎士になれば身分は皆平等の騎士のはずなのですよ?どうして元の家の爵位が関係するのです?」



「…うむ、貴族の女性はそう言った話に納得はしないだろうし、今リネットがそう反応したように、女性騎士はそう言った上下関係に関してはまだ寛容な部分が多いという訳だよ」



「……なるほど」




恐らく男のプライド的な話についていけないリネットは「???」と疑問の顔を浮かべているが、そのリネットの反応を見て、ライアはアイゼルの言いたい事が大体わかったのだった。



「……よくわからないですけど…もういいのです……女性騎士の方であれば、ボクも少しは話せるかもなので、何とか頑張って見るのですよ」



「そうしてくれると助かるよ」




結局、リネットは微妙に納得していない反応をしつつも、明日の騎士学校への同行は了承してくれたので、良しとしよう。









――――――――――――

―――――――――

―――――――








「ふぅぅ……疲れたぁ……」




モーゼスやリネットに謁見の場での事を説明したり、騎士の事を話し合ったり、モーゼスに飛行船の事を聞かれたりと、夕食の時間まで話し合い、やっと自分に与えられた部屋に戻れたライアはベットに突っ伏しながら背伸びをする。




「……リネットさんはまだセリーナさんと話し合ってるのかな…?」



部屋は毎度の事リネットさんと同室なのだが、現在はモーゼスの奥さんであるセリーナと何やら秘密事があるとかで、セリーナの部屋に出掛けている為、部屋にはライア1人である。





「っとそうだ……先にステータスの確認しとこ」



王城に着いた際に、アーノルド王子に付けていた分身体とはすぐ≪経験回収≫出来たし、この屋敷に来る間に、ウィスン達3人とも隠れてあうことが出来たので、2年以上の経験値が一気に4人分手に入ったのだ。



さすがにスキルレベルが上がっているだろうとステータスを確認してみる。





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名前:ライア・ニー・インクリース


 年齢:18 

レベル:54      

 種族:人間

クラス:錬金術師


 体力:38000/38000   

 魔力:57000/57000  


攻撃力:111 

防御力:71

素早さ:132 〈up〉

知識力:147 〈up〉

器用さ:339 〈up〉


スキル


≪分体≫31 〈1up〉

≪経験回収≫31 〈1up〉

≪家事≫18

≪格闘技≫28

≪潜伏≫26 〈1up〉

≪分割思考≫14 

≪剣術≫19

≪ステップ≫22

≪農業≫19

≪解体≫16

≪細工≫6

≪変装≫27 〈1up〉

≪裁縫≫10

≪自己回復≫15

≪索敵≫22

≪魔力操作≫28  

≪変声≫25 〈1up〉    

≪槍術≫16

≪投擲≫12

≪状態異常耐性≫15

≪礼儀作法≫14 〈2up〉

≪錬金術≫19   

≪速読≫10 〈3up〉

≪鷹の目≫10 〈1up〉  

≪伸爪≫6   

≪体液操作≫10 〈1up〉 

≪嗅覚強化≫11 〈2up〉

≪カリスマ≫15   

≪念力≫5    〈1up〉   

≪画力≫2   



称号


【竜騎士】




討伐歴【▽全表記】


ゴブリン    【49647】

オーク     【5215】

ツインハンドベア【349】 

オーガ     【146】

ワイバーン   【765】

モーム     【521】

ビックバット  【356】

バイパー    【302】

ゴーレム    【413】

ブラックウルフ 【569】

レッドドラゴン 【1】

スライム    【511】

莠コ縺ョ谿矩ェク  【��】

バット     【53】

フライマー   【47】

ロックバイパー 【35】

エコーテ    【201】

ミノタウロス  【1】


登録者【▽全表記】


シュリア・アンデルセン

セルス

ミリー

カズオ

ネリヤ

ゼル

ミリアナ

タリス

リネット・リールトン

アイリス・リールトン

アーノルド・ホア・アンファング

パテル  

リグ   

働きアリハウスマン

モンド・メルディ

プエリ



^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^







「あれ…?≪速読≫はまぁまぁ上がってるけど、他はあんまり上がってない?」




よくよく考えれば、基本ウィスン達は街を徘徊させたり、図書館で未取得のスキルを見つける事以外、殆どしていなかった事を考えれば、ある意味これくらいしかレベルが上がらなくてもしょうが無いのかも知れない。




「≪分体≫とかは一応1レベル上がってるし、元々スキルのレベル上げようと訓練とかさせてなかったから、それほど問題は無いんだけど……なんか勿体ない気持ちが……」




今度からウィスン達には、情報採取の合間にレベルの低いスキルの訓練をさせておこうと心に決めたライアだった。











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