新しいスキル達










「……カリスマ…?」




ライアはステータスカードを使用し、自身にしか見えないステータスを1週間ぶりくらいに見てみると、最後に取得したはずの≪嗅覚強化≫の下に、取得した覚えのないスキルが表示されていた。



「……何かしたっけ…?……ひとまずスキルの詳細か」



そう言ってライアは新たに取得したスキル達の詳細を見ようと、順番に表示していく。




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≪鷹の目≫1


自身の瞳を操作し、遠くの風景などを見れるようになる。眩しい光や暗闇にも対応。

(レベルに比例して、効果向上)


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≪伸爪≫1


自身の爪を伸び縮みさせる事が出来る。

(レベルに比例して、伸縮速度と伸縮距離の向上)


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≪体液操作≫1


身体に含まれる体液を操作できるようになる。

(レベルに比例して、効果向上)


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≪嗅覚強化≫1


自身の嗅覚が鋭敏になり、遠くの匂いなどを判別できるようになる。

(レベルに比例して、効果向上)


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「……特に、新しいスキルの中に原因がある……とかじゃないよね…?」



今回取得したスキルの詳細を見ても、この≪カリスマ≫というスキルを取得することになった原因は無さそうであり、図書館で調べたスキルの詳細と何ら変わらないものであった。




「……まぁこのスキルの詳細も見てみようか…」



ライアは身に覚えのないスキルにほんの少し心を動揺させながら、ステータス欄の≪カリスマ≫の詳細を表示させる。




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≪カリスマ≫1


人の注目を引き付け、大勢の人間に支持されるようになる。自身の仲間、影響下にある人間に対して、士気や身体能力をあげる事が可能。

(レベルに比例して、効果向上)


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「ツェーンやないかぁぁぁ!!!」



「…!?ど、どうしたんだ!?……」



ライアは≪カリスマ≫のスキルの詳細を見て、瞬時にツェーンの行動によって取得したスキルだと理解し、何故かエセ関西弁でツッコミを入れてしまう。



いきなりの叫びに、ライアの方を向いていたパテルは肩をビクつかせて驚き、何があったのかと声をかけて来る。



「あ、ごめんパテル……ちょっと予想外な事があっただけだから」



「……何処か具合が悪いとかでは無いんだな…?」



パテルはライアの事を心配してか、そう声をかけて来るが「大丈夫大丈夫」と笑顔でそう伝えれば、安心して納得してくれた。



(……しかし、まさかツェーンの行動でスキルが取得できるとは……この≪カリスマ≫も≪索敵≫と同じで、スキルの併用でも取得が出来るスキルって事なんだろうね…)



本来分身体が何かスキルを取得するというのは今までの実験で出来ないという答えは出ているのだが≪索敵≫のようなスキルの取得方法に関しては“ライア自身がスキルを使って、何かを行っている”という解釈なのか、分身体の行動でもスキルが取得できる。



つまりはこの≪カリスマ≫の取得条件というのが、ライア自身がスキル(分身体)を使って、大衆の心をつかんだ……みたいな事なのだと思う。



実際には≪カリスマ≫の取得方法はわかってはいないので確証はないのだが、ライアの考えはそれほど外れてはいないだろうと予想する。



「なるほどねぇ……この仲間の士気や身体能力をあげる事が可能ってのは何かバフみたいなものかな?」



「……なにか気になる事でもあったのか……?」



ライアはつい、スキルの詳細部分で気になった所を口に出してしまうと、それがパテルの耳に届き、そう質問をしてくる。



「うぅ~ん……気になる事は気になるんだけど……ねぇパテル、少しだけスキルの確認をしたいからちょっと実験してみていい?」



今現在近くにスキル関連を気軽に相談できるパテルもいるのだし、少しだけスキルの確認を手伝って貰おうとお願いする。




「……構わないが、俺は何をすればいい…?」



「特に何かをしてほしいんじゃなくて、自分の中で何か変化があったら教えて欲しいんだ」



「……なるほど…わかった」



≪カリスマ≫の詳細文的には、何か魔力を使用するといった感じでは無いし、何か応援や何かの作戦で指示出しをすれば、効果があるのだと予想し、ひとまずライアはパテルの事を応援してみることにする。




「パテルー!頑張れー!負けるなぁ!」



「………」



いざパテルを応援と言っても、何に対して応援をするのかもわからなかったので、それらしい声援をパテルに送るが、特に変化があるようには見えず、黙りこくったままだった。




「………何も変わんない?」



「………た、多分?…」




何やらはっきりとしない態度のパテルだったが、効果は出ていないようなので、やり方や気持ちが入っていないといけないのかとライアは思考する。




「むむむぅ……パテルはすごいよ!とっても頼りがいがあるし、めっちゃいい人!パテルぅー!ばんざーい!」



「……………ッ……」




今度は気持ちも込め、パテルの気持ちが上がるように褒めながら声援を送ると、パテルは何やら変化があったのか、ライアの視線から逃れるように少し顔を背けて、胸に手を当てている。



「どうだった?何か変化あった?」



「………変化……あったと……思うが………うん……」



「本当?そっか…気持ちを込めないと発動しないのかな…?使う時は気を付けなきゃね」



パテルはライアから少し赤くなった顔を背けながら、何やら絞り出すようにそう言葉を紡ぐが、実験が成功した事で頭を回しているライアは特に気付くことは無かった。




「………使う時……出来るなら、あまり犠牲が出ないように人が少ない時にした方が良いと思うぞ……」



「へ…?これって人が多い時の方が使い時だと思うけど……」




パテルの注意喚起のような呟きにライアはよく理解ができずに、そう返事を返すのであった。













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