王都アンファング








―――ライアSide




ライア達が輸送隊の馬車に乗り込んで、リールトンの街を出発してから、1か月程が経った。



この1か月間は1日おきでアイリスの人形になっていた以外はスキルなどの訓練を順調に進めることが出来て、満足のいく結果を出していた。



「やっと明日には着くんだね…」



「そうですわね!明日には王都の屋敷に着いて、ドレスなんかを着飾れますわよ!楽しみですわね!!」



「アハハハ」



王都に着くのが明日に迫る中、今日はアイリスのお守りの日であった為、爪を磨かれながら明日の事を話すアイリスのに愛想笑いを送る。



「ライア様も随分とアイリスお嬢様に慣れましたね…その諦めた表情…実に良いですね」



「ちょっとルル!そんな風に言ったらライア様はわたくしに呆れているみたいではありませんの!!」



アイリスとメイドの漫才を横目にライアは成長したステータスを確認しようとステータスカードを確認する。








^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



 名前:ライア


 年齢:15

レベル:50

 種族:人間

クラス:錬金術師


 体力:16000/16000

 魔力:35000/35000


攻撃力:87

防御力:57

素早さ:105

知識力:119

器用さ:291


スキル


≪分体≫25

≪経験回収≫25

≪家事≫17

≪格闘技≫25

≪潜伏≫21

≪分割思考≫11 〈↑1UP〉

≪剣術≫13

≪ステップ≫20

≪農業≫18

≪解体≫10

≪細工≫6

≪変装≫21

≪裁縫≫10

≪自己回復≫11 〈↑1UP〉

≪索敵≫18

≪魔力操作≫22

≪変声≫18

≪槍術≫13

≪投擲≫10

≪状態異常耐性≫7

≪礼儀作法≫6

≪錬金術≫8   〈↑1UP〉

≪速読≫1    〈new〉



称号






討伐歴【▽全表記】


ゴブリン    【48445】

オーク     【5125】

ツインハンドベア【344】 

オーガ     【91】

ワイバーン   【12】

モーム     【521】

ビックバット  【356】

バイパー    【302】

ゴーレム    【413】

ブラックウルフ 【569】

レッドドラゴン 【1】



登録者【▽新規】


アイリス・リールトン




※実際には〈1UP〉←これは見えていません。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^






御覧の通り、スキルレベルも色々とあげられ、取得を目指していた≪速読≫もちゃんと取れたのである。



(馬車の中でよくあれだけ頑張れたもんだね…)



馬車の中でやれることに制限がある中≪自己回復≫と≪錬金術≫のレベルをあげることが出来たのは大変うれしかった。



分身体達に適当な素材と魔石の改変やら魔力の抜き出しやらをさせて経験値を取得し、その経験を回収してレベルを上げた。



…≪自己回復≫に関しては減った魔力の回復などで経験が溜まったようだったので助かった。(決して、馬車の中で自傷行為をさせたわけではない…)




(…しかも、最近ずっと上がってなかった≪分割思考≫も上がったしな……幻属性のドロイド魔法を完成させるのに役立つし、良いことづくめだね)



今の所、ヤヤ村にいるゼクス達が偶に森で魔法の練習をさせているが、未だに作り出したドロイドを動かすのに思考を一つ使ってしまうので、このレベルアップは非常に助かった。




(王都に着く前に≪速読≫を取得できたのは良かった…色々ウィスン達には頑張ってもらおうと思ってたしね)



ライアは馬車の窓から遠くに見える、王都の壁を見つめながら企むように笑みを溢す。




「…ライア様…窓の外を憂いの表情で見つめるのも絵になっていてよろしいのですわぁ」



「いえ、お嬢様…あの表情を“憂い”とは言えませんよ?どう見ても悪い事を考えてる裏の顔じゃないですか?」




「…別に憂いも悪い考え事もしてないですよ……」




ライアは疲れた顔をしながらそうツッコミを入れ、早く王都に到着しないかなぁ…と考えるのだった。





「………ふぅぅ……」




…ちなみに、奥で柔軟をしているパテルは≪格闘技≫の取得をまだ出来てはいない。









――――――――――

――――――――

――――――








「おぉぉぉ!!」



翌日になり、野営地から出て昨日からすでに見えていた王都に向かって行くとリールトンの街以上の城壁と規模、さらには防衛設備か何かなのか、城壁の上には高台がいくつもあり、武器のような物も見える。



ライアは王都の大きさや設備を見て興奮する。



その外壁の一部にある大きな門に向かって輸送隊が進んでいくと、門が大きな音を立てながら開いて行く。



―――――ゴゴゴゴゴゴ……


「…ここが…“王都アンファング”」




門が開いた先には巨大な街と街の象徴とも言えるような大きな白亜のお城が建っているのが見え、ライア達はその光景に驚く。



「…えぇ…デカすぎ……絶対掃除とか大変そう…」



街の中心に建っているお城を見て、この感想は中々に変なのかもしれないが、前世でインターネットなどでも見た事が無いほど大きなお城だったので、そうも言いたくなる。




「……あれは…家…なのか?…大家族だったとしても住めないだろう…?」




ライアの呟きにパテルも少しずれた解釈をしたのか、そう言ってくる。




「あれは色々な人が掃除やら家事やらを担当して、えらーい人たちを世話するための家なんだよ」




「……そうなのか…」



ライアもこの国の王族の生活などは良くはわかっていないが、あれほど大きなお城に住んでいるのだから、それほど間違ってはいないだろうとパテルにそう伝える。





そんな話をしていると王都の街を進んでいた輸送隊の馬車が、お城と比べれば小さいがそれでも大きいと言える屋敷の敷地に入って行き、屋敷の前の玄関で馬車が止まる。





「…ここが目的地なのかな?」



王都に着いてどこに行くなどの話は聞いてはおらず、宿泊先もアイゼルが用意しているとしか聞いていなかったが、ここがそうなのかな?と予想する。





――――コンコンコン


「ライア殿、リールトン伯爵様がお呼びですので来ていただけますか?」




「あ、はぁーい!…よし、行こうか」




ライアは馬車の外から声をかけてきた騎士に返事を返し、気合を入れてからアイゼルの所に向かう。










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