改革、帰省のヤヤ村
ライアたちはラーム村を出た後は2つほどの村を経由して、次の村まで4時間ほどの位置で野営を済ませ、行商2日目に入っていた。
「盗賊も出ないし、平和な物ですね?」
「基本盗賊なんて、ここらの街道だと出ない物ですよ?実際、この間出会ってからは遭遇していませんし」
ライアたちは、先ほど、行商に行く最後の村に着き、出発して、後はヤヤ村に向かうだけとなったので、世間話をしながらヤヤ村に向かって行く。
「ライアちゃんは村にはどれくらいいる予定なんだい?」
「かぁさんがあと2か月くらいで生まれる予定とは聞いているので、生まれてから様子見をして、3か月くらいですかね?」
実はかぁさんの出産予定日はまだ2か月先で、時間に余裕はある。
かぁさんに付いてあげれるという理由があったんだが、少し森にも用事があったりするので、今回は早めの帰省だ。
「なら、その時はまた護衛を頼むよ」
「こちらも助かります!」
そんな話をしていたら、ヤヤ村の影が見えて来たので、フュンフ達からとぉさん達にもうすぐ着くと伝えておいた。
――――――――――――――
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―――――――――
「ただいm「おかえりなさぁぁい」むぐっ…」
村に着き、身重のかぁさんは家で待ち、とぉさんが迎えに来てくれて、そのまま家に着いたら、いきなりかぁさんに抱き着かれた。
「むぐぐ……かぁさん…お腹に負担が掛かっちゃうから、力いっぱい抱き着かないでー」
「この子もライアを感じられるから喜んでるわよー」
かぁさんは3か月ぶりの本物のライアに少し興奮しているようで、離れる気はないようだ。
(かぁさんの感覚では、分身体の俺は携帯電話のような物だろうか?)
直接じゃなくても話は出来るが、姿が見えていないから寂しい(見えているが…)みたいなものなのだろう。
(俺は久し振りの気はしてないんだけど…あぁでもかぁさんに抱きしめられるのは久々だね)
玄関でかぁさんに抱きしめられながらいろいろと考察していると、扉の向こうでとぉさんが「中に入れてくれ」とあきれた笑顔でそう言ってきた。
「それじゃ改めまして、ただいまかぁさん、とぉさん」
「おかえりなさいライア」
「おかえりライア」
街での事などは分身体を通じて話しているので、特に改まって話す事などは無いが、時間も夕食時で、かぁさんの手料理を味わいながら、行商の時の話や、これから3か月でやる事などを話して、その日は両親と一緒の部屋で寝ることになった。
――――2日後
ライアは、ラルフがリールトンの街に到着したのを確認してから1日睡眠を取り、疲れなどをしっかりと取ったら、行動を開始することにする。
まずは、フュンフとゼクス、ズィーベンの≪経験回収≫だ。
と言っても、基本1人が山の浅瀬で、ゴブリンを数百体とオークを数体だけ倒しただけなので、経験値は期待はしていないが、≪家事≫と≪農業≫、あとは3か月でたまったステータス値の少しの上昇が目的だ。
「≪経験回収≫」
・フュンフ
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経験値
□攻撃力:2
□防御力:僅か
□素早さ:1
□知識力:1
□器用さ:4
□≪家事≫:少々
□≪格闘技≫:適量
□≪投擲≫:僅か
□経験値:211
経験
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ゼクス
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
経験値
□攻撃力:1
□防御力:僅か
□素早さ:僅か
□知識力:僅か
□器用さ:6
□≪農業≫:多量
□≪細工≫:少々
経験
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ズィーベン
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
経験値
□攻撃力:僅か
□防御力:僅か
□素早さ:僅か
□知識力:僅か
□器用さ:5
□≪家事≫:多量
□≪変装≫:多量
□≪変声≫:多量
□≪裁縫≫:適量
□≪細工≫:僅か
経験
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
フュンフがおにぃちゃん用で、今は暇なので、山に行って魔物狩りやらをしていて、ゼクスが主に畑で農業の手伝いだ。
ズィーベンは家にいる唯一の女形なのだが、スキル経験値が一人だけめちゃくちゃ多い。
家ではかぁさんと一緒に化粧やら姿勢やらを教えられつつ、順調に女性のしぐさを学んでいっているので、このような感じになっている。
「……まぁ予想通りだし…いっか…回収!」
ライアは3人分の経験値を回収し、再び3人に≪経験回収≫を施してから、新たに分身体を10人生み出していく。
「……よし、しばらく森の奥に行ってなかったし、10人で一気に狩りまくろうかな!」
ライアは今回の帰省でやろうとしていた事は
1つは、幻属性の幻魔法を使えるように練習と使えるのかの確認
2つ目は、森の奥の魔物を倒し、村に肉などを落としつつ、魔石拾い
そして最後の3つ目に今までラルフにも、冒険者ギルドでも言っていなかった事なのだが、ステータスカードの討伐記録の中にある“ワイバーン”の事だ。
実は冒険者ギルドでステータスを確認する際に、魔物の討伐記録はギルドの機会で見れるのだが、ワイバーンの項目を見て、セルスさんに驚かれていた。
―――回想…
『あれ?ライアさん、ワイバーンも倒した事があるんですか!?』
『え?あ、はい前に一度だけ
『ワイバーンに
それにワイバーンから取れる魔石は、非常に高値で取引される高級品なので、一山儲けようとワイバーン討伐を目標にしている冒険者も結構いるんですよ?』
『え、あぁそうなんですか…(あれ?これ、12匹倒したって言ったらまずいっぽいね…)』
『ちなみにそのワイバーンはどうやって討伐されたんですか?』
『………タマタマ一緒に居た、冒険者さんと一緒に倒しマシタ…お金は貰って、素材はアゲチャイマシタ』
――――回想終了……
…という事があったのだが、実はワイバーンを狩ったのは13歳の頃で、たまたま森の奥にある渓谷に住み着いているワイバーンを見つけて討伐していた為“討伐歴【▽月間】”で0表記だったわけだ。
で、そのワイバーンはどうしたかというと…
「13歳がワイバーン討伐した―なんて言ったらダメかと思って、渓谷に魔石全部を隠しておいてるんだよねぇ…」
当時のライアは17.8歳くらいになったら売っても驚かれないだろう。
とか思っていたのだがセルスの反応を聞き、売却するのはダメだなと思った訳だ。
ではなぜ、いま回収に動いているかと言えば、実はリネットに売ることにした。
リネットには≪錬金術≫を教わる過程で、話しているうちに色々と話したら、「ワイバーンの魔石が欲しい」と話題に出たので、その時に事情を話し、村に行った時は持ってくると約束をしていた。
3日前のあの日の最後に交わした話であった、謎の“例の物”というがワイバーンの魔石である。
「さすがに俺も大騒ぎを起こして、変に目だったりするのは気持ち悪いし…リネットさんにはホント助かったな…」
そんなことを回想しながら、10人の分身体で森の奥へ向かわせていると、ワイバーンと遭遇した渓谷が見えてくる。
「…あれ?…もしかして……誰かいる?…」
分身体から感じられる≪索敵≫で、こんな魔物たちがうようよしている森の奥で、人間を感知する。
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