始動のダンジョン6
スポットを見つけて、アインス達が戦闘に入ってからは、アインス、ドライ、フィーアの3人でブラックウルフの群れを狩っていた。
――――ズパン!!
「…ふぅ…中々に多かったが」
「「これで、終わりだよ!!」」
――――ザクッ!ズパ!!
「ぎゃうん!!……」
アインス達はブラックウルフの群れをすべて倒しきり、残るはツヴァイが相手をしているゴーレムたちだが。
「でりゃぁぁぁ!」
―――ドゴォォン!
「……」
「シャー!あとはアイアンゴーレムのみ!」
ツヴァイの方も通常のゴーレムを倒しきり、残りのアイアンゴーレム3体を見据える。
「まずは素手で!」
ダッ!!!
ツヴァイはアイアンゴーレムに向け走り出すと、アイアンゴーレムもツヴァイに遊撃しようと動き出す。
「ぜりゃぁぁ!!」
―――がぎぃぃぃん!!!
「硬ったぁぁ!!」
アイアンゴーレムの胴体を真正面から殴ってみるが、さすがに砕けはせず、表面をへこませるに終わる。
「……!!!」
―――ぶぅぅん!!
「げっ!…がふっ!!!」
どごん!!!
ツヴァイはアイアンゴーレムの胴体を殴る為に、跳躍していて、空中に居たため、そのまま殴り飛ばされてしまう。
「「「ツヴァイ〈君〉!!!!」」」
ゼル達はまともに攻撃を受ける所を見た事が無かったので、声をあげてしまう。
「大丈夫です!少し、怪我をしたので休みますが、消えてしまうほどではないですよー!」
「お、おう、そうだった、分身体だったな…」
ゼル達の一番近くにいたドライがツヴァイの代わりに状態を教えてくれる。
「んー≪格闘技≫でも倒せるだろうけど、少し時間が掛かりそうだね…」
アインスは、ツヴァイの付けた胴体のへこみを見ながら、そう分析する。
「剣や槍も先に武器が壊れてしまうね…なら!」
アインスは現状を確認してから、剣を鞘に仕舞う。
―――ドスン…ドスン…
「…」
「アインス君!倒せそうかい?」
アイアンゴーレムたちはアインス達に向かって歩いてきており、ゼルは心配をしてしまう。
「はい、大丈夫です…“アース…クエイク”!!!」
―――ガラガラ!!!
「…!?」
どすぅぅん!!
ライアの考えた、地割れを起こす“アースクエイク”を発動させると、アイアンゴーレムたちは地割れに足を取られ、倒れこむ。
「……!??」
アイアンゴーレムたちはアインス達3人が次なる魔法を発生させようとしているのを感知でもしたのか、体を守るように両腕を交差させ、防御の構えを取る。
「「「これは鋼鉄でも切れるって前に学んだんでね!!“ウォーターブレイザー”ァァァ!!!」」」
――――ズッバァァン!!!!!
アインス、ドライ、フィーアから、3本の一閃が、幻のように一瞬にしてゴーレムたちの体を通過してしまった鋭い刃。
ゼル達の耳にはゴーレムの体を何かが通り過ぎたと思ったら“ズバン”と音が遅れてきたかのように感じるほどの威力。
…ズル……どすぅぅん!…
「あぁ…やっぱりこれは威力が強すぎるかな?…ダンジョンの壁までかなり食い込んじゃってる…」
「えぇぇ!?」
アイアンゴーレムたちは、動かなくなったと思ったら、胴体の核の部分からすっぱりと切断されており、そのまま崩れ落ちる。
そんなゴーレムたちを見ながら、アインスは自身の使った魔法の威力を確認しており、ゼル達は驚愕の表情で、固まってしまう。
「…魔法も強い…とかじゃないね…魔法は桁外れだ…ははは」
「「うんうん」」
ゼルは少しして、アインス達の魔法をそう評するが、他の2人もその評価に納得なのか、何度も頭を振る。
「…あ、ゼルさーん!ミスリルの取り方ってどうするんですか?」
アインスは、そんなゼル達の反応に気づかずに、スポットの中心である、虹色に光っている銀色の鉱石“ミスリル”を発見し、ゼルに取り方を尋ねる。
「…え、あぁ…特に決まりはないが、根元の石から根こそぎ取れば、すべてをちゃんと取れるはずだ!…俺達も解体と採取を手伝いに行こうか…」
「了解っす」「ええ、そうね」
ゼル達はアインス達の手伝いに向かう為に、戦闘跡地に向かって、歩いて行く。
「おぉぉ…こりゃデカいな…これだけデカいなら、あのスポットの規模も納得だな」
ゼル達が集まって来て、先に魔物が来る前にミスリルを取ろうという話になったのだが、近くで見たら、40センチほどもあるミスリル塊があり、ゼル達も驚く。
「これを王都のオークションとかに売れば、金貨何枚になるんだ??」
「そんなに高価な物なんですか?」
「ミスリルは剣に加工すれば、刃こぼれをすることもまず無いが、何より切れ味と、軽いのに、強力な武器になるし、防具や魔道具の部品なんかにも使える、最高品だな」
ほほぅ魔道具にも使える最高品質素材とな…
何ともタイムリーにライアは今、リネットに≪錬金術≫の勉強をしている真っただ中で、少しでも確保できるなら欲しい気もする。
「ホントですか?…ゼルさん達に1つ相談なんですけど、いいですか?」
「ん?どうした?」
さすがに、都合がよすぎる願いなので、言うのに少し戸惑ってしまうが、ダメならダメと、きちんとゼル達は言ってくれるだろうと思い、話す。
「実は今≪錬金術≫を取る予定で動いていて…
もしよかったらでいいので、ミスリルを少しだけ分けてもらう事ってできませんか?お金は金貨とかは持っていないのですけど、払えるところまでは払いますので!」
「いやいやいや、なんで俺たちがこのミスリルの所有権があると思っているんだ!?
これ全て、アインス達の物だぞ?」
「なんでですか?ダンジョンの成果はゼルさん達の物ですよ?」
アインスはゼルがすべて、こちらにくれるというが、さすがにダンジョンの中に入る前にした約束は守らないといけないだろうと考え、そう答える。
「…?いや、ダンジョンで得た、魔物の素材を貰うという話だろ?ミスリルは魔物の素材ではないぞ?」
「あ…そっか…」
ライアは勘違いしていたが、魔物の素材と魔石を譲るという話をしていた為、今回のミスリルは適用外なのに気が付いた。
「それに、元々、ライアちゃんが魔物を沢山倒させてもらうからって、無理矢理そう提案したんじゃない、私たちは今からでも、魔石なんかはアインス達に渡してもいいわよ?」
「そうっすね!元々がライアちゃんのダンジョンデビューを手伝うのが目的だったんっす!むしろ第4層がどんな感じか見せてくれただけでも、こっちは黒字っすよ!」
「いやいや!わかりましたから!魔石などはゼルさん達が貰ってください!それは最初の通りで!」
ミリアナもタリスもそう言って、アインス達にミスリル以外の魔石などの分け前も渡されそうになったので、急いで断り、ミスリルを貰う事にする。
「…すいません、ありがとうございます…」
「「「あはは(ふふふ)」」」
アインスの照れながらも、子供っぽい反応にゼル達はおかしそうに笑ってしまう。
「…しかし、ミスリルが大きすぎるな…これじゃぁこれを持って帰るだけで精一杯だな…」
「そうですね…」
ミスリルは高さ40センチ、横20センチほどの大きな鉱石であり、いくら軽い方だとしてもリュックに入るわけでもないので、ミスリルを持って帰るだけで精一杯である。
「…今回は俺たちの荷物もかなり、魔石と素材が集まってるからな、一度拠点に戻ったら、今回のダンジョン攻略は終わりにして、街まで戻るか」
「「「了解〈です〉」」」
そうして、ゼル達のダンジョン攻略は終わる為、第3層の仮拠点に向かって歩いて行く。
――――――――――――――――――――――――
現在の主人公のステータスカード(※経験未回収)
――――――――――――――――――――――――
名前:ライア
年齢:15
レベル:49
種族:人間
クラス:村人
体力:15000/15000
魔力:32000/32000
攻撃力:79
防御力:52
素早さ:97
知識力:102
器用さ:243
スキル
≪分体≫21
≪経験回収≫21
≪家事≫15
≪格闘技≫22
≪潜伏≫16
≪分割思考≫8
≪剣術≫10
≪ステップ≫15
≪農業≫17
≪解体≫9
≪細工≫5
≪変装≫16
≪裁縫≫8
≪自己回復≫6
≪索敵≫12
≪魔力操作≫14
≪変声≫10
≪槍術≫7
≪投擲≫9
≪状態異常耐性≫1
称号
討伐歴【▽累計】
ゴブリン 【42106】
オーク 【3620】
ツインハンドベア【214】
オーガ 【21】
ワイバーン 【12】
登録者【▽全表示】
シュリア・アンデルセン
セルス
ミリー
カズオ
ネリヤ
ゼル
ミリアナ
タリス
リネット・リールトン
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます