~始動の章~
始動の朝 ※
今日は、ライアの15歳の誕生日、ライアの家では誕生日を祝って、喜びの声や、祝いの声を掛けてくれるとぉさんとかぁさんが居る
「んぅー……ホントに、ライアは行っちゃうの??」
…訳でもなかった。
「ごめんね、かぁさん?ここら辺の魔物は、ほとんど苦も無く倒せちゃうし、俺は他の街とかも見てみたいし…」
「まぁライアの気持ちも、とぉさんはわかるし、応援はするぞ?…かぁさんもライアが心配で言ってるんだからな」
とぉさんとかぁさんに、大きい街に行って、冒険者をしてみたいと話をすると、とぉさんはライアの気持ちもわかると納得をしてくれて、かぁさんはとても嫌そうにしてはいるが、おそらく最終的には認めてくれるだろう。
「うん、わかってるよ!…3年前からずっと話してたし、かぁさんの気持ちはちゃんとわかってるつもりだしね」
そう、実は冒険者になるという話はずっと前から話されていて、むしろ半年前くらいまではとぉさんもかぁさんも完全に否定派だった。
それもそうである。元々、≪分体≫のスキルで安全に生活が出来て、ずっと家にいながら自立?が出来ることができるのだ。
それに15歳になったライアは男の恰好をしていても、ボーイッシュな美少女に見えなくもない。
かぁさんもとぉさんも、ライアが他の男に狙われるのではないかと、より過保護になったわけだ(男なのだが…)
そんな両親をどうやって、説得したかというとだが…
「ライアも立派なおにぃちゃんになって、下の子に色々教えてあげたいって言ってるんだ…こんな良いおにぃちゃんは居ないな!!」
「うん…そう思ってくれるのは嬉しいけれど、ライアの安全も絶対じゃないと嫌なんだからね?」
実は私めに、ご兄弟が出来ました。
…と言っても、まだ生まれていないので、弟か妹かもわからないのだけど。
「それに分身体も3体置いて行くんだから、何かあったらすぐわかるでしょ?」
「…うん…かぁさんも息子のしたいことは応援したいもの………気を付けるのよ?」
これも両親の説得に必要だったんだが“ライアが居なくなると寂しい”という理由もあって、出せる分身体のうち3体を家に居させることになった。
ちなみに、家の手伝いに1人、畑仕事と森への山菜取りに1人、新しく生まれてくる子の為の、おにぃちゃん用に1人だ。
(前世では一人っ子だったし…寂しい思いはさせたくないし)
ライアも新たな兄弟を楽しみにしていたりする。
「それじゃぁ明後日の商人さんが来る日に、商人さんの馬車で街まで行くね!」
ライア自身は分身体の視点で、ヤヤ村のことが常にわかるので、気分的にはそんなに別れを感じてはいない為、知り合いに挨拶をする気もなかった。
(むしろライア本体と話した事がある人って村長くらいじゃないかな?)
ライアが生まれて、15年経つわけだが、ライアに友人と呼べるものはいないし、作ろうとした事も無い。
(……村長くらいには挨拶しとこうかな?色々お世話になったし…)
と、一応ライア本体がお世話になった村長にだけ会いに行こうと思い立つ。
「ちょっと村長の所に行って挨拶してくる!」
「おう、行ってらっしゃい!」
「はぁ…今日明日はライアを抱きしめながら、寝なきゃね…」
何か、かぁさんはブツブツ言って、聞こえなかったのか返事はなかったが、“今はダメだ”と感じ、すぐさま村長の家に向かう。
「いやぁよく来たね?」
「すいません、お茶まで」
村長の家に着くと、村長はそのまま、いつものリビングまで通してくれて、お茶まで出してくれる。
「さて、ステータスカードを…」
「あ、いえ…今日はそんなつもりじゃなくて…」
基本、村長の家に行くときは、スキルを教えてもらう時か、ステータスカードを借りる時なのだが、スキルに関しては、もう村長の知っているのはないと、しばらく前に打ち止めになっていた。
その為、村長はステータスカードだと思い、こちらに渡してくる。
「む?そうか、別件だったか…だが持ってきてしまったし、最後に見てから3か月は経っているんだ。
一応見ておいたらどうだい?」
「あぁ…すいません、ありがたく使わせていただきますね?」
実はというと、街に出かける前にステータスの確認はしておきたかったので、村長からステータスカードを借りて、鑑定してみる。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
名前:ライア
年齢:15
レベル:49
種族:人間
クラス:村人
体力:15000/15000
魔力:32000/32000
攻撃力:79
防御力:52
素早さ:97
知識力:102
器用さ:243
スキル
≪分体≫21
≪経験回収≫21
≪家事≫15
≪格闘技≫22
≪潜伏≫16
≪分割思考≫8
≪剣術≫10
≪ステップ≫15
≪農業≫17
≪解体≫9
≪細工≫5
≪変装≫16
≪裁縫≫8
≪自己回復≫6
≪索敵≫12
≪魔力操作≫14
≪変声≫10
≪槍術≫7
≪投擲≫9
≪状態異常耐性≫1
称号
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
この数年で増えたのは、≪変声≫、≪槍術≫、≪投擲≫、≪状態異常耐性≫の4つだけだ。
…ただ他のスキルは、≪分体≫と≪経験回収≫で軒並みレベルを上げることが出来ている。
新たに取得するのは、自分自身が経験を積まなければいけないが、一度取得できたスキルのレベルは分身体で効率よく、上げれるため、このような感じになっている。
…ちなみにだが、新しく覚えた4つのスキルのうち、≪状態異常耐性≫のレベルが低い理由だが…
実はレベルを上げる為には毒草や、芽の出たジャガイモなどを食べて毒状態にならなければ、経験値が貰えないのだ。
そして、スキル取得は分身体が食べても死なず、≪自己回復≫で治癒できる程度の物を口にして、何とか取得したものの、その後に、分身体が毒草を食べているところを、とぉさんに見つかり、全面的に≪状態異常耐性≫のレベル上げは禁止にされている。
(まぁ街に出たら、レベルは上げといた方が良いだろうし、ちょっとずつ上げていく予定ではあるが…)
ステータスの詳細を確認して、ステータスカードを村長に返す。
「…はい、自分のレベルもこの間から、変わってませんし、スキルが増えている訳でもないですね」
「そうかい…それで、今日はステータスカードじゃなかったら、何だったんだ?」
村長に本題を聞かれたので、ライア自身が街にいく事や、新しく兄弟が出来る事、分身体は残していく事などを話しておく。
「そうか…ならライアがここにステータスカードを借りに来るのはなさそうだね?冒険者ギルドに登録するんだろう?」
「そうですね、お金もあるんで自分専用のステータスカードを取ると思います」
そう、ライアは何より冒険者になって、ステータスを常に確認できるようになっておきたかった。
一応、村長にお願いすれば、
「ちゃんと貯金もあるなら、こちらからはいう事はないな…いつ出るんだい?」
「明後日の商人さんが来る時に、一緒に街まで乗せてってもらおうかと」
ここに来る商人は6年前から、ずっと変わらず、ラルフさんという商人で、顔見知りでもある。(魔石の売買で)
「前から街に行くときは乗せてって約束は取っていたので!」
「そうか…あまり心配はいらないと思うが、沢山楽しんで来ないさいな?」
「…はい!」
それからライアは家に戻り、夕食を済ませてから、5年半使わせてもらっていた、自分の部屋の片付けを済ませ、明後日を楽しみにしながら就寝しようとする。
―――ガチャ…
「ライア―…あと2日だけでもかぁさん達と一緒に寝てくれるわよね??」
「…………はい…寝ます」
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