15
◇
「人嫌いの人気者と、赤い糸で結ばれてるのか」
昼休みでの出来事を思い浮かべて、深く溜息を吐く。
放課後とは思えない明るい光が、教室内を明るく照らしていたけど、俺の心が晴れることはなかった。
「自分だけでなんとかするって言ったけど、絶望的だよなあ」
一体どうすれば赤い糸が消えるのか、見当もつかない。
小指に繋がれた、ゆらゆらと揺れる赤い糸を眺めながら深くため息を吐く。
「俺が魔法使いだったらなあ」
赤い糸が見えるだけでも十分ファンタジー物だ。
ついでに、それぐらいのオプションがついていても良いと思うんだけど。
「ファイアー! ウォーター!」
一生懸命手を振ってみても、ただただ赤い糸が揺れるだけで一向に炎も水も出る気配はない。
「……くそ。凡人かあ」
深く溜息を吐いて、再び固い机へと額をつける。
そのまま視線を横にずらして、小指に繋がれた赤い糸に消えろと念じながら、ジッと見つめた。
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