第161話 混沌の鎮圧
信じられないモノを見る目でマリナは姉妹機であり己の姉であるサリアを見る。
輸送機の壁に凭れ掛かり失意の底に沈んでいる姉の姿から今回の騒動は大きなショックであったのは一目で分かる。
だとしてもどの様な心境の変化があっての言葉なのかマリナには見当が付かず、それは他のナンバーズも同じであった。
『ノヴァ様の探索を諦める、姉さんは自分が何を言っているのか分かっていますか!?』
『サリア、我々の中で一番必死になってノヴァ様を探していたのは貴方です。どういった心境の変化なのですか?』
『そうですよ! 一体何を言っているのですか、2nd!』
マリナが、デイヴが、そして急遽会話に割り込んで来た五号がサリアを問い詰める。
それ程までにサリアが口にした言葉はアンドロイド達にとって衝撃的であり聴覚ユニットや通信機の不調を疑う程であった。
『私としてもノヴァ様を見つけたい、探したい気持ちに変わりはありません』
スクラップから救われ、復讐を肯定され、妹を救われ、そして傍に仕えて苦楽を共にしたサリアにとってノヴァは掛け替えのない存在であり、今やノヴァに仕える事は自らの存在意義と言っても過言ではない。
それ程の思いを、執着をサリアはノヴァに対して抱いている。
『ですが……、ですが私は、ルナリアの、あの子の母親です』
それでも今のサリアには守り育てる一人の娘が、ルナリアがいる。
ノヴァと同じくらいに掛け替えのない大切な存在がいるのだ。
それが血の繋がっていない、仮初の関係であったとしても彼女は母親なのだ。
『ルナリアの母親だと言うのなら何故捜索を諦めるのですか! 父と娘を再開させるために今以上のリソースを投入して探すべきでしょう!! それを2nd、貴方は放棄するのですか!!』
『五号、一旦落ち着きなさい。先ずはサリアの話を聞きましょう』
『私からもお願いします。先ずは姉さんの話を聞きましょう』
『私は落ち着ています。サリア、納得のいく理由を聞かせて下さい!!』
何故、何故、何故、何故と冷静に話を聞いていたデイヴ、マリナと対照的に五号はサリアを問い詰めた。
幸いにも五号は実体を持たず本拠地のサーバーにいる状態であったからこそ激しい質問攻めで済んでいた。
もし仮にデイヴ達の様にアンドロイドとしての実体を持っていれば五号は躊躇いなくサリアに掴みかかっていただろう。
それ程までにサリアと五号の中は険悪になりつつあった。
『ルナリアを泣かせてしまいました』
『サリア?』
『姉さん?』
『……なんですか、それは、それだけで?』
サリアが語った理由は単純であった。
単純であったからこそ五号は事前に様々な状況を想定して備えていたしていた幾通りもの反論は空振りに終わった。
そして単純過ぎた故にサリアの言葉を聞いていたマリナもデイヴもサリアが何を伝えたいのか理解しきれないでいた。
だがサリアの話はまだ続いていた。
『泣いていました。いえ、私達があの子を泣かせたのです。今度こそノヴァ様が見つかると確証が無い状況で希望を持たせてしまった。それどころか我々アンドロイドに敵意を持つ組織との会合に一瞬とはいえ矢面に立たせてしまった。まだ幼く、親に甘え大切にされるべき子供に容赦の無い敵意を浴びさせてしまった。既にルナリアは限界に近付いていたのに私は私の願いを優先してあの子を疎かにしてしまったのです』
ノヴァを騙った人間の自爆を一番に察知したのはサリアであった。
誰にも予想が出来なかった自爆の威力自体はアンドロイドにとっては致命的なものでは無かったが人間であるルナリアは違う。
だがサリアが即座に守る様に覆い被さった事でルナリアは怪我をする事も無かった。
だが本当の問題は自爆が収まった後に待っていた。
『ルナリアは混乱の極致でした。ですが仕方ありません、まだ幼い子供なのですから。しかしノヴァ様を騙った偽物が自爆した余波で会場が混乱、私も全ての状況を把握している訳ではなく混乱するルナリアを落ち着かせようと必死でした』
──ママ、ママ! 一体何が起こったの!?
サリアの腕の中で涙声のルナリアが叫ぶ。
突然の凶行からルナリアを守れたとはいえ会議室にいるのはアンドロイドだけではない。
誰もが自爆による被害を受け会議室の中は幾つもの悲鳴と怒声が響き恐怖と狂乱の最中にあった。
だからこそ、あの言葉は会議室に届いてしまったのだろう
『そして、その直後にあの言葉が響き渡りました』
──人間じゃない! コイツは、議長はアンドロイドだ!
その声はサリアの説明を聞いていたルナリアと会場にいる人々の視線を一瞬で集めた。
人々の視線の先にいたのは銃を構えた一人の男であり< Establish and protect order >の代表に付き従っていた男。
その男が血走った目で会議室の床に銃を突き付けていた。
混乱の最中にいる人々は男が一体何をしているのか理解出来なかった。
だが< Establish and protect order >に所属する男達が一人、また一人と集まり瓦礫が積もった床から人を──人の形をしていたモノを、議長の死体を引き摺り出す。
議長の身体は胴体から上半身と下半身に分断されていた。
会議室に集った誰もが一目見れば即死だと理解するしかない程の大怪我。
その損傷した身体を見せ付ける< Establish and protect order >の所業に会議室に集った人々は非難の声を上げようとした。
だが彼らの発した言葉と掲げられた議長の死体を見てしまった事で声を失った。
──これは、一体、議長が、なんで……。
会議室にいた誰かが口を開く、だがその声音は誰にも分かる程に震えていた。
< Establish and protect order >によって掲げられた議長の死体。
その身体から覗くのは白い骨ではなく金属質のフレーム、流れるのは赤い血ではなく真っ黒な機械油、下半身と繋がっていたコードが千切れ短絡を起こして火花が散らせている。
それは人間の物ではなかった、血と肉ではなく金属と油で作られていた。
何より爆発の熱によって市長の顔は縮れ、その下に隠されていた出来の悪い玩具の様な金属製の頭部が露になっていた。
──議長が、これは一体……。
──一体何時から、何時から議長はアンドロイドに!?
──それでは会議そのものが……。
疑いが不信を、怯えが敵意を、恐怖が明確な敵を求め始める。
会議室の中にいる代表者達の中には議長と会話をした事がある人もいた。
だからこそ会議室に集った誰もが議長の正体を、中身を信じられなかった。
そして全ての前提が、誰もが当然であると信じていたものが覆される。
議長は人間ではなくアンドロイドだった、だが他にもいるのではないか?
一度疑い始めたら止まらない負のスパイラルが回り始める。
会議室にいる誰もが隣人の正体を疑い始め──
──その場に跪け、アンドロイド共!
『あの男の一言で会場にあった全て敵意が我々に向けられた。ルナリアは向けられる視線の意味を最初は理解出来ませんでした。それも仕方がありません。ノヴァ様と出会ってから常にあの子に周りにはアンドロイドがいました。それが当たり前の環境になっていたからです』
会議室にいた< Establish and protect order >の構成員がルナリア達に銃を突き付け、アンドロイド側も身を守るために護衛部隊が銃を突き付ける。
ルナリアはあの時、あの場所で人々がアンドロイドに向ける感情を、憎悪と恐怖をありのまま突き付けられてしまった。
そして一触即発の状況、この場で一発でも銃弾が放たれた瞬間に狭い会議室は戦場と化す事をアンドロイド達は危険視した。
──人間に歯向かうつもりか、アンドロイド!
──誤解です。私達は確かにアンドロイドですが議長の正体がアンドロイドであったなど初めて知りました。重ねて言えば私達と議長は今回が初対面で──。
──黙れ! アンドロイドの言葉なんて信じられるか! もし本当に無実だと言い張るなら武装解除して即座に我々に投降しろ!
──それは余りにも横暴です! 何の根拠があって──。
マリナはこれ以上の事態の悪化を防ぐ為にアンドロイドと< Establish and protect order >の間に立ち人間側に語り掛け、誤解を解こうとした。
──グダグダと言い訳をするな! 抵抗するか降伏するか、どっちだ!!
だがマリナの言葉は彼らに届かなかった。
0か1、敵対するか降伏するか。
< Establish and protect order >は対話を拒絶して両極端な選択肢をアンドロイドに突き付けた。
マリナとしては不必要な敵対は避けたかった。
だがアンドロイド側だけが一方的な武装解除を行うという条件は到底認められない。
状況は正に八方塞がりであり、衝突は秒読みの段階であった。
『既にマリナの交渉で解決可能な段階は過ぎていると判断した私は秘匿通信を介して会場から即座に撤退する事を伝えました。マリナには難色を示されましたがルナリアの安全を考えて押し切りました』
ルナリアの安全を考えれば今すぐ此処から撤退するべきだとサリアは考えた。
通信時には既にサリアはルナリアを背中に庇いつつ何時でも逃走可能な状態であり、後は護衛部隊とタイミングを合わせるだけだった。
だがマリナには限界まで交渉を継続したい理由があった。
それは逃げた瞬間に彼らの言い分が正しかったのだと、この会議がアンドロイドによって全て仕組まれていたのだという荒唐無稽な話が事実として流布されてしまうのを防ぐ為でであった。
『結論から言えば姉さんの判断は正しかった。私は将来の可能性を考えるばかりで人間の思考を読み切れていなかった。武力で拮抗状態を作り出せば理性的に交渉を行うものだと信じていました』
最悪の可能性を考えてしまったマリナは交渉を通して事態を収めようとし──、しかしマリナの努力を座嗤うかのように銃声が響いた。
一発の弾丸、誰が撃ったのか、誰を狙ったのかも分からない一撃。
それが緊迫した状況における最後の一押しとなった
──撃たれた、仲間が撃たれたぞ!
──アンドロイド達が撃った!
──各コミュニティーの代表を誘き寄せる……、会議そのものが仕組まれていたのか!
──そうだ、そうに違いない!
──アンドロイドは敵だ!
──逃がすな! 破壊しろ!
──壊してやる、お前ら一体も残さずに全部ぶっ壊してやる!
『私達は急いで会議室から逃げ出しました。これ以上あの場所に留まっていても、戦って彼らを制圧しても得るものなど何一つありませんから。ですが判断が遅すぎました』
アンドロイド達は人間達の憎悪と銃声が響く中から逃げ出した。
逃走中に追撃を仕掛けられた事もあったが装備と機体性能により迅速に蹴散らし、コミュニティーから脱出してサリア達は輸送ヘリに乗り込み──、そして我慢の限界を迎えたルナリアはサリアの腕の中で泣いた。
──もう、いや、もう嫌だよ、怖いよ、怖いよ、ママ!
──パパはいなかった、此処にいなかった!
──もういない、何処にもパパはいないんだ!
あの時のルナリアの叫びが何度もサリアの中で繰り返し響いている。
今迄頑張って取り繕っていた何もかもが剥がれ落ち文字尾通り幼子の泣いた、泣かせてしまった姿を見て漸くサリアはルナリアが限界を既に迎えていた事を知った。
『私はルナリアに甘え、その小さな肩に余りにも重すぎるものを背負わせたのです。あの子の涙を、言葉を聞いた時に私は何を言えばいいのか分かりませんでした。……ですから私はあの子に幻を見せ続けるのは止めたいのです』
期待して裏切られて、また期待して裏切られる。
そのサイクルをノヴァが消えてしまった時から何度も続けてきたルナリアは限界だった。
だから、もう止めるのだ。
『私は本拠地に着く前に感情の整理を付けます。そして以降はルナリアを守り育てる事に専念します』
『姉さん……』
『サリア、貴方は決めたのですね』
『そんな、でも……』
結論から言えば今回の騒動でアンドロイド達が得た物は何もなかった。
アンドロイド達が見つけたノヴァは偽物だった。
そして口封じの為なのか、それとも最初から偽物を人間爆弾として利用するつもりだったのか分からないまま文字通り吹き飛んでしまった。
大量に注ぎ込んだリソースは全て無駄になり、探索は振出しに戻った。
また地道な調査として活動範囲の拡大とそれに伴う人間との折衝がアンドロイド達に待っているだろう。
『……分かりました。これより我々はルナリア様を中心として活動を再開、彼女が健やかに過ごせる環境の構築に専念します』
『1st、貴方は──!』
『五号、落ち着いてください。私は全面的にノヴァ様の探索を中止するつもりではありません。ルナリアお嬢様の事を最優先事項として優先順位を変えるだけです。探索そのものは継続しますが規模は縮小します』
『私もデイヴに賛成です。今回もそうですか原因となったのはノヴァ様の探索を原因とした際限のない活動範囲の拡大です。これ以上の拡大は無用な摩擦を増やし、何よりアンドロイドに対する敵意を不必要に煽ってしまいます』
『俺も賛成だ。活動範囲の拡大に部隊の増強が追い付いていない。今は装備の性能で問題は起こっていないが綱渡りである事に変わりはない。戦線のこれ以上の拡大は俺にとっても望ましくない』
『3rd、4thもですか! 貴方達は──』
しかし一連のノヴァ捜索作戦に最も精力的に取り組んでいたアンドロイドであるサリアが導き出した一つの答え。
苦悩の果てに辿り着いたサリアの結論はアンドロイド達の方針を変える力があった。
『五号、少し落ち着きなさい。探索そのものは中断しません。規模は縮小しますが継続はします。それで納得して下さい』
『ですが……、分かりました』
五号はこれまで通りのノヴァ捜索を堅持しようと最後まで反対した。
だがナンバーズの過半数が方針変更に賛同してしまってはどうしようもない。
如何に不満があろうとも組織の決定に五号は従うしかなかった。
『それでは目下の差し迫った問題を共有します』
そして方針が変更されたアンドロイド達の動きは迅速であった。
デイヴは現在発生している問題を他のナンバーズに即座に共有し、現時点で判明している情報を全て提示する。
それらの情報を元にアンドロイド達は今後の対応策を練り始める。
『まず今回のセイラメントシティ会議における一連の騒動は仕組まれたものである可能性が非常に高いです。この騒動の目的が何処にあるのかは不明ですが会場で爆発が起こったのと同時に現在確保している複数のエリアで襲撃を受けました。映像解析したところ、構成員は我々が壊滅させた犯罪組織の残党であり生き残りが徒党を組んだものであると判明しました』
『残党による単独犯行ですか?』
『撃退した襲撃者の身柄を調査した限りでは単独犯行としか言えません。ですが大量の人員を組織的に動員した事実と襲撃のタイミングから単独組織の犯行とは考えにくいです』
『協力者がいる可能性が高いのですか?』
『はい、現時点では可能性止まりですが組織的な援助があったものと考えます』
『被害状況は?』
『無人エリアには目もくれずに五号による暫定統治が行われる居住エリアに無差別な攻撃、略奪が行われ住民の一部に重軽症者が出ました。また物資の幾つかが強奪されましたが部隊の損失は皆無です』
『襲撃者の武装は?』
『記録にある様に基本は粗製乱造の小火器ですが大量の重火器が配備されていました。回収したところ新造された訳ではなく骨董品を使用可能な状態に修復した物です。性能は低いですが重火器、その威力は本物です』
『此方でも重火器の入手経路について調査を行いましたが一般には出回っておらず、犯罪組織による闇市場でも入手が困難な代物です。ですが纏まった数の銃火器が取引された形跡は今のところ確認出来ていません』
『であるなら市場を介さない直接取引なのだろう。傭兵部隊として活動中にそのような活動が密かに行われると聞いた事がある。コミュニティー外にいる他の部隊に調査をさせ随時情報を共有する』
『地元協力者による提供された情報の中に密かに活動を増やしていると噂される組織の情報が一件あります。その組織は一般に秘密結社と呼ばれるもので今迄は優先度が低いものとして埋もれていました。ですが残党の活動時期と重なる部分がある事から優先順位を引き上げ、今後は噂話に留まらず多角的な情報取集を奨励させます』
今迄ノヴァの捜索に費やしてきたリソースの配分を変更、現在発生している様々な問題の解決に集中投入を開始。
望む結果を得る為にアンドロイド達は情報を集め、分類し、精査して答えを探す。
今迄の様な砂漠から一粒の砂を捜し出すが如き途方もない作業とは違い、目的と方針を再設定したアンドロイド達の動きは迅速であった。
『秘密結社については今後の継続的な情報収集で正体を探ります。また、この秘密組織について熱心に調査している現地協力者がいるので此方から最大限のサポートを行います』
『秘密結社への対応はそれで十分だろう。問題は今回の襲撃を行った犯罪組織の残党についての対処だ。強奪された物資の信号を辿れば残党の隠れ家を見つけるのは容易い。だが襲撃時の様子からかなりの人数が本拠地には控えている筈だ。当分は居住地の防衛に専念するのか?』
『いいえ、殲滅しかありません』
襲撃者への対応は五号が真っ先に提言を行った。
居住地の統治機構を任されていた五号の戦意は他のナンバーズよりも高く、提言の内容も武力による殲滅と苛烈を極めていた。
『私が統治している住民達の心情からして奴らは憎悪の対象。彼らを人道的に扱う必要性は皆無であり、必要以上のリソースを費やす必要はありません。ですから1st、残党の対処は私に任せて欲しい。奴らは私の管轄領域を犯した代償を即刻支払ってもらいます』
『分かりました、残党の処理は五号に一任します』
『ありがとうございます。それと追加戦力の派遣を申請します。戦力の内訳については此方になります』
『……これは過剰戦力ではありませんか? 残党への対処は駐屯している部隊だけで対応は可能だと推測しますが』
『残党に奥の手が無いとも限りません。何より彼らの処理に必要以上の時間を割きたくないのです』
『……分かりました。追加戦力の派遣を承認します』
『承認を確認しました。では先に失礼しま──』
『待て、五号』
『……4th、私に何か伝えたい事でもあるのですか?』
1stから必要な承認を取った五号は即座に会議から退出しようとした。
だが退出しようとする五号を4thが引き留めた。
『……五号、元軍用アンドロイドとして戦意が高いのは咎めないが重火器の入手経路について情報を吐かせる必要がある。最低限、幹部クラスは生きたまま何人かは確保しろ』
『4th、重火器と言っても所詮は骨董品であり射程、威力、精度、ありとあらゆる要素で劣る兵器の何を恐れろと? そんな兵器の出所を知る必要はないでしょう』
『確かに五号が言っている事は間違っていない。だが奴らが保有する大量の重火器の出所は調査が必要だ。奴らに協力している人間を明らかにするために幹部を数人は確保しておく必要がある。それさえ出来れば後は尋問で情報を吐かせる』
『……分かりました、何人かは生け捕りにします』
『では今後の予定としては襲撃者の殲滅、彼らに協力した組織の炙り出しと対処、最後に< Establish and protect order >に対応します』
現状必要とされる情報共有と議論を終えたアンドロイド達はデイヴの言葉を締めとして会議は終了を迎えた。
最初に五号が退席し、次に4thが退席してマリナとサリアが揃って退席し最後にデイヴが退席する。
会議室から意識を現実に戻したサリアは輸送機の窓から見える風景をぼんやりと眺めた。
「……我々は何処に向かうのでしょうか」
サリアの小さな呟きは飛行中の騒音にかき消され誰の耳にも届く事は無かった。
そして輸送ヘリは夕日を浴びながらアンドロイド達の本拠地『ガリレオ』の防空識別圏へ入った。
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