第2話 冷蔵庫の復活とアイスキャンディーのために、冒険に出る

ここは、モンスタウンの住宅街。



何気ない、しかもなんも変哲のないこの日に、モコローという普通の大学生?


いや、全然普通ではないか。まぁその大学生がスキップしながら、自分の家に帰ってきた。


彼はオレンジのボールのような体の一頭身のモンスターだ。


前回(前作)の住民が凶暴化してしまう事件を解決したため、政府からMVPとして家を渡されたのだ。


2階建ての、小さな庭付きの一軒家である。さらにオートロックもある、なかなか羨ましい家だ。


しかし、彼はそんな事で喜んでいるわけではない。もっと単純な話で喜んでいるのだ。



「わぁぁぁぁぁい!アイスアイス〜」


アイス……彼はアイスキャンディーが大好物で、今日、彼が好きなお菓子メーカー[愛ス]が、新作を発表したのだ。


モコローは家に入り、そのまんまソファに寝転んで、持っていた袋から、アイスキャンディーを出した。


新作のアイスは、バニラがかかった炭酸のアイスキャンディーで、口の中でまろやかなバニラと、激しいくらいの炭酸が合うと評判なのだ。


「…お、すごい。……マジで炭酸の音がする!……しゅわしゅわの」


彼は思いっきり頬張った。バニラと炭酸が合う!合う!合う!!





「はぁ美味しかった。さぁてと、残りは冷やしておくか」


冷蔵庫を開けると、なんと電気がついていなかった。


「え」


ぴんぽーーーーーーーーーん!


誰か来たようだ。


「はいはい。…………あ、ロックじゃん」


「久しぶりだな。………いやそーでもねぇか。

どうだ?大学生活…と、モンスタウンの居心地は」


「え、あぁ良いよ。…それよりさ、冷蔵庫の電気がついていないんだけど!」


「ハァ?」


ロックは、彼の友達で、ダンボという、ダンボールを頭に被ったような種族である。


「本当だ……マジで切れてんじゃん」


「でしょ⁉︎

なーんでこうなるのか300文字以内で答えて」

「テストじゃねーよ。ってかどちらかというと実技だろ!」


「あ、アイスキャンディー食べよ」

「急に話を逸らすな!」


「え、でもなんで急に……電気がつかなくなったんだろ」


「おいリビングもついてないぞ」

「本当だ!え、なんでよ………」


「なんか発電所とかがおかしくなってんじゃねーの?」

「えぇ、最悪なんだけど………」


モコローはコップを蛇口につけて、レバーを引いた。









「………あれ?」


「どした?」


「水が、出ない」

「え……………………」


「え、な、な、な、な、な、なんで⁉︎⁉︎⁉︎

ええええええええええええええええええe(自主規制)」


「うるせぇな!ちょっとは静かに………。

水道局も何か異常があったんじゃね」


「じゃあ文句言いに行こうよ」

「は??????」


モコローはロックの腕を掴むと、猛スピードで家を出て、住宅街を走っていった。

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