第9話 同じベットで…
「おはようユウ。よく眠れた?」
「ーーーー!!!」
目を覚ますと、目の前に整ったアレンの顔があった。朝見ても、相変わらず腹が立つ程のイケメンである。
しかしそんな事よりも、俺はあろう事かベッドの中でアレンに腕枕をされていた。
服も上質なシルクのパジャマに着替えさせられている。
「!!な!!な、な、な、何で!?」
俺は慌てて、飛び起きる。
「ふっふ、ユウ驚きすぎだよ。ーーー何でだと思う?」
アレンは意味ありげに、俺に微笑んでくる。
ーーどうしようアレンに強請られてキスを許してしまった所までは覚えてるけど……その後がどうしても思い出せれない!!
…けど一緒に布団に入ってるって事は…もしかして、まさか俺ヤっちゃった感じ!?
ヤバい、俺童貞なのに!!!初のセックスを覚えてないなんて!!そんな!!俺は一人前の料理人になるまで脇目も振らず修行していた分、初のセックスには人一倍理想があったのに!!
ああ、神様…!!初のセックスをする前の俺に戻してください…!!ああ…!
「…アレン…俺、どんな感じだった?気持ち良さそうにしてた…?」
「ー……ん?何のことだい?」
「…………俺達、え、え、エッチしちゃったんだろ…?お、俺、覚えてないんだけど初めてだったから、俺の様子がどうだったか知りたいんだ!!ーあ!ってか、男同士って事だけど、俺がアレンに突っ込んだんだよな!?尻も痛くねえし…あ!アレンの尻大丈夫か!?俺のチンコそんなに大きくはないとは思うけど…」
「ーーーぷっ、あははははは!!!!」
アレンは一瞬きょとんとした表情をしたが、次の瞬間大爆笑し始めた。
「ちょ、アレン何で笑ってんだよ!?尻は大丈夫なのかよ!?」
「ーっ、あははは!!ユウこれ以上僕を笑わせないでくれ!!僕達は、セックスはしていないよ。ははは」
アレンは笑いすぎて苦しいみたいで、青いガラス玉の様な美しい目にはうっすら涙を浮べている。
どうやら、本当にヤってはいないみたいだ。
「そっか、良かった」
俺は心底ホッとした。どうやらまだ俺の理想の初セックスは、守られているみたいだ。
「昨日は僕がユウにキスしている間に、ユウが途中で寝ちゃったんだよ。きっとお酒も飲んでたし初めての事ばかりで疲れてたから、キスされて気持ち良くなっちゃてる間に充電が切れちゃったんだろうね」
「そうなんだ…何か悪かったね」
「いや役得だったよ。ユウの服を脱がさせて貰えれたからね」
「なっ!!」
そういえばそうだった。服を着替えさせられてたんだった。
「パジャマに着替えさせるか迷ったんだけど…昨日料理した時の汁が、服に飛びっ散ってたから着替えさせた方が良いかなと思ってね。僕のパジャマだから、サイズダボダボで申し訳ないけど」
「…迷惑かけたね。ありがとう」
全裸を見られた恥ずかしさで死にそうだ。ってか、これ彼シャツじゃん!!
「お、俺もう起きるよ!ミューロさんに早く基礎的な事を教えて貰わないと、この世界で料理人として通用しないし!!」
「……そうだね。でも今日はお休みだよ。」
「えええ!?体調なら心配しなくても、大丈夫だよ!!」
「そうじゃなくて服とか持ち物を買いに行かないといけないし、部屋の案内もしないといけないから」
「!!そっか…そうだよな…」
料理の事を一番に考えていたが、よく考えてみればこの世界でこれから住むには、生活の基盤を整える事が先である。
「…でも、俺金持ってないんだけど…給料から前借りってできんの…?」
「そんな事させるわけないじゃないか。僕の将来の結婚相手なんだから、僕が払うに決まってるだろう」
「ーーえ…」
「それからユウは僕のお尻にちんこ突っ込む事想定してたけどー……僕は好きな人には思いっきり喘がして、泣かせて甘やかしたいんだよね」
「なっ!!」
アレンの目は据わっており、まるで獲物を狙う獰猛な動物の様である。
「そういう訳だから覚悟してよユウ」
アレンは満面の笑みでニッコリ微笑んだ。
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