第8話 運命の人
くちゅっ
「ぷはっはーーーー、はーーーーーーー/////はーーーー///」
長くて濃厚なキスが終わり、ようやくアレンの唇が離される。俺の唇はアレンと俺の唾液で、ぐちゃぐちゃになっていた。それぐらいに俺の唇を貪るかのように、アレンは俺に熱いキスをしてきたのだ。
お互いに何も喋らず、俺の乱れた呼吸を整える音だけが、部屋には響きわたっている。
気まずい沈黙が流れるー
「ーーーーーー……すまない、みっともないが嫉妬した」
アレンが重く口を開いた。ってか、え、嫉妬ーーーー…?え、え、何で!?
「ーーーーえ、どういう意味!?嫉妬って……あ!もしかして、アレン、ミューロさんと付き合ってる!?だから俺に嫉妬して……え?でも、だったら何で俺にキス!!?」
頭の中が訳がわからなくなり、錯乱している。???で脳内が埋め尽くされてしまっている。
「ーーーどうやらユウに、きちんと伝わっていなかったみたいだね。ちゃんと伝えるよ。俺は君に一目惚れした。俺と結婚してくれ」
「ーーーーーーーーーー…………は?」
「突然こんな事を言われても迷惑かもしれないが、俺は君が好きだ。初めて氷の中で君が1人歩いている姿を見て、この人は僕の運命の人だと分かった。そして、それから君と喋って、やっぱり僕の運命の人だと確信した。ユウ、僕の妻になってくれ」
「………アレン、よっぽど疲れているんだな。王様っていうのも大変だな…俺が言うのも何だけど、もう今日は早く寝た方が良いよ」
どう考えてもアレンが正気だとは思えなかった。
「…信じれないかもしれないが、本気なんだ」
「信じられないよ!だって俺達出会ってまだ1週間も経ってないんだよ!!金目鯛の煮付けに胃袋を掴まれただけじゃないのか!?」
「…そうか。そう思うよね……。確かに金目鯛の煮付けは美味しかったけど、それだけじゃないんだ…。本気で君が好きなんだ」
そう言うと、アレンは俺の手を自分の胸の上に置いてくる。
ドキドキドキドキ
かあああああ//////
心臓が早く鼓動しているのが伝わってくる。そのドキドキと言う音に、何故だか俺までドキドキしてしまう。
「ーふっ、自分の心臓だけど凄い音だね。ーーーユウこれで少しは解ってくれたかな?俺が君の事を本当に好きだっていうことが」
アレンは頬を染めながら、俺の顔を覗き込む様に尋ねてくる。
モフモフの耳がピコピコと動き、まるでご主人のご機嫌を伺う猫の様だ。
「〜〜〜〜〜〜〜っ//////、アレンはずるいよ!!!顔がイケメンすぎるから何でも許してしまいそうになるよ!!」
「!!ユウにイケメンって言われるって事は、俺の顔カッコ良いって思ってくれてるって事だよね。嬉しいな」
アレンは嬉しそうに満面の笑顔で笑った。イケメンの笑顔は、破壊級である。
「な!!!〜〜〜〜〜〜っ騙されないからな!!結婚とかしないからな!!」
「うん、今はそれで良いよ。ユウに俺の事好きになってもらえる様に、頑張るから」
ちゅっ
「〜〜〜〜〜な!!結婚しないって言ったじゃん!!何でキスすんの!!?」
「結婚はまだ良いよ。でもキスは良いでしょ?」
「なっ…!!駄目に決まってー…」
当然断ろうと思ったが、アレンがとてもションボリとした顔で俺を見つめてくる。
モフモフの耳も尻尾もうなだれている。
ううううう騙されないぞ俺は、騙されないんだからな!!そんなチョロくねぇんだからな俺は!!
「ーーーーー……尻尾、もふらせてくれるんなら……少しだけなら良いよーーーって、んんんんん///////」
チョロすぎないか俺ーと思い言葉を発した瞬間、俺の唇はアレンに奪われていた。
「はっ、ユウ、さあ尻尾触ってよ。僕はキスさして貰うから」
「はっ、そんな、はっ、んんん////キスしならなんて、んんん////む、むりぃ、はっ」
「ユウから言い出したんだから。ほら、ちゃんと触って」
クチュクチュクチュ
どうやらアレンは優しそうに見えて、Sっ気があるらしいー
俺はキスで蕩ける頭の中、そんな事を思った。
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