第26話 そして時間は動き始める

「みゃっ!!」


「えっ?」


 ーーーー瞬間、僕達は光に包まれた。



 光が収まっていく。


 焚き火のそばで休んでいた所まで声が届いたのか、ミコトちゃんとクマクマが馬車に入ってきた。


 野宿時、馬車の中には動かせない少女と見張りを任された僕以外は誰も乗ってはいない、他の者は焚き火のそばで暖を取り休んでいた。


 移動時は仕方ないが、彼女は身体自体の傷は治っているが、実際は内臓疾患によりいつ亡くなってもおかしくないほど種弱しており、これは万が一の状況を配慮してのこと。





「??」 


 え~~と、猫耳少女の身体が成長してる。


 身長はほとんど変わっていない。


 大体百四十センチほどかな。


 くやしいが僕より高い。


 それはどうでもいい。


 問題は彼女のやせ細って血色の悪かった身体、それがしっかりと肉が付いている。


 胸はあまりないが、色艶の良い毛並み・肌ととなっており幼いながら美しく育っていた。


 もはや別人だ。





 鑑定を済ませたミコトちゃんから説明を受けた。


 どうやら僕の血を体内に取り込み上位種族へ進化したと言う。


 獣人って進化するんだ、では人間も進化するのかな。


 そんなことは置いておいて、僕の血にそんな効果が?


 はぁ、億に一つあるかないかの偶然ですか。


 普通はありえない?



「当然じゃ、そんなことがポンポン起きてたまるか、世界が滅びるわい」


「キュ?」



 世界が~~とか意味がわからいけど。


 でも良かった、そんな効果があるならおそらく狙われてしまうのは間違いないだろう。


 自ら進んで犯罪者を増やす趣味は無い。


 あと、名前がないから名付け待ち?



「奴隷商人に契約で縛られていたが、進化の時点でリセットさせてるのじゃな」


 

 それに進化の過程で、一旦肉体を作り変えられてるので内臓疾患などすべての不具合も


リセットされるんだ。


 まぁ、それなら良いことだね。


 うん、何も問題はないね。





 ここで新たな試練が。


 そう名付けです!!



 ですが、何故か僕に名前を考えさせてくれません。


 おかしいな、命名マスターと自負するこの僕に対してどういうつもりかな。


 無視はやめてください。


 三人の視線が痛かった。


 はぁ、猫耳少女よ君もか。




 でも僕のこのスーパーハイセンスな名前を聞いても同じことが言えるだろうか。


 ふふふ。


「みゃーこ」とか、虎猫だから「トラ子いやタイガープリンセス」も捨てがたい。






 その後も僕の意見は完全にスルーされ続けた。


 スルーイクナイ。




 命名「メル」


 由来は聞きそびれた。


 猫耳少女改めメルも喜んでるからよしとする。





 猫耳少女メルの能力。



 名前  無し(隷属化により消失)→メル(ケイの眷属)


 種族名 猫獣人→スカウトタイガー

 


 HP(体力)  14(瀕死)→ 168 


 MP(魔力)  23→201 


 STR(力)  4(弱体)→203 


 ATK(攻撃力)  203(装備無し状態)


 VIT(生命力)  5(瀕死)→170 


 DEF(防御力)  2(瀕死)→97 


 INT(知力)   11(思考低下)→179


 RES(抵抗力・魔法抵抗力)  9(瀕死)→598


 DEX(器用さ)  273→698 


 AGI(素早さ)  16(瀕死)→330


 LUK(運) 13→101


 能力スキル 生存本能1→野生の本能1(NEW)脚力強化1→2


       視力強化1(NEW) 戦闘時攻撃上昇1(NEW)


       眷属(NEW・眷属同士会話可能)  





 こうして新たな眷属。



 いや、仲間を加え村に向かうことに。


 メルもこれからはリハビリの為、随時戦闘へ加わる。


 当然単独では危険なので、補佐にクマクマを付けるのも忘れない。


 その後休憩中には、クマクマの指導を受けるメルの姿を良く見るようになった。      

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