第17話 新たな地へ1
屋敷の門の前。
旅支度を済ませた僕は待つ。
僕の今の装備はこう。
頭 ありふれた魔物の皮の帽子(カスク風)
身体 劣化竜もどきの皮の服(使い捨てても良いようにいくらでもある材料で製作)
不死王のローブ(ドロップ品……略奪とも言う・洗濯浄化済)
女神のジーンズ(飲み友である異世界の女神からもらった古着をばらして作った一品)
悪魔王の安全靴(意気投合した悪魔からもらったマントを材料にしたもの)
――と、完璧かな。
見た目はこの地上で一般的で普通とかいってたし。
用意してもらったものだから性能は知らない。
こんなに良くしてもらったミコトちゃんには本当に感謝しても仕切れない。
この旅で必ず返していこう、一生をかけてもね。
いよいよ地上に行くんだ、新たな冒険の始まり。
僕はKぁいz……あれっ?
何するんだっけ、あぁそうだった今回の人生を楽しむため世界中を回るんだったね。
いけない、気を抜くとつい働きたくなる。
しゅうせ――いや、お勉強で改善したとおもったんだけどなぁ。
変身し、龍の姿となったミコトちゃん。
頭から尻尾まで四十メートルくらいかな。
太さ?――いや胴まわり?
何人もの大人が両手で…………アノ、例の何の木くらい?
珠を持ってれば、何でも願いを叶えてくれるやつの姿みたい。
見上げていると首を傷めそうだからやめた、全身が艶のある黒い鱗に覆われてるのを見て思わず。
すごく防御力が高そうだなって――。
――めっちゃ痛かった。
手加減されただろうが尻尾で叩かれ十メートルは飛ばされた。
はいはい、わかってますよ。
「うん、とても綺麗な鱗だねこの姿のミコトちゃんも美しいよ」
くねくねと長い身体をうねらせている。
気のせいかもしれないが頬の辺りに赤みが。
よくわからないけど、女性は褒めまくれと厳しく教えられた。
とても念入りに。
さて、埃を落とし身体の損傷を確認する。
多少擦り傷はあるが手足も動くので問題なし。
ここで問題が一つ。
僕の能力は知力・体力的には何も問題もない。
素早さ・器用なども百二十年間の仕事で鍛えられていたから。
しかし攻撃力は皆無なのが大問題。
ようやくできた鑑定結果はこう。
名前 ??? キヨム→ヌシ 主様 ケイ他……(固定不可能)
種族 天使もどき?→翼を失った天使(のようなものだと思うよ)
人間の一般人が百だったとするなら。
HP(体力) かなりある。
MP(魔力) ???(封印されし力……ふふふ、疼くぞ)
STR(力) 普通に動く分には(それで充分だよ)
ATK(攻撃力) 零(何故か攻撃与えようとすると気力を失いSTRがマイナスに反転するよ)
VIT(生命力) ほぼ無尽蔵かもね(ふっ、百二十年は伊達ではないのだよ)
DEF(防御力) 防具次第で無敵になるかも(かかってこいやーー)
INT(知力) 結構いい感じ(メガネを装備すればキラリと光る)
RES(抵抗力・魔法抵抗力) 多分大丈夫イケルイケルって
DEX(器用さ) 凄いよ(花丸をあげよう)
AGI(素早さ) コマネズミもびっくり(Gなど目ではない、ふっ、当たらなければどうということはない)
LUK(運) そんなもんないよ(あればこんな苦労はしてないでしょ)
えっ~~と、まぁ、なんか意味不明で何度やってもこんな感じ。
正直馬鹿にされてるような……鑑定さん頼みますよ。
なんか普通はちゃんとした数値になるけど、僕の場合バグかな。
てなわけで、もし戦闘になったら負けはしないかもしれないが絶対勝てない。
懐かしいあのRPGの遊び人?
強制戦闘で一人だけ生き残ったら詰むやつ。
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