第11話 才賀 虚無(サイガ キヨム)2
中学を卒業し義務教育終了とともに。
私は施設を出た、シスター達に強く止められたが私の意思は変わらなかった。
新聞配達をやめ、金になる土方作業や建築現場の作業員の住み込みへ。
これなら、部屋代はかからないし、昼食だけはタダだった、さらには身体も鍛えられ一石二鳥。
空いた時間に本で知識をつけ、通信教育などで色々資格も取った。
二十歳を少し越えた頃。
私は転職を考え、様々な企業に面接……しかし、書類選考時点でまったく相手に去れず七十連敗。
諦めかけた。
しかし、ある企業だけ私を面接してくれた。
頑張った、必死になって自分を売り込み……。
なんと採用された。
あとから知ったのだが、この会社私が幼年から過ごした施設の親会社だった。
あぁ確かにパンフをよく見れば会社名に才賀と書いてあった。
まぁ、とにかく私は頑張った、受け入れてくれた会社に貢献するため。
同僚の付き添いで、上手くいかなかった取引先に誠心誠意の行動をしめしたり。
偶然仲良くなった伝手で取引先を増やし、関連企業の仕事を請けたりもした。
さらには休日、上司の子供の相手をしたり。
隙間時間にボランティア活動にいそしんだり、譲ってもらった自転車(ロードバイク・MTB)にはまったり。
とても充実していた。
……そして気が付けば、もう五十歳になっていた。
だが、まだまだ身体は元気。
ロードに乗りまくった所為で建設現場で鍛えた筋肉はさらに引き締まり細マッチョに。
見た目も……二十代半ば位で通用する、超がつくほどの若作りで現役バリバリだった。
同僚達から、年齢詐称、大人になったコ〇ン(見た目は子供、頭脳は……)、などなど。
こればかりは自分の所為ではない。
あと二十年は余裕だ。
えっ、女性関係ですか?
あぁ~~~まぁ、なんというか。
確かに多少はモテたかと思いますが、しかし自分の性格なんですかね。
ほぼ年中金欠状態、貯金皆無なんで……まぁ、そんな感じで独身貴族でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます