第9話 君(少年)の名は3

 ……えっ?


 思わず聞き返してしまった。


 しかも、後日聞いた所、何か間抜け面してたらしい。




「……名前? 名前……アレっ?。いやっ、ちょ、ちょっと待って……すぐ、そうすぐ思い出すから」


「…………」


 そんな可哀想な子供を見るような眼で見ないで。


 痛い、視線が痛い。


 う――んと、名前、名前ね~~。



 いや、だって、ほらわかるよね。


 百二十年間ボッチ……いや、一人で一生懸命仕事に集中してたから。


 あぁ――うん、はっきり言います。


 完全に忘れてしまってました、まぁ、言葉自体は自問自答(一人ニ役)で忘れてなかったのは幸いですけど。



「――!! そう、キヨム、そうだサイガ キヨム」




 






 


 ――と、あれから三週間。


 僕はまだこの空中に浮かぶ屋敷に居た。


 正確には三度の食事とお風呂以外はお布団の中。


 暖かく、そして全身を包み込むような柔らかな肌触りのお布団。



 そう、O・F・U・T・O・N です。


 冬のコタツ(期間限定人類種対応睡眠誘導決戦装置)の永遠のライバル。




 ――いや、ニートじゃないよ、ましてや自宅警備員でもない。


 実は、まだ身体がうまく動かないのですよ。


 ミコトちゃんが言うには、生きてるのがおかしい、何で生きてるの? 


 その状態から少しずつ回復してるのも変。


 どんな身体してるのじゃ、回復したら調べさせるのじゃ。


 当然ステータスもな。




 などなど、いいたい放題だった。








 さらに一週間が過ぎたころ。


 日常性格に支障が無い程度には回復した。


 長かった、いやマジで本当に長かったよ。


 これまで転生人生のほぼ九十九%以上、働いていた僕が、その僕がまったく仕事せずダラダラ(動けなかったけど)時間を過ごすのがどれだけ苦痛か!



 まぁ、僕自身、あぁこれは完全に社畜って自覚はあるのかな……?


 しかし、この一ヶ月の休息で前世の記憶を多少は思い出した。


 あとは、あまり関係ないけどこの天使の身体。


 排泄はしない、小も大もね。


 身体に器官はあるけど、食べたものすべてエネルギーに変換してるのかな?


 ミコトちゃんは――無言でぶん殴られた、左側から拳で顎先を打ち抜かれた。


 


 意識を失う中思った、彼女なら――ベルトを世界を狙えると!

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