第5話 冤罪で追放&殺されかけた2

 ――あぁ、落下していくのをわずかに感じる。




 どうやら何故か生きてはいるようだ、




 しかし身体は指一本動かす力すらない。




 


 


 だけど、しばらくすればこの身体、地上に叩きつけられ、大きな血のしみとなるんだろうなぁ、




 


 う~ん、痛いのは嫌だな、せめてお風呂で身体を綺麗にして、




 美味しいご飯を食べてからなら……。






 




 ――――そろそろ衝撃が。




 あぁ、やっぱりご飯が食べたい。




 せめておにぎりを、いや、白米でもいい。




 なんなら食パンでも……ん?








 もうすべてを諦め、衝撃で砕け散るかと考えていたがのだが。




 なにやらものすご~~い、ふんわりとした何かに包まれた。 








 しかし、身体は動かないし、声を出す力すら残っていない。




 出来るのはわずかに残った思考能力で考えることのみ。




 そう人間はかn、あっ、いや今は人間ではなく天使だった。










「ほう、天使とな、ん? いや天使というよりは――――――なるほど、頭のおかしい上司の天使に存在すら消される所であったか、まぁでもこれもワシの運命なのか――よしいくぞ」








 薄れよく意識の中、




 どこか懐かしい感覚がした。








「もぐもぐ、もぐもぐ――――ふぅ、あっ、このたくあんとお味噌

汁、あとご飯大盛りでお願い」




「…………」


  


 あぁ、美味しい。




 白米・たくあん・お味噌汁の3種の神器……ではなく。




 ザッ、日本、まさに日本の心というべき食べ物。


 


 しかも百二十年ぶりの食事だ、


 


 うまい、美味い、おいしい、いくらでも食べれる。


 


 いや、いっそご飯に包まれるなら死んでもいい。




 日本人で良かった、まぁ現在はどう見ても日本人じゃない見た目だけど。








「ふぅ、なんとか生き返った、いや死んでないけど、ん?あれっ

僕なんでこんなところにいるの?」






「いや、おぬし無意識で食べてたのか、というか何で生きてる、普

通天使でもあれだけのことされたら・・・・・・いや、それ以前に

なんで百二十年食事なし、睡眠無しで生きてるのじゃ」






「? ? ? ん? いや、だって天使に寿命はない、よって食べる必要も眠る必要も無いからって」






「ん…………ん……、ん、なわけあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――」






 




 あれれ、違うのか?




 いや、確かにメガネ天使長はそんなこと言ったけどなぁ。




 しかしそんなことは些細なこと、今はこの美味しかったご飯に感

謝をささげr『おぬしは何なのだぁ―――、どこかに常識を忘れて

きとらんか、いや、何であんなことされて切れないんじゃ、ワシな

ら最初の五分でぶち切れる自信があるぞ』






「いや、それじゃあ仕事にならないよ、仕事の前と終わりには整理

整頓とおかたずけは基本だよ」






「――――くっ、いや、もう良いそれよりもこれからのことじゃ」






 


 ふむふむ、この和服っぽい服装の黒髪長髪。




 日本美人って感じの十代半ば~後半ほどの彼女?




 助けられたときは巨大な龍(日本昔〇しのやつ)の姿だった。






 その彼女の家、いや屋敷かな。




 どうみても昔の日本の越後屋とかが住んでそうな大きなお屋敷。




 庭は、よく手入れされ、まさに日本庭園でやつだね、そうそう日本の美、格調美ってやつ。




 


 この屋敷、蜘蛛…………いや、雲の上に建っている。






 気体の上にどうやって、物理法則はどうした責任者をだせって感じなんだが。




 まぁ、ファンタジー世界だから仕方ないか、それにどうやら地球ではなく異世界みたいだし。




 細かいことは気にしない、考えすぎると禿げるっていうし。




 いや、僕は髪の毛ふさふさだよ、




 もちろん前世でも……多分ふさふさ? だった……と思う。








 う~~ん、最初は地球の天界の住人。




 天使に転生したのかと思ってたが資料を読んでるうちここは異世界(日本の転生・転移者もいるみたい、しかもチート付き)だとわかった。




 


 天界は言うなれば地上の管理者である。




 地上を監視し何か人類に危機的なことがあれば天啓を与えたり、間接的に助けるって感じ。




 


 僕もかなりの数の企画を打ち出した、なかには結構自信作もあった。






 しかし彼は知らない、彼の本当に素晴らしい案件は無能達により誰の目にも留まらず消えていたことに。

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