そばかす
りん
そばかす
頬に散りばめられた無数の星。
どんなに顔を洗っても、どんなに強く拭っても消えるどころか日に日に濃さを増してゆく。
無数の星の輝きは、幼い私の心に影を落としてゆく。
母にも叔母にも、祖母にもそれらはあった。
ともだちの誰にも、それらはなかった。
「みんなにない星なら、私はいらない」
月日が流れて、星の輝きを無効化する方法を手に入れた。
消せないなら隠せばいい。
必死に隠した。
なぜだろう、心は軽くならなかった。
今はもう、必要以上には隠さない。
この星の輝きを見るたびに、祖母や母と同じ血が流れていることに思いを馳せる。
つないでくれた命のバトンの証にも感じる。
ありがとう、お母さん。
そばかす りん @Nashiha-Yutaka
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