第4話 つばぜりあい
クソ暑い中売店にならんでいる。
売店というのはここはプールで、テニス部の仲間達と遊びに来ていたのだった。
そしてオレ達はじゃんけんで負けたからこうして並んでいるのだ。
じりじりとひざしがてりつける。
ふー、それにしてもながいなぁ。
つくりおきしとけばいいのに。
まだ前に2、3人いるし…。と、その時僕はまよこにおっさんがいるのに気付いた。
なんなんだこの人は。
皆一列で並んでいるというのに、なんなんだこの人は。
ひょっとして並んでいるつもりなのか?
僕の方がこの人より早く並んでいたのは間違いない。
…はっ!これはもしや新しいわりこみじゅつなのか!?
僕の父さん、または知人という設定でいっしょに並んでいる風にみせて順番がきたとたんまっさきにわりこむ、そうにちがいない。
別に一人くらいいいし、僕は大人だから、と言いたいところだが
一人5分以上かかるこの店でゆずる訳にはいかなぁぁーーーいっ!
お、列が進んだ。
オレは前に進むやいなや、前の人との間に足をのばした。
こうしておけば僕の順番が来てもおっさんより有利に動けるし、僕の前にいきなり入ってくる事もないとは言い切れない。
だからこれは万全の策なのだ。クックックッ…。
それから灼熱の太陽に見守られ、おっさんとの暗黙のバトルを繰り広げて時は経った。
「次の方どうぞー。」
オレはそれを聞いたとたん前につめよった。
よっしゃぁ!勝った!
ざまあみろおっさん!オレは勝ったぞぉー!!
「えー、やきそば一つとたこやき一つカレー2つで。」
「かしこまりました。それではこの番号札をもって隣の列でお待ち下さい。」
え…?
そういうシステム!?
オレの第2ラウンドが幕をあけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます