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 半月ほど経った雨の日、彼女はまたきた。


 今日は、普段いるマスターが用があるというのでお店を任されている。


 ところで、なぜ、いつも一人なのかと不思議に思うかもしれない。


 うちは、普段からお客が少ない個人経営なので、いてもあと一人、雨の日はマスターと俺1人でも回せる。


 この喫茶店に来て彼女は普段、読書の時もあれば、スマホをいじっていたり、居眠りしていたり、自由に過ごしてもらえている。


 今日は参考書を広げている。


 どうやら試験勉強のようだ。


 ただ、二人用の小さなテーブルでは窮屈そうで、気づけば「あの、どうせお客さん来ませんし、あそこ使っちゃってもいいですよ」と2つテーブルがくっついている席を指差し勧めていた。


 彼女は「ありがとうございます」とそのテーブルに移動した。


 内心、役に立てて少し嬉しかった。


 ちなみに、案内した時に見た教科書で、同じ学年ということがわかった。


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