確信

渚は教室に戻り命のもとへ戻る。


「で、何の話だったんだ?」

「問題児を頼むって言われた」

「問題児ってもしかして」

「お前らのことだよ」

「なんでよ!!透は分かるけど何で私まで!!」

「命お前裏で何やってんだ?」

「え・・・?な、何のことかしら?」


命は明らかに動揺している。


「とにかくこれからは控えるように」

「は、はい・・・・・・」


命はシュンとしながら頷く。


「それはそれとして渚、来週の放課後、もちろん集まるよな?」

「ああ、それはもちろん。命」

「う、うん。あと少しだから待っててね」







放課後


透と紗枝はデート、命は妹との用事があるらしく帰って行った。

渚はというと、スマホを開くと。


『ごめんちょっと遅れるから先帰ってて」

『私もお友達に捕まっちゃった』


どうやら二人とも忙しいらしいな。


渚は二人に返事を送り一人で家に帰る。



家に着くと渚は今まで通り自分の部屋に直行し小説を書き始める。


「二人が来てからなかなか時間が取れなかったからストックがやばいな」


渚はなるべくどれか一作品は更新すると決めていてある程度ストックを作っている。


「さて今日は何にしよう」


渚はまず自分の作品の書き終わったものの三話前から流し読みをして今の自分が書きたい物を見つける。


「よし今日は頭脳物だな」


書く物を決めてからの渚はとにかくすごい。

物語のあらすじから伏線まで過去のメモやストーリーを自分のスマホで読み直しながら書き進めていく。

さらにゲーム内容などを本や小道具を使いなるべく忠実に再現できるか検証する。

ぶっ飛び設定が効かない部分は現実にあり得そうと思はせる必要があると渚が思っているからだ。




2時間後


「んーーん、終わった〜もうこんな時間かそろそろ飯の準備を」

「すごい」

「何よこれ」

「え・・・・・・?わ、あ、あ、あああーー!?」


渚が後ろを振り返るとそこには春香と詩織がいた。

渚は二人に驚きあためふためき椅子ごと横に倒れてしまった。


「いてててて・・・・・・って、何でいるんだよ!?」

「ああ、それはね」



1時間前



「はあ〜疲れた〜〜」

「お疲れ詩織ちゃん」

「あ姉ちゃんこそ」


私は転校してからほぼ毎日帰りのHRが終わるや否や私のところにクラスのみんなが集まって色んなことを聞いてくる。

正直言って鬱陶しいのよね。

毎日毎日飽きもせず私のところに来る。

挙句の果てには告ってくるバカもいた。

しかもそいつ私と話したこともないのよ。


『藤堂詩織さん一目見た時から好きです付き合って下さい!』

『ごめんなさい。私好きな人がいるの』


もううんざりなのよ。

男子が告ってくるせいで女友達も作る前に嫌われちゃうし本当に。


そんなことを考えてる内に家に着いた。


「ただいま〜〜」

「ただいま」


玄関には渚の靴があるが渚からの返事がない。

そのことに私とお姉ちゃんは疑問を持つ。


「私リビングを見てくる」

「じゃあ私は渚の部屋を見てくる」


お姉ちゃんがリビングを探しているうちに私は2階に上がり渚の部屋のドアを叩く。


「渚ー、いる?いないの?」


ガチャ


私は気になりドアを開ける。


「失礼しまーす」


部屋は電気が付いてなくパソコンの明かりだけが部屋を照らす。


「渚?」


私はパソコンの前にいる渚に気付き近づく。

私は渚の顔を見て驚く。

その目は恐ろしく集中してパソコンを見つめてタイピングしている。

私は渚が何をしてるか気になりパソコンを見る。


「・・・・・・!?」


嘘!?

じゃあやっぱり渚が・・・・・・最初に聞いた時は疑っていたでも今彼が書いているのは紛れもなく『夢幻の楽園むげんのアヴァロン』続き。

それから私は渚が書き終わるまでパソコンを見つめていた。





「詩織ちゃーん。あれ、どうしたんだろ?」


私は2階に行った詩織ちゃんから返事がなくて気になり私も2階に行く。

階段を登るとナギ君の部屋の扉が開いていて部屋を覗くとナギ君と詩織ちゃんがパソコンを見つめていた。

私は二人がいて安心する。


「なんだここにいたんだナギ君、詩織ちゃん・・・・・・ナギ君、詩織ちゃん?」


私が二人に声をかけても返事をしてくれない。

二人とも私を無視してずーーーっとパソコンを見てる。

私も気になってパソコンを見るとそこには。


「えっ!これって・・・・・・!?」


私は見た瞬間確信したこれが『夢幻の楽園むげんのアヴァロン』の続きだって。

じゃあやっぱりナギ君が・・・・・・




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る