登校の一コマ

着替えも終わり時刻は8時前。


「それじゃ行くか」

「あ、ちょっと待って」


詩織が鞄からスマホを取り出しもう片方の手を渚に向ける。


「スマホ」

「す、スマホ?」

「そ、あんたのスマホ貸して」


渚は言われるままロックを解いて詩織に渡す。

受け取った詩織は自分のスマホと渚のスマホを使いなにかしている。

そしてそれをし終わると今度は渚のスマホを春香に渡す。

春香も同じように何かし渚に返す。


「はい」

「私たちの連絡先入れといとから」


渚が確認すると本当に入っていた。


「どうして」

「家族なのよ」

「連絡先は交換しとかないとね」


渚はその言葉に少し胸が熱くなる。


そして渚たちは三人で一緒に登校する。

最初は時間をずらそうと考えたが。


『ズラす必要無くない?』

『大丈夫だよ。昨日の変態さんたちがナギ君に悪いことするならお姉ちゃんがやっつけるから!!』


と押し切られてしまった。



学校が近づくにつれ人が増えてくる。

それにつれて俺たちの注目度はエグい。


「ねえあれ」

「何あれ、なんであんなキモオタと一緒なんだろ?」

「何であいつなんだよ俺のほうが絶対いいだろ!?」


俺が二人と一緒に登校している事のに疑問を思う声や嫉妬する声が聞こえる。


「朝からいいご身分なこと」

「命!」


後ろから命と透それに紗枝がいた。


「あら、お久しぶりですねセンパイ」

「ええそうね小娘」

「あら私には詩織って名前があるんですけど〜?」

「あなたなんて小娘で十分よ」

「あ‘あ’?」

「え“え”?」


命が声をかけるや否や早速詩織と言い争いになった。


「何だよ渚〜〜お前も隅に置けねえな〜〜」

「渚君浮気はダメだよ」

「そんなんじゃねえからあと浮気ってどうしてそうなる」

「そうだぜ渚、嫁が困ってるんだから助けねえとな」

「命は嫁じゃねえよ。それに俺が行く必要はねえよ」

「「?」」


二人は頭の上に?を浮かべるがすぐに理解した。


「ふ〜た〜り〜と〜も〜道端で喧嘩しない!!高校生にもなって恥ずかしくないの・・・・・・」


とすでに春香姉さんに怒られていた。

透と紗枝は春香姉さんの形相に驚き怯えていた。


「あの人怒るとあんな怖えんだ・・・・・・」

「恐い・・・・・・」


そうなんだよな〜。

春香姉さんってどこか母性的だから子供が本能的に恐る母の恐怖があんだよな。


それから春香姉さんの説教は学校に着くまで続いた。

学校に着いた二人は疲れ果てていた。

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