引っ越しの最低限
昼飯を終え食器を洗う春香。
ソファーで意気消沈している詩織。
渚は春香と一緒に食器を洗っているが完全に無となっている詩織が顔を上げる度に目に入り可哀想と思ってしまう。
「ナギ君お手伝いありがとう後はお姉ちゃん一人で出来るから」
「そうか?」
「うん。それにここからナギ君には沢山手伝ってもらうからしっかりと休んでもらわないと!」
そうだった、まだ引っ越しの荷物何一つも手をつけてないんだった。
「じゃあお言葉に甘えて」
渚は手を拭く。
そしてそのまま冷凍庫からアイスを2本取り出す。
「ほら」
渚はそのままソファーに向かい詩織にアイスを差し出す。
「え?・・・えっ!いいの!」
渚が頷くと詩織はキラキラな笑顔でアイスの袋を開けてアイスを食べる。
「ん〜〜!美味しい〜!!」
口が野菜の今甘いアイスは爆弾だろうな。
「あんがと!」
「いや。・・・それにしても春香姉さんの料理っていつもあんななのか?」
「うっ・・・そうなのよ。なんでか知らないけどいつの間にかあんなに・・・」
「詩織が自分で作んないのか?」
「私たち昔から親があんまり家にいなくて昔からお姉ちゃんが料理担当で私料理経験ほぼ皆無なのよ」
「そうなのか」
「そう、だから渚には悪いんだけどあんまりお姉ちゃんキッチンにいれないで!」
詩織は両手を合わせて渚に懇願する。
「まあ、俺も毎日あれはキツイからなー、善処する」
「ありがとうーー!!」
それから1時間弱の時間が過ぎる。
「んじゃあそろそろ始めますか」
「んー、そうね最低でも寝床の準備位はしないとね」
「それじゃ始めよっか♪」
三人でリビングを出ると玄関には大量の段ボールがあった。
「まずはどれから運ぶんだ?」
「んー?とりあえずベットからお願い。組み立て式だから、えーーと、あ、あれとあれとあとそこにあるのが私のベットでその隣にある大きいのが」
「私のよ」
んー、なるほど中くらいのダンボール三個が春香姉さんので大きいのが詩織のか・・・・・・時間効率を考えるなら。
「春香姉さんのから行こう。ベットは自分で組み立てられるか?」
「うん、解体も私がやったから」
「なら先に春香姉さんのベットを運んで春香姉さんが組み立て中に俺と詩織が詩織のベットを運ぶでいいか」
「私はいいけど・・・」
「私も構わないわよ」
「よし、じゃあ俺が運んでる間、春香姉さんと詩織は荷物に優先順位をつけといて」
俺は中くらいのダンボールを一つずつ春香姉さん部屋に運んだ。
「春香姉さん、運び終わったから部屋に案内するよ詩織も付いてきてくれ」
渚は二人を連れて二人の部屋に向かう。
「階段に近い方が春香姉さんの部屋で隣が詩織の部屋で向かいにある部屋が俺の部屋だ」
俺は春香姉さんの部屋のドアを開ける。
「わぁ〜〜」
「すごいわね」
「これでも頑張ったんだぜ」
春香姉さんの部屋は壁一面ピンクでこれは渚が事前に慎吾さんに二人に希望を聞いてもらいそれを教えてもらった。
「詩織も自分の部屋を見るか?」
「うん!」
詩織はそのまま部屋を飛び出し自分の部屋へと向かう。
「わぁ〜〜最っ高ーー!!」
詩織の部屋は水色にしてある。
これ結構難しくて3日掛かったんだよな〜。
詩織が春香の部屋に戻ってくる。
「渚ありがとう!」
「ナギ君ありがとう!」
「どういたしまして」
渚と詩織は春香を置いて玄関に戻り春香はダンボールを解放しながらベットを組み立てる。
「んじゃ俺が後ろになるから詩織が先導してくれ」
「OK」
渚と詩織は二人で持ち運ぶ。
「大丈夫渚?」
「ああ、これくらい全然」
階段では物理的に重心が渚の方によってしまうので渚の方はが必然的にキツくなる。
なんとか階段を抜ける。
そしてベットを詩織の部屋に運び終えたので一息つく。
「ふーーそれにしても助かったぜ」
「ん?なんのこと?」
「ドアあえて開けっぱなしにしといてくれたんだろ」
「あれ、バレちゃった?」
詩織がさっき自分の部屋を部屋を確認しに行った時彼女はこのことを見越してあえてドアを開けっぱなしにしていたのだ。
「そんじゃとっとと片付けますか」
「ええ、そうね」
渚たちは協力し合い日が沈む前には二人のベットの準備を終えたのだった。
明日の午前10時に投稿します
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