レヴィアタン制圧
それからはあっというまで、部屋の扉が開き何人かの生徒がレヴィアタンを確保して俺と透は自由の身となった。
ちなみにレヴィアタンの連中はさっきの言葉で意気消沈してしまい捕獲は結構呆気なかった。
「ふーゔ、ゔぅ〜。ずっと縛られて背中がカチカチだぜ」
「あ、あ〜そうだな。初めて捕まったけどこんな感じなのか」
「えっ?お前初めてなの!?」
まさかのまさか。透がこの一年レヴィアタンに捕まっていなかったとは。
「なんだ?その意外そうな反応は?」
「いや、あそこまで堂々とイチャついてるお前がよく生き延びていたなと思ってな」
「あー、いや実際何度か遭遇したことはある」
あんのかよ。
「でもいつも放課後や俺が一人の時だったから逃げ切れたけど今回は紗枝と会っちまった。運が悪いとしか言えないな」
星乃紗枝、透の彼女で命の親友である。
彼女は中学の時に転校してきて当時は俺と透は同じクラスで命だけ違いそんな中紗枝が命と同じクラスに来た。
紗枝と命は何故だか気が合うらしくすぐに親友と言える仲まで進展した。
そんなある日、命が紗枝を俺たちに紹介してくれた時、偶然か必然か透と紗枝が一目惚れしてしまい現在のようなバカップルに至る。
「ほんとお前紗枝と会うと人が変わるよな」
「紗枝は俺の女神だからな」
「はいはい惚気は結構です。そんなんだから目をつけられるんだぞ」
「それは甘んじて受け入れるしかない」
「まったく・・・」
「そこまで元気なら大丈夫だな」
不意に後ろから声がした。
「友坂先生」
「ったく、朝からアイツらに絡まれるとは不運だったな太刀川」
友坂結衣先生、この学校の理事長であり全ての棟の非常勤講師である。
友坂先生は生粋の天才であり秀才で学生の頃から全ての学問にスポーツや芸術に精通しておりそれら全てに飽くなき探究心を持ち合わせており数々の功績を残している。
「友坂先生俺には何かないんですか?」
「あ〜峯口貴様もいたんだな」
「いたんだなって渚と態度違いません!?」
友坂先生は明らかに冷ややかな態度で透に接している。
「黙れ!貴様と星乃がイチャつきまくるからアイツらもでしゃばってくるのだ!それに私自身貴様が嫌いだ!学生時代恋愛が出来なかった独身への当て付けかとイライラするのだ!!!!」
そういえば友坂先生って漣先生と学生時代からの親友で独身仲間だったな。
何故俺がそんなことを知っているかと言うと一年の頃漣先生と一緒に居酒屋に行ったことがあるその時
『う〜ひっく、う〜ひっく』
「先生、泣きながら酔うのやめてください』
『だぁ〜てさ君たちはさ今青春を謳歌しているわけじゃん』
『まあ〜対外的に見ればそうですね』
「友達と放課後にカラオケ行ったり休みの日にはみんなでゲーセン』
『いや、放課後にカラオケとか大半の学生してないと思いますけど』
『長期休みにはカップル同士でデートしたり』
『あの先生?』
『お互いの家族同士で旅行に行ったりお互いに更に仲を深めて親公認になって!』
『ちょっ先生ストップストップ!!』
『ああそうだよ!!私や結衣は君たちに嫉妬しているよ!!なんでうちの学校にはカップルが多いんだ!!何故私には恋人の一人もできないんだ〜〜〜〜!!!!』
と泣きながら生徒に本音をぶちまける先生の話を聞いたからである。
「はぁ〜私も疲れているのかもなこうも感情を乱してしまうとは・・・お前たちも早く教室に行けもうすぐで予冷がなる」
「げっ!マジかよ早く行こうぜ!」
「おっ、おい!すみません先行きます」
「ああ、早くしろよ」
俺は友坂先生にお礼を言い透を追いかけた。
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