晩飯

アレからなんとか話は落ち着き・・・落ち着いたか?

まあ、そこら辺は些事だ。


とりあえずお互いに状況の把握し一旦終わった。


いやー怖かった、言葉が出ればケンカに罵詈雑言

最終的には


「二人ともやめなさい!!貴方たち、もう高校生でしょ!なのに人様に迷惑をかけて恥ずかしく・・・・・・・・・」


と、ついには春香さんの堪忍袋の緒が切れ二人はそこから静かに話を聞いてくれた。


とりあえず今日のところは二人が家に住む事が決定事項なので二人の引っ越しなどなどの為解散する事になった。


ちなみに命は


「いい、貴方たちには絶対に負けないから!覚えてなさい!」


と、子悪党かのようや台詞を吐き帰って行った。


「勝てるの〜?」


「◯ね!」


とようやくひと段落着いたのであった。



「とりあえず今日は二人とも泊まっていくの?」


「ううん、今日は挨拶に来ただけ私たちもさっきメールがきてそれで知ったの」


「だから制服のまんまなのか」


「明日から荷造りをするから多分一週間後ぐらいに引っ越すつもり」


「それまでに私たちの部屋、綺麗にしといてよね」


「分かりました・・・・・・夕飯はどうする?今なら俺が作るけど」


「あらいいわね」


「お手並み拝見といきましょう♪」


なんで上から目線なんだよ?


冷蔵庫の中身を見るとあるのは玉ねぎやキャベツなどの野菜が何種類かと鶏肉が少し。


「これならルーローハンだな」


フライパンを取り出したまずは油でコーティング、

そのままニンニク、玉ねぎを炒め鶏肉を入れる。

少し炒めたら水を加え醤油、オイスターソース、砂糖を加えて、仕上げに卵を付けて煮込み盛り付ければ完成。


「二人とも飲み物は?」


「麦茶」


「私も麦茶で」


冷蔵庫から麦茶を取り出しカップに注ぎルーローハンと一緒にトレーに乗せてテーブルに運ぶ。


「お待たせ」


「すごっ」


「美味しそう」


二人とも飯に釘付けになり詩織に至っては口から涎が出ている。


「それじゃ、頂きます」


「「頂きます」」


うん、良い味だ。

余り物で作ったけどこれは美味いな。

今度から献立に入れても良いな。


「お味はどうですか?」


「うん美味しそうよ」


「・・・・・・(咀嚼音)」


春香さんは箸を綺麗に使い綺麗な所作で食べている。

一方の詩織さんはガツガツと食い入るように食べている。


「詩織さんっこんなに食べるですね」


「詩織ちゃんはアウトドアだからよく食べるのよ。

それと私たちに敬語はいいわよ。家族なんだから」


「そうで・・・そうか、なら遠慮なく敬語なしでいかせてもらうよ春香姉さん」


「んふふ、姉さん・・・いい響きね。私ずっと弟が欲しかったのよ」


「あはは・・・それは」


「おかわり!」


詩織が綺麗に無くなったルーローハンの皿を俺に向けて来た。

もう食ったのかよ。

結構な量入れたんだけどな。


「はいはい。大盛り?」


「大盛り!」


俺はさっきより多く盛り付けて詩織に渡した。

渡してすぐ詩織はまた食べ始めた。


「んふふ、なんだか楽しいね」


「ええ、全くです」


何故だろう今日の飯はいつもより楽しく、そして美味しい。





「ふー、ご馳走さん」


「もー詩織ちゃんったらだらしない」


詩織は腹をささりながら満足そうな顔をしている。


「日、暮れてるけど本当に送らなく良いのか?」


「うん、そこまで遠い訳じゃないし私たちだけで平気よ」


「そうか、気をつけて帰れよ」


「ええ、ありがとう」


「美味かった、また作ってるか?」


「ああ、一週間後にはまた食えるよ」


「そうだな」


二人はそのまま帰って行き俺は今日の一日を終えた。

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