修羅場建設

教室に戻った瞬間、教室にいた全員に振り返られた。


そんな中から命と透が出てきて昼飯を食っていた俺たちの机に引っ張っられた。


「おいおい、どういうことだよ。いつの間にあんな美少女と知り合ったんだよ」


透がニヤつきながら聞いてくる。


「いや、そのことについては後で」


「後でじ〜っくりと聞くから。放課後アンタの家行くからいいわよね?」


「いや別に家じゃなくても」


「い・い・わ・よ・ね?」


その顔は笑顔だがその周りにはドス黒いオーラが見える。


「わ、分かった」


「うん♪」


命はそのまま自分の机を直して残ったのは俺と透だけになった。


「修羅場だな」


「やめろ、物騒過ぎるわ」


「嫁を怒らせる方が悪い」


「嫁じゃねぇよ。・・・はぁ〜」


「まぁそんな凹むなよ。帰りにマック奢ってやっから」


「帰りマック行けねぇよ」


「おっ、そうだった」


「てぇめ〜〜」


コイツ、分かってて言ってるだろ!


クゥッソ!


ラノベならおもろい展開になるのに現実だと不安と恐怖で胃が痛くなりそうだ。


まぁでも母さんも家に居ないしどうにかなるだろ。











*ラブコメの主人公はどんな世界でも一級建築士である。(自論)






帰りのHRが終わるや否や命がソッコーで荷物を持って向かって来た。


「行くわよ」


「あっ、はい」


俺は素直に従う。


いや、本能が従えと訴えてきたのである。


まだ冬の寒さが残る放課後の通学路周りには恋人同士で帰るカップルやグループで帰る奴らがいる。


うん、いるんだ。


前後10メートル離れてるけど!!


腕を組まれいるが色気も何も無く!


ぶつぶつ下を向きながら何か唱えてるけど!


あーお腹痛い、トイレ行きたい、逃げたい。




そしてついに着いてしまった。


「開けなさい」


「はい」


何故だ、俺はただ陰キャライフを送り、自作小説を投稿し、アニメ、ラノベ、漫画を観て読んで穏やかに過ごしたかっただけなのに。


なのに何故、こんな地獄行くような気分を味合わなくてはいけないんだ。


「ただいま〜」


「お邪魔します」


命は家に上がるや迷いなく階段を登る。


「お茶菓子持って行きます」


「分かった」


命はそのまま俺の部屋に向かい俺はリビングに向かう。


実は命は何度か俺の家に来ており母さんとも知り合いだ。


俺はリビングでお茶とジュースと適当にクッキーとポテチをお盆に乗せる。


お盆を持ってリビングを出ようとした時テーブルに置いてある一枚の手紙に気づいた。


お盆をテーブルに置き手紙を見る。


「お、おい、冗談だよな」



『渚へ

お母さん達、出張も兼ねて旅行に行ってきます♪

半年は戻って来ないから。

でもお金は貴方の通帳に入れておいたからそれでどうにかしといて。

それと春香ちゃんと詩織ちゃんも今日から家に住むことになったから。

夜には荷物持って来ると思うから準備よろしくね♪

                母さんより』



冷や汗が止まらない。


なんで今!


しかもなんで手紙!


今時スマホに送れよ!!




ブルブル




渚のポケットに入ってたスマホが鳴り出し取り出すとそこには。


『まだ』


と短い命からの通知があった。


渚は手紙をポケットにしまいお盆を持って急いで命の元へと向かう。


部屋に入ると命は俺のベットに座りカバンは俺の勉強机に置いてあった。


「遅い」


「悪かった」


何故突撃された俺が謝るんだ?


渚はお盆を茶葉台に置き命がポテチの袋を開ける。


「で、あの子たち誰?」


「あの子たちって」


「アンタを昼休み連れ出した女よ」


「春香さんと詩織さんのこと?」


「そうよ。あんな可愛い子たちといつ、どこで、どうやって、知り合ったのよ」


命がずるずると渚の顔に自分の顔を近づける。



ピンポーン



家のチャイムがなる。



ピンポーン・・・・・・ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン


ドンドンドンドン!


「渚ー居ないのー!」

「詩織ちゃん、近所迷惑だよ!」


チャイムが更に鳴りドアを叩く音、更には聞き覚えのある声が聞こえる。


声が聞こえた瞬間、命が部屋を出て行った。


「あっ!ちょっ、命!」


渚は余りの命の速さに出遅れ急いで命を追いかける。


追いかけながら渚は思う。


手紙と違うじゃねぇか!

どうすんのこれ?どうすんの!?


バン!!


階段を降りる途中玄関からデカい音が聞こえ、そこで見えるのは命と対面する春香さんと詩織さんであった。


俺、どこでフラグ建てた?

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