第4話 お兄ちゃんの寝顔は目の保養です
目覚ましの音で目が覚めた時間はまだ朝の5時、今日は日曜日で完全にオフの日。確かお兄ちゃんもお休みのはず。
リビングに行くとお母さんがコーヒーを飲んでいた。髪の毛がまだ少し濡れていることからシャワーを浴びた後みたい。
「お母さんおはよう、今朝は早かったの?」
「ひなちゃんおはよう、さっき帰ってきたところなの、今日はおやすみだからこのまま寝ちゃおうかなと思ってるわ」
「朝ごはん何か食べる? フレンチトーストで良ければ作るけど」
「朝は良いかな、まだ昨晩のがお腹に残ってるから、さてと歯磨きしてお母さんは寝ちゃうわね」
「うん、おやすみなさい」
なんだかぽやぽやしているように見えるお母さん、名前は
さてと朝ごはんはどうしようかな、お母さんが食べるのならフレンチトーストでも作ったのだけど、私とお兄ちゃんの二人分ならいつもどおりでいいかな? さっとソーセージと目玉焼きを二人分作って食パンを2枚トースターにセット、レタスを洗ってお皿に添えて完成。
コーヒーメーカーに水を入れてペーパーフィルムとコーヒー粉を投入しスイッチを入れてお兄ちゃんを起こしに向かう、部屋の扉をそっと開けてベッドに近寄りお兄ちゃんの寝顔を堪能する。薄茶色のくせ毛の髪、私に対してはいつもにこにこしている表情は寝ていても変わらない、しばらく眺めているとトースターのチンという音が聞こえた気がした。
「お兄ちゃん朝だよ、朝ごはん用意したから一緒に食べよ」
お兄ちゃんのほっぺたをツンツンしてみるけど反応がない、体を揺すってもダメっぽい、仕方がない最終手段を使うしか無い。私はお兄ちゃんの顔にそっと唇を寄せる、そしてそっと息を「ふぅ~」と耳に吹きかける。
「ふわっ!」
がばりと起き上がると少しボーっとした感じであたりを見回して私と目があう。
「お兄ちゃんおはよう、ご飯できてるよ」
「陽向葵おはよう、たまには普通に起こしてほしいな」
「いつも先に声をかけているんだけどお兄ちゃん全然起きないからだよ、ご飯用意できてるから先に行ってるね」
「わかったよ、すぐに行くから、それより陽向葵はパジャマなままだよ」
「あっ! き、着替えてくる」
自室に入りさっと着替える、すっかり忘れていたよ、かわいいパジャマだから見られても恥ずかしくないから良いけどね。脱いだパジャマを手に持ち脱衣所に行き洗濯機の中に放り込む、洗濯機の中を覗いてみるとお母さんの下着が無造作に入れられている、もうお母さんは何考えてるのよ。
お母さんのブラを取り出し洗濯用の網に入れ込んで再び洗濯機に入れる、洗剤と柔軟剤を入れて蓋を閉じてスイッチオン。洗濯機が動きだしたのを確認してキッチンに戻るとお兄ちゃんがコーヒーを入れていた。
「陽向葵もコーヒーでいいよね」
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
お兄ちゃんからコーヒーカップを受け取り席に着く、お兄ちゃんも自分の分を持って席に座る。お兄ちゃんが食パンをトースターから取り出しそれぞれの席に置いていてくれている。
「「いただきます」」
まずはコーヒーを一口、ミルクも砂糖も入れていないブラックコーヒー、最初の頃は苦く感じたけど今ではなんだか甘く感じるのだから不思議。食事をすましたあとは二人並んでキッチンで食器を洗う、お兄ちゃんが洗って私は拭く係。
「お兄ちゃんは今日お仕事入ってないよねどうするの?」
「今日は一日家でゆっくりしようかなと思ってるよ、陽向葵はどうするの」
「今日は
「なら勉強見てあげようか?」
「ん~いいよ、二人の気が散るからお兄ちゃんは部屋にこもってもらってる方が良いかも」
「そう? ならお昼は僕が作るよ、母さんもお昼には起きてくると思うし雛山さんと
「じゃあお昼はお願いしようかな」
「うん任された、リクエストあったら受け付けるよ」
「えっと、それじゃあお兄ちゃん特性の甘いオムライスが食べたいかな」
「オムライスね、昨日のお店ほどじゃないと思うけどいいの?」
「お店のよりお兄ちゃんのが食べたいの、それに私はお兄ちゃんのオムライスの方がお店のより好きだよ」
「陽向葵にそう言ってもらうえると作りがいがあるね、分かったよそのリクエスト承りました僕のかわいいお姫様」
そう言ってタオルで拭いた手で私の頭をぽんぽんと撫でて来る。
「もう、お姫様とかからかわないでよ……」
それだけ言って顔を伏せるきっと今の私の顔は真っ赤になっているのだろう。
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