第一回闘技場競技大会

大会当日。快晴。観客席には大勢の民が集まった。

王族が到着し、王が「これより第一回闘技場競技大会を開幕する」と宣言し競技が始まった。


弓の予選

的の中央に当たると審判が赤い旗を上げる。当たるたびに民の歓声が響く。

点数の上位者には布の輪が渡され、選手はそれをかけた。


格闘の予選

素手でぶつかり合うのに民は驚いたが、力と力の対決にすぐに引き込まれた。

力任せに相手を投げたり、押し出したり。勝敗が決まるたびに歓声が上がる。

勝ち負けの数で順位がつけられ、同数のものを再試合して勝者を決めた。

勝者には弓と同じ布の輪が渡された。


剣の予選

盾と剣を持った選手の戦いに民は引き込まれる。場内には剣の打ち合う音が響き渡り勝敗が決まるたびに歓声が上がった。

格闘と同じようにして勝者が決まり、勝者には弓と同じ布の輪が渡された。


予選会だけで午前中を要した。休憩が入り午後から再開されることとなった。


弓の決勝

布の輪を首からかけた選手たちが入場し、予選よりも長い距離で順番に矢を射った。予選と違うのは的からの距離が遠くなっていること。的に矢が1本でも当たらなかったら即退場。一回りするとさらに距離を伸ばした。

最終は3人が残って順番に矢を射り的の中央に当て続けるという難しさ。

民は矢を射るときはシンとするが当たった旗が上がると歓喜した。

優勝者が決まり、蔓で作られた冠がかぶせられた。


格闘の決勝

くじにより対戦相手が決められ、負けた方が退場。予選を勝ち抜いた猛者もさだけに試合は壮絶を極めた。民は選手に声援を送り勝敗が決まると歓喜した。

優勝決定戦。組み合った二人は押し合い投げようとされるとこらえ、押し出そうとするのも地面に足を練りこませるようにしながら耐えた。

試合時間が長くなり、一端休憩。再度組み合うと一人が渾身の力を込めて相手を投げ飛ばした。民の歓喜は最高潮に達し。優勝者には蔓の冠がかぶせられた。


剣の決勝。

ルールは格闘と同じ。剣であることで撃ち合う音が闘技場内に響く。民は声の限りに応援した。

優勝決定戦。一人が相手の盾を弾き飛ばし、一気に勝負に出た。だがもう一人は相手の剣をかわし、逆に剣を弾き飛ばした。この瞬間優勝者が決定した。

民は優勝者に惜しみない声援を送る。優勝者には蔓の冠がかぶせられた。


競技はこれで終わりか?と思われたが、テュールが「休憩の後特別試合を行います」と宣言すると、民はまだ続くと歓喜した。


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