弓の実践

翌朝ススムは目を覚ますと、顔を洗って着替えた。どうしようかと思っているとドアをノックする音がした。

「はい」

「入っていい」

「どうぞ」

「俺、ダグ。ブラギ様からススムの世話をするように言われたんだ」

「そうですか、ススムです。よろしくお願いいたします」

「俺に敬語はいらないよ。朝飯たべようぜ」

そうダグが言ったので二人で食堂に行った。

「ここに座って」ススムは席に座った。

食事が並べられ二人は黙々と食べた。


食べ終わるとダグが「ブラギ様が呼んでるんだ一緒に行こう」とススムを屋敷の中の部屋へと連れて行った。

「ダグです、ススムを連れてきました」ダグはドアをノックしてそう叫んだ。

「入りなさい」中からブラギの声がした。二人は部屋の中に入った。

「ススム、ダグ座って」二人は腰かけた。

「さて、ススム、昨日君から聞いたことを王女様にお伝えした。興味を持たれてな実際にやってみようということになった」

「え!弓を使った競技のことですか?」

「そうだ。そこで軍参謀のテュールに話したところ、今日昼前にやることになったんだ、食事も済んだ事だし行くとしようか」そうブラギは言うと立ち上がり使用人に出かける用意をさせた。

「ススムは何も用意はいらない。ダグ一緒に馬で連れて行ってくれ。ススムもいずれ馬に乗れるようにならないとな」

ススムは頷いた。

ブラギとダグの馬は軍の練習場へと向かった。


練習場に着くと軍人が弓矢を持って待っていた。3人は馬から降りその人の方に向かった。

「テュール、この子がススム。ススム弓の名人で軍参謀のテュール」

「よろしく、ススム」

「テュール様よろしくお願いいたします」

「的なんだがこれでいいのか?」テュールは丸い円盤を差し出した。

「はい、これでいいと思います」ススムが答える。

「これを止めて、ある程度離れた距離から矢を射る、5本射って点数を合計するだったね」

「はい、距離は少し難しいくらいあった方がいいと思います」

「解った、やってみよう」

テュールは的を木に取り付け、かなり離れたところに立った。弓を構えるとまず1本目の矢を射る。矢は的に命中したが端の方。2本目少し中。3から5本目は真中に命中した。

「う~ん。これはかなり難しいな。点数を競うとなると面白い。軍の鍛錬にも使えそうだ」

「難しいようであれば、的を大きくするか、距離を短くすればいいです」とススムが答えると「なるほど」テュールが答えた。


「なんかおもしれえ事やってるな」いきなり大声がした。声の方を向くと大男が立っていた。




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